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緑のそよ風-2

2017年04月07日 | 曲目解説
前回に引き続き「緑のそよ風」。作曲の草川信さんのご紹介です。

草川信さんは、長野県長野市松代町のご出身。現在も地元の観光案内ページに紹介記事が掲載されています。

松代観光推進機構事務局HP http://www.matsushiro-year.jp/modules/machiarukicenter/

(お写真があまり残されていないようで、画像検索でも決まったものしかヒットしません。ご興味のある方は検索してみてください。)

おうちは敬虔なクリスチャンファミリーで、男ばかりの4人兄弟。幼いころから讃美歌に親しんだようで、中学までは地元でお過ごしになり、卒業後は東京音楽学校に進みました。バイオリンとピアノを学ばれたようですが、ご専門はバイオリンだったとのことです。長兄である草川信雄さんが先に同校に進学しており、お兄さんは鍵盤楽器がご専門でした。富士見町教会でオルガニストをされていました。また三番目のお兄さんはバイオリニストになりました。

音楽学校では成田為三(浜辺の歌の作者)と同期で、のちに成田が海外留学する際に「赤い鳥」の仕事を引き継ぎます。印象として、当時の西洋音楽のコミュニティーは「キリスト教」⇔「東京音楽学校」⇔「児童・幼児向けの新時代音楽」が相互にリンクしており、それらが緩やかに結ばれて先進文化が作られていたのではないか、と感じます。(狭い世界だったのでは・・・) 

作品は、「春の唄」、「どこかで春が」、「夕焼け小焼け」、「風を見た人」(西条八十版)、「汽車」、「揺籠の歌」、「緑のそよ風」など。メロディーが美しい、作曲作法が端正な(従って覚えやすい)素敵な曲をたくさん作っています。バイオリニスト志望だったとのことで、「春の唄」や「風を見た人」「揺籠の歌」など、なるほどバイオリンで弾いたらきれいだろうな~と思わせる旋律ですね。

「春の唄」→桜の花の咲くころは うらら うららと 日はうらら
      硝子の窓さえ みな うらら 学校の庭さえ みな うらら
      (野口雨情)
「風を見た人」→誰(たあれ)が風を みたでせう
        僕もあなたも みやしない
        けれど木の葉をふるはせて
        風はとおりすぎてゆく
        (西条八十)


↑ ↑ この二曲は、私たち世代にはあまりなじみがありませんが、60代後半以上の方はとてもお好きなようです。教科書にのっていたそうです。私は老人会でみなさんが斉唱されたときにこの曲を知りました。いい曲ですので、ぜひ動画検索してみてください。

信さんも残念ながら早くに亡くなられ、享年55だったそうです。「緑のそよ風」は遺作とのことで、この曲の発表を待たずに逝去されました。風のように、すてきに人生を駆け抜けていかれました。
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