真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

ビクトリア時代の技術者 『ブルネルの偉大なる挑戦―時代を超えたエンジニア』 (佐藤建吉さん2006年)

2011-02-16 | 読書-歴史
ブルネルの偉大なる挑戦―時代を超えたエンジニア
佐藤 建吉【著】
日刊工業新聞社 (2006/08/30 出版)

TV番組で知ったブルネルの事績を紹介した本を借りてくる。

ビクトリア時代の技術者:ブルネル父子
本書の土台か?

ブルネルの事跡は多くのサイトに無数に記載あるが、説明するのに相応しい機関ということで、ブルネルを記念して命名されたブルネル大学のサイト。
Brunel University
Home >> About Brunel >> History >> Isambard Kingdom Brunel

(本文中にも言及されていた)生誕200年記念のサイト
Brunel 200

ss Great Britain Trust

SS Great Eastern

<これより脱線>
どうでもいいのだが、船渠すなわちドックのことを「ドッグ」と再三にわたり記載しているのはどういう意図か。
章のタイトルにまでドライドッグなどと記載するのは不可解きわまる。
(「ドライドッグでの鉄鋼船」という章があるのだ!)

著者および編集者がそう確信しているとしか考えられないのだが、犬に恨みでもあるのだろうか。
(「借り」があったりして?)

「人間ドッグ」での健康診断を勧めているサイトも少なくない世の中だし、現代日本では区別されないのが主流か?
まさか。

むかーし、ナマイキな若者(誰だかわかろうw)が、simulateするんだからシミュレーションと表記すべきであり、「シュミレーションなど記すのは無教養を宣伝するようなものだ」と主張したのに対して、「日本ではシュミレーションというのだ!」と言い張ったヒトを思い出してしまった。
まあ、「ハンドバック」などは伝統的だし?

紅茶等のティーバッグのことを「ティーバック」というヒトがいて、聞こえた通りのものを想像してニヤリとしていたりすると、そちらの方が問題だと言われかねないかも・・・。
ああ、脱線が止まらない。

どこぞのカイシャでは、「ワーニング」というのがすっかり標準になっておるらしく、ワーニングサインが出るの出ないの、などという。
ああ気色悪い・・。

情報処理用語正誤表

「外人のエン」さんの証言に注目

FM放送の出演者に告ぐ(笑)
なんだよ、誤字追放委員会がリンク切れになっとるじゃないか。

誤字大賞、またの名を「誤字アワード」、なんちゃって。
(アウォードじゃなくて、わ・ざ・と)

閑話休題。
ほかにも(退屈させないシカケがあって)、侯と候が区別されていない。

アルバート候(そうろう?)だったり、アルバート公だったりが登場。
専門外の事項にはとんと目が行き届いていないことがわかる。
現在の王配(女王の夫君)が「エディンバラ公フィリップ殿下」と表記される連想から、ビクトリア女王のダンナにも「なんとか公だか侯(候じゃない!)がつくんじゃないか」と考えがち?

エディンバラ公は、公爵位を(奥さんの女王から)受けたから「エディンバラ公」になったのであって、本人の名前は「フィリップ」なのざんしょ。
ゆえに、ビクトリア女王の夫君のプリンス・アルバートは、(公とか侯じゃなくて)「アルバート殿下」なのよね(王配殿下が正式)。

それと、「1836年6月、パッターソンの庭に、蒸気船のキールが横たえられた」(SS Great Western)という記述に首をひねる。
全長70メートル余の船を庭で作るのか?
どんな庭じゃ。

正確には、Length: 71.6 m (234.91 ft), later 76.8 m (251.97 ft) long だということらしい。
本書に2か所も記載される187m云々とは、何をどう間違うとそういう記述が生き残るのか。
木造だぞ。神話の世界か?

鄭和の宝船じゃないんだから。
List of world's largest wooden ships
ほほお、ノアの箱舟が最大で137m、と。

それとね、あのさ、引用元の英文資料に lay(laid) the keel と書いてあったら、船を起工する(起工された)とか何とか訳せばよいのであって、「・・庭に、蒸気船のキールが横たえられた」などと直訳しないで欲しいところ。

グレートウェスタン
"Built at the shipyard of Patterson & Mercer in Bristol, Great Western was launched on 19 July 1837 "
ということなので、「パターソン社のshipyardで当該蒸気船が起工された」という意味の英文を和文にしたものだと想像するものなり。

仮にyardとしか書いてなかったとしても、巨大な船を作ろうというのだから、shipyardのことだとわかろうに。
「庭にキールを横たえ」るってあーた、手漕ぎボートじゃないんだから。
ウミカワウソといい勝負かも。

もしかして、学生に手分けして下請けに?
仮にそうであったとしても、先生や編集者がしっかりチェックするべきだらう。

などと退屈させない仕掛けも満載なのだが、日本であまり知られてこなかったブルネルの事績を紹介した意義は大きい。
(読んだけどブログで取り上げるに値しないという本も少なくない中、当店で取り上げたという時点で、既に評価している・・)

「ドッグ島のミルウォール・ドック」は、確かにややこしいといえばそうなんだが・・・。
Millwall Dock is a part of the Isle of Dogs, or what is more generally known as the Docklands area, in the East End of London.

現状:
Panorama of Millwall Dock.


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