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2022-05-21 20:56:35 | 生き方
自閉症の10代兄妹アーティスト、絵で「世界中のみんなが幸せに」 6月に東京新聞本社で作品展

2022年5月21日 06時00分・東京新聞
 
 絵やデザインなどの創作活動に取り組み、有名アパレルブランドや全国区のイベントで採用され、活躍を続ける兄妹きょうだいがいる。金沢市の高校1年生輪島貫太わじまかんたさん(15)と、中学2年生の妹、楓かえでさん(13)だ。2人は自閉症で、芸術の才能が認められ脚光を浴びている。国連の持続可能な開発目標(SDGs)を推進する企画に協力した経験もあり、6月には絵をポスターにして紹介する作品展も初めて東京で開かれる。「世界中のみんなが幸せになってほしい」。貫太さんたちの思いをこめた優しい絵は、人々の心を癒やしている。

 貫太さんの絵は、登場人物がぎゅっと集合しているのが特徴で、人間や動物、ロボットたちが仲良く集まっている絵を描くのが大好き。にこにこした表情を浮かべた人ばかりが登場する。SDGsのコンセプト「誰も取り残さない」に重なり、多様性を認め合う今の時代に支持されている。楓さんは、おとぎ話に出てくるドレスや王冠などをモチーフにした切り絵を手掛けている。
 貫太さんは2歳半、楓さんは2歳ごろに自閉症と診断された。2人とも、地元小中学校の特別支援学級に通いながら、のびのびと趣味で創作を続けてきた。
 転機は2019年。スポーツ用品大手「アシックス」が展開するオニツカタイガーのスニーカーに、2人のデザインが採用された。2人の絵や切り絵を、母・満貴子さん(42)が写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿したことをきっかけに、デザイナーの目に留まったのだ。
 その後も、国内最大のファッションイベント「東京ガールズコレクション」の公式グッズに採用され、食べ残しを持ち帰る組み立て式容器「ドギーバッグ」にイラストがあしらわれた他、ジャニーズ事務所のグループによるユニットのCDジャケットにも使われ、NHKの番組でも貫太さんの絵が登場した。
 貫太さんはこの春、金沢市内の通信制の高校に進学した。貫太さんの絵のポスターを中心に紹介する兄妹の作品展は6月7〜30日(日曜日は休み)、千代田区内幸町の東京新聞1階ロビーである。