ドキュメンタリー映画『広河隆一 人間の戦場』
「人間という大きなアイデンティティのなかに、ジャーナリストというアイデンティティが包まれている。だから目の前に溺れている人がいれば、カメラを置いて助けるべきなんです」
フォトジャーナリスト広河隆一の哲学は言葉こそ明快だが、厳しい。それを実践する自分自身に烈しい生き方を求めずにはいなかった――。その取材の歴史は1967年、イスラエル・パレスチナに始まる。82年、イスラエル軍に包囲されたレバノンのパレスチナ難民キャンプで起きた虐殺事件を撮影、その映像が証拠として世界に配信された。89年には西側のジャーナリストとして初めてチェルノブイリ事故によって立入禁止になった地区を取材し、隠された放射能汚染を告発した。人間の尊厳が奪われている場所を、広河は「人間の戦場」と呼ぶ。
ドキュメンタリー映画『広河隆一 人間の戦場』12月19日(土)より、K'sシネマほか、全国順次公開