『機密指定解除 歴史を変えた極秘文書』
●価格:1,995円(税込)
●発行日:2008/11/17
●トーマス・アレン著
●サイズ:四六判、360ページ ●ハードカバー ●日本語翻訳版
ラスプーチン佐藤氏のコメントで前後を守られてサンドイッチされた50の往年の機密文書。
佐藤氏ご推薦、を頼りに購入した向きも少なくないかも。
推薦文を書いたからといって、訳文の出来まで保障しているわけではないからな。
アメリカ政府の関係文書なので、独立戦争や南北戦争などの細かい経緯に馴染みがない南面堂を含む日本の読者のみなさまには辛い部分あり。
もっと勉強しなさい、と?
また、訳者あとがきによると、(米国民の読者を想定して書かれた?)原著を訳しただけでは日本の読者に不親切であるため、わかりやすく補った由。
また、関連するテーマの書籍も参照したし、ナントカさんに訳文をチェックしてもらったのです、と。
ホントかな。
どうも訳文が読みにくい。
Aオンライン書店の顧客レビュー(読みにくい翻訳文)に同感。
だいたいさ、スパイや二重スパイなどというと、どっちの立場のふりをしてどっちのために情報を仕入れるとか、偽情報を流すとか、もともとがややこしい行為なので、翻訳には大いに注意するのはもちろん、場合によっては原文にない言葉を補うなども必要だろう。
訳者はそうした旨記載しているが、意味がつかみにくくてしょうがないという個所が少なくない。
読者(南面堂のことね)が不勉強すぎるため?
成毛氏のように関連事項を確認して再読すれば、有難味が分かる?
成毛眞ブログ2008-12-31
情報考学 Passion For The Future by橋本大也氏
版元ではこんなものを運営しているようだが…。
翻訳教室
読者に関連事項の予習復習を強いる、要求水準の高い啓蒙書か。
注文の多い機密指定解除文書解説書?
~このへんから話は逸れる~
わかりやすい(ありがちな)誤訳と原因の推定:
(原文と対照したわけではないので、なんとも言えないのだが)
大戦中、OSS長官のドノヴァンが訪英した際、チャーチルが関係者向けに説明会を行わせ、ジョージ6世とエリザベス女王の参列を仰いで云々というくだりがある。
エリザベス女王って誰さ?
Queen Elizabethと書いてあったんだろうな、おそらく。
あのね、Queenはね、「女王」だけじゃなくてね、「王妃」の場合もあるんよ。
<女王という日本語には「王の妃」の意味もあると辞書に書いてあるので、ややこしいのだが、普通、その使い方ってするか?>
国王の正室。トランプのクイーンはそうだよね。
このQueen Elizabethはね、ジョージ6世の后、2002年に101歳で亡くなったThe Queen Mother のことだわね。
クイーン・エリザベス (客船)
これも、エリザベス妃号であるわけ。
じゃ、2は?
クイーン・エリザベス2(クイーンエリザベス ツー、RMS Queen Elizabeth 2もしくはQE2)
戦時中、「王室は国民とともにあり」とがんばられた。
BBCによる追悼サイトの、大戦時の項
ちなみに、長女のエリザベス王女(今の女王ね)も軍務につかれた。
第二次世界大戦中のエリザベス王女
…御守の士官は大変だったろうなと思うが、それほどでもない?
女王は1952年に25歳で即位されて以来の長期在位なので、日本でも多くの人がクイーンといえば女王と思うのも無理はない。
世界には、こういうクイーンや、こういうクイーンもおられる。
女王と王妃の取り違えというのは、英国王でもあったそうだし?
なお、以前読んだアインシュタインの評伝に、彼が交流のあった「ベルギーのエリザベス女王」に(ナチスドイツに核兵器を開発させないようとの意図で)手紙を書く云々というくだりがあった。
これも、おそらく原文のQueen Elizabethを単純に自分の思いついた訳語に置き換えたという不用意な仕事の賜物とにらむ。
じつは、エリザベート王妃(ベルギー)のこと。
本書にもアインシュタインのエピソードが登場するが、ベルギーの皇太后と正しく表記。
もし原文に名前が書いてあったら、ぼろが出たかも?
【一般的な疑問等】
1)そういえば、crown princessで、「皇太子の妃」でない方の、「次に女王になる王女」(リンクした辞書で最初に書いてある方の意味)には対応する日本語があるのかな?
(つまり、女性の皇太子というか、皇太子の女性形)
「王女」で済ませている?
2)新聞・テレビ等で普通に「チャールズ皇太子」だとか「エリザベス皇太后」と言っているが、もののサイトによると、王国の場合、正しくは「王太子」、「王太后」なのですって。
準用なのです、と。知らなかった。
イギリスは王国ですので、次期王位継承者は、本来は「王太子」とすべきであり
王に対しては「王太后(英語:Queen Dowager)」という言葉が相当するが、独立国の元首をすべて皇帝と称してきたかつての儀典上の慣例から日本語としては熟しておらず、皇太后が準用される。
●価格:1,995円(税込)
●発行日:2008/11/17
●トーマス・アレン著
●サイズ:四六判、360ページ ●ハードカバー ●日本語翻訳版
ラスプーチン佐藤氏のコメントで前後を守られてサンドイッチされた50の往年の機密文書。
佐藤氏ご推薦、を頼りに購入した向きも少なくないかも。
推薦文を書いたからといって、訳文の出来まで保障しているわけではないからな。
アメリカ政府の関係文書なので、独立戦争や南北戦争などの細かい経緯に馴染みがない南面堂を含む日本の読者のみなさまには辛い部分あり。
もっと勉強しなさい、と?
また、訳者あとがきによると、(米国民の読者を想定して書かれた?)原著を訳しただけでは日本の読者に不親切であるため、わかりやすく補った由。
また、関連するテーマの書籍も参照したし、ナントカさんに訳文をチェックしてもらったのです、と。
ホントかな。
どうも訳文が読みにくい。
Aオンライン書店の顧客レビュー(読みにくい翻訳文)に同感。
だいたいさ、スパイや二重スパイなどというと、どっちの立場のふりをしてどっちのために情報を仕入れるとか、偽情報を流すとか、もともとがややこしい行為なので、翻訳には大いに注意するのはもちろん、場合によっては原文にない言葉を補うなども必要だろう。
訳者はそうした旨記載しているが、意味がつかみにくくてしょうがないという個所が少なくない。
読者(南面堂のことね)が不勉強すぎるため?
成毛氏のように関連事項を確認して再読すれば、有難味が分かる?
成毛眞ブログ2008-12-31
情報考学 Passion For The Future by橋本大也氏
版元ではこんなものを運営しているようだが…。
翻訳教室
読者に関連事項の予習復習を強いる、要求水準の高い啓蒙書か。
注文の多い機密指定解除文書解説書?
~このへんから話は逸れる~
わかりやすい(ありがちな)誤訳と原因の推定:
(原文と対照したわけではないので、なんとも言えないのだが)
大戦中、OSS長官のドノヴァンが訪英した際、チャーチルが関係者向けに説明会を行わせ、ジョージ6世とエリザベス女王の参列を仰いで云々というくだりがある。
エリザベス女王って誰さ?
Queen Elizabethと書いてあったんだろうな、おそらく。
あのね、Queenはね、「女王」だけじゃなくてね、「王妃」の場合もあるんよ。
<女王という日本語には「王の妃」の意味もあると辞書に書いてあるので、ややこしいのだが、普通、その使い方ってするか?>
国王の正室。トランプのクイーンはそうだよね。
このQueen Elizabethはね、ジョージ6世の后、2002年に101歳で亡くなったThe Queen Mother のことだわね。
クイーン・エリザベス (客船)
これも、エリザベス妃号であるわけ。
じゃ、2は?
クイーン・エリザベス2(クイーンエリザベス ツー、RMS Queen Elizabeth 2もしくはQE2)
戦時中、「王室は国民とともにあり」とがんばられた。
BBCによる追悼サイトの、大戦時の項
ちなみに、長女のエリザベス王女(今の女王ね)も軍務につかれた。
第二次世界大戦中のエリザベス王女
…御守の士官は大変だったろうなと思うが、それほどでもない?
女王は1952年に25歳で即位されて以来の長期在位なので、日本でも多くの人がクイーンといえば女王と思うのも無理はない。
世界には、こういうクイーンや、こういうクイーンもおられる。
女王と王妃の取り違えというのは、英国王でもあったそうだし?
なお、以前読んだアインシュタインの評伝に、彼が交流のあった「ベルギーのエリザベス女王」に(ナチスドイツに核兵器を開発させないようとの意図で)手紙を書く云々というくだりがあった。
これも、おそらく原文のQueen Elizabethを単純に自分の思いついた訳語に置き換えたという不用意な仕事の賜物とにらむ。
じつは、エリザベート王妃(ベルギー)のこと。
本書にもアインシュタインのエピソードが登場するが、ベルギーの皇太后と正しく表記。
もし原文に名前が書いてあったら、ぼろが出たかも?
【一般的な疑問等】
1)そういえば、crown princessで、「皇太子の妃」でない方の、「次に女王になる王女」(リンクした辞書で最初に書いてある方の意味)には対応する日本語があるのかな?
(つまり、女性の皇太子というか、皇太子の女性形)
「王女」で済ませている?
2)新聞・テレビ等で普通に「チャールズ皇太子」だとか「エリザベス皇太后」と言っているが、もののサイトによると、王国の場合、正しくは「王太子」、「王太后」なのですって。
準用なのです、と。知らなかった。
イギリスは王国ですので、次期王位継承者は、本来は「王太子」とすべきであり
王に対しては「王太后(英語:Queen Dowager)」という言葉が相当するが、独立国の元首をすべて皇帝と称してきたかつての儀典上の慣例から日本語としては熟しておらず、皇太后が準用される。