真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『執事とメイドの裏表―イギリス文化における使用人のイメージ』 (新井 潤美さん 2011年)

2015-07-21 | 読書-歴史
執事とメイドの裏表―イギリス文化における使用人のイメージ
新井 潤美【著】
価格 \2,160(本体\2,000)
白水社(2011/12発売)

やはり、日本では「執事」や「メイド」が受けているため、タイトルにも前面に出さないとならないのだろう。
(執事とメイドが中心というわけではなくて)イギリス文化における使用人のイメージというサブタイトルが内容を過不足なく表している。

(執事やメイドに代表される)家事使用人の、イギリス文化におけるイメージ
を数多くの実例から分かりやすく説明していて、貴重。

ゆきぶんさん

昔の本や、最近の映画作品などにも幅広く言及。
ダウントンアビーに描かれたエピソードなども、「ははん」と納得がいく。

WWI戦中に負傷した将校の療養施設となったダウントンで、某将校と「関係」してしまい、推薦状なしで解雇されたメイドのエセルが街娼に身を落とす。
推薦状なしで解雇の女性使用人は、実家に戻れない場合は救貧院に入るか、売春するしかなかったという。
まさにこのパターン。

フットマンが、「ジェームズ」や「チャールズ」といった名で...とのご紹介があるとおり、本名にかかわりなくジェームズと呼ばれることが多かったという。

ってことはさ、ダウントンアビーで下男/下僕のジミーが採用後最初の給仕の場面で、

名前は? と聞かれたので

ジミーです、と答えたところ、

執事のカーソンが「ジェームズです。ジェームズでございます」という風に横からやたら大げさに補足する場面は、もしかして笑うところだったのか。

Cora: This is our new footman, Mamma. What should we call you?
Jimmy Kent: Jimmy.
Mr Carson: James, Your Ladyship.
[Carson steps forward and clears his throat.]
Mr Carson: This is James.

たまたま本名ジェームズ・ケントで、愛称ジミーは、ジミーとしか呼ばれたことがなかったし、クローリー家ではフットマンたちもそれぞれの名前で呼んでいたけれど、視聴者には「フットマンと言えばジェームズ」という共通の認識があるとすれば、可笑しいのかも。

パットモアさんのロマンス?という件なども、そう突飛なものではないとわかるなど。

先生がイギリスの文学や文化に興味を持つようになったきっかけや、イギリスの面白さについて、お話を伺いました。

新井潤美 教授 - Sophia University Department of English ...
職歴は書かないのか。

そうか。
『不機嫌なメアリー・ポピンズ』(平凡社新書)は読んでいたのだった。
なので、メアリー・ポピンズについては詳細言及という嬉しさ。

しかも、メアリー・ポピンズに敬意を表している「ナニ―日記」にも言及。
やれ嬉しやw

英国王のスピーチにも言及。

あとがきでダウントンアビーに言及(執筆時点で英国での放送分まで)。
簡にして要を得たもの。

このシリーズということで:
#ダウントンアビー 2016年1月のNHKの4期放送までは、こうして過ごすことにしようっと:
1)取ってある1~3期の録画を英語で観て、聞きとれなかったところなどをトランスクリプトで確認する、
2)図書館で英国貴族・使用人などの関連本を読む。

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