ANTI-新P舎

それがぼくには目障りだったから ©[L.Torvalds (et) S.Fujiwara] by 資

僕は社長の松崎義行さんと会ってよく話をしてたんですけど――谷川俊太郎御大

2009-02-06 | 当事者
20080303発売
谷川俊太郎 和合亮一
 「世界の中の微細な力を信じて (特集 詩のことば)」
 『ユリイカ』 40(5) (通号 550) pp.171-183 青土社
  http://www.seidosha.co.jp/index.php?%BB%ED%A4%CE%A4%B3%A4%C8%A4%D0


 現代のフローとは?
(略)
谷川 (略)
 一方で歴史的な経緯を踏まえた、思想的な詩の評論とか詩を『現代詩手帖』なんかに書く詩の専門家の一群がいて、他方で自費出版で詩集を出している相当な数の詩人たちがいるわけです。それの象徴がこないだ潰れた新風舎だったわけですけど、最盛期は二百何十人もの社員を抱えて、赤坂に大きなビルを構えていました。僕は社長の松崎義行さんと会ってよく話をしてたんですけど、彼は自費出版というのが詩の基本だ、という信念を持っていて、それは僕にとって盲点だったんです。自費出版で出る詩なんてどうせ大したことないっていう思いこみをちょっと正されたような気がして、僕はわりと肩入れしていたんです。それでオフィスに行ってみるとあまりに巨大で、詩のマーケットってこんなに広かったんだと思って驚いたんですね。そうしたら潰れかたもまた本当に早かった。でも、松崎さん自身の個人的な資産って皆無なんですよ。普通、急激に成長した青年実業家なんて、いい車に乗って、六本木あたりに出没して高い店をハシゴしたりするじゃない? そういうのが一切なくって、見た目も本当に詩人としか言いようがない感じで。僕はそこも感心したんだけど、商売的にはそれが裏目に出たんだね。要するに彼はフローでだけ商売してたわけで、フローは集まるのも早くて多いけど、なくなるときもあっという間なんです。そこでフローってものがいかに脆いかを知ったところはありますね。
―― 現代の詩の状況を考える上で、ひとつの象徴的な出来事だった気はします。
谷川 そうですね。新風舎は潰れたわけだけど、文芸社は相変わらずがんばってるし、また老舗の出版社がみんな自費出版の部門を設けつつありますよね。商業出版という枠組自体がすごく危機に瀕してるってことがあるから、これからどうなるのかよくわからないところはありますけど、ああいう形態で書かれる詩がなくなるってことはないでしょうね。



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6 コメント

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谷川俊太郎にもの申す (三文詩人)
2009-12-06 11:46:00
私はかつて新風舎から実質自費出版形態の共同出版で詩集をだしました。マスコミやネット上で取り上げている百万、二百万なんて金は要求されてません。他の方には言えないような金額でした。ネット上で新風舎及び新風舎から本を出版した方々への誹謗中傷を読んで腹がたちました。そいつらは一冊の作品をも書けないくせに作品を作った我々の作品をいい本ならちゃんとした出版社から出るはず。新風舎を否定しないのは自分の作品を否定することになるからだ。と言いたい放題。私も近所の書店に置いて欲しいとお願いしたところ『こんなもの動かない。よそでうれたら置いてやるよ。』と横柄な対応。そのうちにマスコミやネット上での中傷で新風舎が倒産に追い込まれました。その時はさすがに腹がたって新風舎に電話をかけました。これで夢が絶たれたと思っていましたが親友がアマゾンでおまえの詩集が売っていると教えてくれました。私はmixiをしていて日記に詩集に載せた詩を書いていたのですが本当に文芸を理解できる複数の方々が読んでくれました。熱心にコメントをくださりその方々は詩集が欲しいと買ってくださいました。その中の一人の方が三文詩人さんの詩集がアマゾンで品切れになっていると教えてくれたので調べてみたら一冊あったのですが定価900円のものが8500円のプレミアがついていました。今まで新風舎の本を馬鹿にした奴、ざまあみろ。谷川俊太郎の詩集を持ってますが非常にしょうもないです。谷川俊太郎の詩集は日本で唯一売れる詩人です。これは谷川俊太郎は詩人に非ずということの証明です。詩人は霊感によって詩をかきます。朝日新聞に谷川俊太郎のインタビューが載っていました。彼は詩人は社会人として経済的に確立して詩人であるべきだととちくるったことを言ってました。詩人が詩で金儲けするのは霊感商法になります。だいたい詩人たるもの社会の埒外にあり盲目的な社会という幻想の見張り役をする存在です。現代詩手帖の詩を持ち上げていたけど私はあんなものに感銘を受けたことがありません。わざとらしく踏まれたいんと真に形式にとらわれない新たな詩という保守的な現代詩手帖に載っている詩人は誰一人普遍的なところに到達してません。私の詩集はかつて天才と謳われた町田町蔵の詩集と同じで究極の詩人と評価されました。谷川俊太郎さん、わたしはあなたを詩人と認めません。自費出版で出した詩集はたいした詩集じゃない?ランボーは自分で出したんですよ。
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はじめまして。 (資(たすく))
2009-12-09 02:17:29
『詩集 神の手におえぬもの』を著した方ですか?
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なんだかなぁ (ss)
2010-03-30 16:13:54
誰かを蔑まないと何もいえないってのはどうなのでしょうかねぇ。
何兆歩下がって誰かさんが天才詩人だったとしても、「自費出版で出した詩集はたいした詩集じゃない」なんてどこにも書いてないし、むしろこの文では谷川さんは自費出版をある程度称揚しているでしょう。

それに究極とか真とか、そういうことを言って自己を高踏化した時点で、あなたの論理に従えば、あなたも社会の典型形式にドップリ漬かってます。
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資さん (三文詩人)
2014-02-03 18:29:24
はい、私が著者です。
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SSさん (三文詩人 )
2014-02-03 18:33:06
誰かを蔑まなければ何も言えないのはあなたではありませんか?
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Unknown (Unknown)
2019-05-22 19:26:03
ん〜…当時谷川ファンの女性の戸惑う様子が気の毒な感じでした…それ覚えてますね
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