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続き:証城寺の狸囃子(講談社絵本)

2024年07月28日 | 曲目解説
●証誠寺の狸囃子 作詞:野口雨情 作曲:中山晋平 大正13年
こちらの楽曲は2016年5月3日にすでにご紹介しておりますので、野口雨情が巻頭言を記している「童謡画集」講談社の絵本25(大日本雄弁会講談社 1937年 川上四郎画 定価35銭)という本をご紹介します(大日本雄弁会講談社は現講談社の旧社名です)。


以下巻頭言引用
心を正しく美しくする「童謡画集」 野口雨情
皆さん方が、学校でもお家でも同じことですが、一心に勉強ばかりしてゐると、頭がぼんやりすることがあるでせう、そのときに好きな童謡を歌ってみると、いつのか間に心もハレバレとして頭の疲も治って来るでせう。頭の疲れたといふことは、頭の中にくたびれの素が出来たからです。このくたびれの素がなくなれば、つかれもすぐになほってしまふのです。童謡はくたびれの素をなほすお薬だといふことも出来ます。これはほんの一例ですが、これとなじやうに理屈では解らないが、いろいろの場合に皆さん方の心のお薬にもなります。また、姉さん達やお母さん方が、皆さんのほんの赤ちゃんの頃面白い歌を歌って眠らせてくれたことを覚えてゐますか、そらく覚えてはゐないでせうが、その歌は子守唄であったか童謡でせう、その歌の力によってすやすやと眠ることも出来たでせう。これなぞも確かに歌の徳といふことが出来ます。その他にも、私の経験によれば沢山の実例もありますが、いつかまたお話しする時もありませう。
この「童謡画集」は、講談社の編集局で、皆さん方によく歌はれてゐる童謡の中から、学校でもお家でもためになって誰にも親しみのあるやうにこしらへたのでありますから、絵もよく描かれてゐるし、絵を見ただけでも童謡の感じがよく解るやうに出来てゐます。この絵本さへあればますます童謡のよいところが解って、歌ふにも作るにもこれほど調法な本はないのであります。そればかりでなく、皆さんの清い心もますます清く、どこまでも優しく美しく導いてくれる絵本です。正しい心も勇ましい心も、優美な心から生まれて来るのですから、今の日本にとって学校でもお家でも忘れてはならないよい本であります。
引用終わり




狸囃子のページはこちらです。

この本は講談社が発行した子供向けの読み物シリーズの25冊目で、シリーズの他の巻には「東郷元帥」「漫画と頓智」「花咲爺」「豊臣秀吉」「宮本武蔵」など伝記から偉人伝、滑稽もの、昔話など様々なバリエーションがあるようです。
当25巻は「色刷り・1見開きに童画と歌詞」で28曲が紹介されている体裁ですが、さらに読み進めると、後半ページに更紙にスミ1色で「軍歌唱歌集」が印刷され、合計15曲の歌詞が掲載されています。なんとも時代が反映されており、雨情の巻頭言との乖離ぶりに心がしんとする思いです。


オリジナルの画像は国会図書館デジタルで確認できますので、興味のある方は検索してみてください。


巻末には「絵本カード」が掲載されていました。

ちなみに、川上画伯の絵とともに掲載されている歌は、以下の通りです。知らない歌もいくつかありました。
クツガナル
七ツノ子
ヘイタイサン
証城寺ノ狸囃子
コモリウタ(ネンネン ネッコジマノ ヤグラヲトメ・・・)
スズメノガッコウ
オ月サマイクツ
ユフヤケコヤケ
アメフリ
ジャンケンポンヨ
アノマチコノマチ
マリトトノサマ
ニンギャウ(私の人形はよい人形・・・)

オヤマノサル(オヤマノサルハマリガスキ・・・)
イヌ(ソトヘデルトキトンデキテ・・・)
ウサギノデンパウ(エッサッサエッサッサ ピョンピョコウサギガエッサッサ)
ニラメッコ
カタタタキ
アヲイ目のニンギャウ
てるてる坊主
アワテトコヤ
トホリャンセ
ヤマビコ コゾウサン
キシャ
ヒライタヒライタ
イケノコヒ
ホタルコイ


ぞうさんはまた稿を改めて。


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