日本版Welfare Queenにされてしまった?Kさんの母親

2012-05-27 10:32:31 | 日常

親族の扶養義務厳格化へ... (2012年5月26日09時10分  読売新聞)

有名芸能人の親族による生活保護の受給が波紋を広げている。
 お笑いコンビ「××××」のKさん(37)は25日、母親が最近まで生活保護を
受給していたことを東京都内で開かれた記者会見で認め、一部を返還する考えを
明らかにした。厚生労働省は今後、扶養可能な親族がいる場合は、家庭裁判所での
調停を通じ、民法の扶養義務を果たさせるよう自治体に呼びかけるなど、運用を
厳格化することを決めた。
 「母親は一人で僕と姉を育てた。面倒をみなければならないのに、自分がしっか
りしていれば、嫌な思いをさせることもなかった。申し訳ない」。25日午前、
Kさんは記者会見で涙ながらに何度も頭を下げた。

 先月、週刊誌の報道をきっかけにKさんが批判にさらされるようになったのは、
息子であるKさんには民法で母親の扶養義務があるからだ。
 Kさんによると、母親は14~15年前に病気で働けなくなり、生活保護を受け
るようになった。仕事が全くなかった当時のKさんにとって、母親を支援する
余裕はなかったが、5~6年前から知名度が上がり収入も増えたため、生活費を
支援するようになった。
 福祉事務所にも相談しており、違法とはいえないケースだが、援助は一部にと
どまり、受給は先月、母親が打ち切りを申し出るまで続いていたという。
 この問題を巡っては、制度の運用や行政側の対応の課題も浮き彫りになった。
 同省によると、生活保護の受給申請があると、自治体は申請した人の親族に生活
援助が可能かどうかを照会する。ただ、親族の回答はあくまでも自己申告で、仮に
事実とは違う内容を説明されても見抜くのは難しい。また、経済力があっても親族
が扶養を断ることは可能で、結局は申請した人の生活が困窮しているかどうかで
受給の可否が判断される仕組みだ。
 受給が始まった後、自治体は原則年1回、親族の経済状態を調べ、受給者の扶養
が可能かを再検討することになっている。しかし、担当のケースワーカーが確認を
怠っているケースもあるとみられ、Kさんのケースでは、調査は約15年間に3回
程度にとどまっていた。
( 注:読売新聞の記事では実名でしたが、Kさんとしました)

コロ子の感想 
厚生労働省の対応の早さに驚きました。手回しが良すぎるような気もします。
国はかねがね親族の扶養義務を厳格化したかったのでしょう。そんな折、
お笑い芸人Kさんの母親のケースが報道された。厚生労働省にとっては
千載一遇のチャンスだっかも知れません。
今後、収入が多くない一般人にも親族の扶養義務が課せられていくことに
なるはずです。
福祉予算を削る時、不正受給の話をして反福祉感情をあおる、という
やり方は、アメリカの共和党にも見られます。

Welfare Queenとは?(出典 ネイティブ感覚で観る『ザ・ホワイトハウス』61
共和党はことあるごとに福祉政策を弱体化させようと画策し、レーガン大統領
(共和党)は「政府から福祉予算(生活保護金)をだまし取り、キャデラックに
乗って裕福な生活を送っている黒人のwelfare queen(福祉予算で女王のような
暮らしをしている詐欺師)がいる」と吹聴し、それ以降、アメリカの世論がアンチ
福祉に傾きました(後に、レーガン氏の話は作り話で、キャデラックに乗っている
welfare queenなど存在しないことが明らかになりましたが、何度も繰り返された
この逸話は真実としてアメリカ人の脳裏にしっかりと焼き付いてしまったのです)。

Reagan’s Racially-tinged Narratives(出典Ronald Reagan: Racism and Racial Politics)
Reagan’s bogus tales of food stamps chiselers and welfare queens tended to employ racial
imagery and often outright racist references to blacks (e.g., in telling a tale about food stamp
fraud to a Southern audience, Reagan referred to a “young buck” (“buck” is a derogatory term
used in the South to denote an African-American man) using his food stamps to buy T-bone
steaks and to northern audiences he spoke of the apocryphal story of the “Cadillac-driving”
Chicago welfare queen (Reagan's anecdotes were a wild distortion of the welfare fraud case
involving a Chicago woman named Linda Taylor
. These bogus stories were a double
whammy: 1. They worked to break off a significant chunk of the white working class (the
“Reagan Democrats”) by appealing to their worst instincts and fears; and 2. They served as
a justification for Reagan’s economically regressive policies (also see the addendum)
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