鄭容順の直言!

日頃気が付いたこと徒然に。

「故郷の山にも似ているのか」

2008-05-23 07:52:34 | 直言!
三輪山が連なる
初瀬川のせせらぎ
雑木林の鳥の声
竹やぶの下には山菜
祖父母・父母が眠る草葉は朝倉の小高い山の上
祖父が1960年に逝去
故郷(くに)の往来を見ずに逝去
もし生きていれば往来とともに真っ先に故郷に
そのかわり旅費に苦労する父親の顔が浮かぶ
海峡が封鎖されたままで祖父は他界
病で命幾ばくもないとき子息に負ぶってもらいこの小高い山に
祖父は言う
「ここなら1番高いところ、韓国が見える」と言った
どこに韓国が
高台の墓所から周りを見ると韓国の風景と似ている
小高い山並みに川のせせらぎ
父が死ぬ間際に言った
「ふるさとの山も川も覚えているよ」
その言葉に記憶がよみがえる
祖父母・父の故郷の景色に似ている小高い山並み
田舎の川は晋州川に
祖父が他界して47年、子息が祖父の年をはるかに越えてこの山に
来てみれば老いた体には堪える高台の墓所
叔父の老いた風情
在日コリアンの渡日史
1世から2世
2世も老いに入り3世に墓守を託して
日本で繋いだ命
何がどう変わろうとルーツを繋いで
日本で生きた在日コリアンの歴史は深く深く心に刻まれていく

祖父は「ここならふるさとが見えていい」
叔父は「なぜこんなに高台に」
そして姪が言う
「祖父がここなら故郷(くに)が見えるからといったそうだよ」
皆黙った。さわかな風が皆の頬をなでていく
そこに祖父が通り過ぎたような気がした
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