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さかな

魚屋さんの店先のささやかな素話...。

まな板の鯉。

2005年08月12日 | 店先から
ではなくて、まな板の鯛。
明日からのお盆に向けて、今旦那は仕込みに余念がない。
『さあ、俺は腹をくくった。刺身でも何でもしやがれ!』と、
言っているような顔をしている、このまな板の上の鯛は今朝まで生きていた。

帰省ラッシュもピーク。
今日は我が家にも田舎に帰省してきた子供や孫のために刺身をというお客様が多かった。
明日からはお盆。新盆のお宅からもたくさん注文をいただいている。
しかも、明日は裏の土手の花火大会。川の向こう側のI市S町の主催。
私たちは反対の土手から見ることができるのだ。
いつもなら旅行などで帰省しない人も花火大会があるならと、帰ってきているのでは?
お店の電話の前のボードには明日の刺身の注文の短冊が七夕のよう・・・。

我が家の書き入れ時ってことですね。
明日、旦那はまな板の鯉みたいに調理場から出られなくなるだろうな。
まあ、年に2~3回の大忙しなので頑張らねば!ですね


秋刀魚。

2005年08月10日 | 店先から
我が家で今年初の新秋刀魚。
7月頃から市場には出ていたものの、値が高く仕入れることができませんでした。
たしか、お祭りで御頭付をお供えすると秋刀魚を注文していただいたのですが、
1尾500円くらいでした。
普段から秋刀魚は売っていますが、それは全て冷凍。
今日じゃなくて昨日やっと新秋刀魚がお目見えです。
お値段もだいぶお手ごろになりました。
銀色のお腹がまぶしいです。

秋刀魚といえば・・・
私が結婚する前、この家で初めてご飯をご馳走になった時のおかずが秋刀魚でした。
おばあちゃん、義父、義母、旦那に私で食べました。(おじいちゃんは別の部屋でTVを観ながら晩酌でした。)

「さあ、食べよう。」と、出てきた秋刀魚をそれぞれ新聞紙にのせてました。
(えっ、新聞がお皿?)私は驚きを隠せず。
「びっくり?この方が脂を吸ってくれるし、捨てる時もこのままね。」と、おばあちゃんが説明してくれました。
しかし、みんな見事な食べっぷり。頭と骨しか残っていない。
私ときたら、魚は苦手。どこから手をつけたらよいのか、残したら悪いし、ハラワタはどうしよう。とてもキレイと言えませんがなんとか食べたのでした。
「まあ、そのうちね。」と義母。(今もあまり変わらないけど
でも、魚屋さんの秋刀魚はこんなに美味しいのか・・・と思ったのでした。

我が家は魚を焼く時、グリルは使いません。
鉄のフライパンで焼きます。煙はすごいのですが、美味しいです。
でも焼くにはちょっと技術がないとフライパンにくっついて・・・。火加減も大事。脂もこまめに吸い取りながら。
最近ようやくまあまあな焼き方になってきたかな。
魚も好きになりました。でも、やっぱりお肉も好きですね




いさき。

2005年08月04日 | 店先から
今が旬のいさき。
と言っても、初夏が旬だから今はもう遅いのかな・・・。
高級魚、塩焼きが美味しいと旦那は言う。刺身も美味しいらしい。

まな板の上のいさきは、ウロコをガリガリっと取り、内臓を取り、きれいに水で洗われて、塩焼き用として店に並ぶ。

いさきって、なんだか可愛いなあ。
目が可愛いっ!
写メでブログにしよう!

「おい!早く返せよ。邪魔だぞ。またブログか・・・。」私からいさきを奪い返し
シャカシャカと塩焼き用のいさきをつくる旦那。
「はいはい。お邪魔しました~。」そそくさと調理場から出る私。

明日、いさき売れ残ったら塩焼きにして食べようっと♪

ないものがいっぱいある店。

2005年07月21日 | 店先から
お客さんは欲しいものがあって買い物に来てくれます。
店に来てから「今日は何にしよう。」と、献立なんかを考える方もいますが・・・。
「今日はこれにしよう!じゃあ魚屋さんに行ってこよう。」という方のほうが多いです。でも・・・

「餃子の皮ありますか?」
「すいません。置いてないんです。

「サラダ作るんだけど、きゅうりある?」
「ああ、すいません、いま切らしてしまって。

「暑かったね、冷やっこ・・・あれ豆腐ないの?」
「すいませ~ん、今日はたくさん出てしまって終わってしまいました・・・。

「冷やし中華ある?」
「終わってしまいました。すいません。

「マーボー茄子・・・」
「ごめんなさあ~い。注文中です。

「肉・・・」
「今日はないんです。

魚はあるのだけど・・・時には、ないものがいっぱいある店になります
そして、お客さんに献立を変更させてしまう店でもあります

反省・・・


ひとつ目の角を曲がるまで。

2005年07月20日 | 店先から
我が家に来てくださるお客様の中に、耳の不自由な方がいます。
その方は帽子をかぶり、赤いショッピングカートを転がして。歳は60代でしょうか・・・?以前は母親と二人で来ていたのですが、その母親も歳をとり施設に入った後亡くなりました。今は一人で生活しています。

まず店に入ると、帽子を脱ぎアイスの冷蔵庫にそっと置く。レジ台のわきの椅子に腰掛け、しばらくじっとしている。
「いらっしゃいませ。」挨拶をするけれど、もちろん聞こえない。少し休んでから店の中を見て廻るのだが、実は目もあまりよくは見えていない。手探りで品物にさわり、何かを確かめ納得してからレジ台に置く。
だいたい触った感触で、これは何かがわかるようだが、「○○、ナイノ?」と聞いてくることも。耳が不自由なので、聞き取るのは難しい。最近ようやくわかるようになってきた。
(何を欲しいのか?何が言いたいのか?)私は聞きそびれることがないように、ピッタリとついて廻る。せっかく来てくれて買いたいものが買えないのは申し訳けない。

帰る時に雨が降り出したことがある。私は紙に太いマジックで『車で送りますよ。』と、書いて見せた。「私はいつもひとりで何でもやってきた。大丈夫。」と、言っているように聞こえた。そしてカートから折りたたみ傘を出して帰っていった。

もう前になるが、警察から電話がかかってきた。
「ある女性を保護したのですが、身元がわかりません。財布を見たら、お宅のレシートが。」という内容。パトカーで連れてこられたのが彼女だった。
たぶん彼女は、いつもの感覚とわずかな視力を頼りに歩いていたのだろう。曲がり角ひとつ間違えれば、とんでもない場所に行ってしまう。

それ以来、ショッピングカートに買った物を入れ、ひとつ目の曲がり角を曲がるまで見届けるのが私の仕事です。ほんとはもう少し先まで行きたいが。
また来てくれることを願っています


つま。

2005年07月16日 | 店先から
今日は刺身のつまのお話です。

昔、おじいちゃんの時代には、大根をかつら剥きにして、それを千本に切る。これは大変。(私には到底ムリな話。)

お義父さんの時代になると、手動のつまつき機を使った。これはスゴイ!かき氷みたいに大根をはさみ、クルクルと押しながら回すとつまができる。これは簡単。お嫁に来てからつまをつくのは私の係り。でも、お盆や暮れ、お正月には、つまをつく量も多く右腕が痛くなった。(おりゃ~って感じでクルクル回してました(笑))

そして、現在。旦那の時代には、「電動つまカッター・つま一番」を購入。これはもっとスゴイ!!大根をセットして、ボタンを押すと自動でクルクル回転して、つまが出てくる。(ああ、これで私も楽になる)と、私は目を潤ませた。(ウソ。すいません。)でも感激したのはホント。

旦那は仕入れに行ったり、商いに行ったりで忙しいので、つまはつきません。つまり・・・
つまをつくのはツマである私の仕事。毎日頑張ってつまをついているというツマんないお話でした。お粗末

さて、私はつまを何回連発したでしょ~かっ???

ところてんブーム。

2005年07月15日 | 店先から
いつだったかな・・・前に『テレビのちから』というブログタイトルで「ところてん」のことを投稿したけど、未だに続いている。

これは、黒酢のところてん。当店価格80円。今日、こんにゃく屋さんが2ケース配達してくれた。今月の初めに入荷した時には、ところてんについているお酢の生産が間に合わず、黒酢がところてんについていた。
以前から、予約されていたお客さんの分がだいたい3ケース。今日は2ケースしか入荷されなかったので、なるべく多くの方に行き渡るように、予約の数より少なめで買ってもらうことに。

それでも、注文していたお客さんは数が少なくても喜んでくれました。(良かったぁ・・・)
こちらでお詫びすると、「いいのよ。ほんとにどこへ行ってもないんだから。」と。
(ほんとにないのかな・・・)

きっと、伊豆ではてんぐさの採取に追われてるのかな。ところてんの製造者はてんてこ舞いだろうな・・・。お酢までないとは・・・。そして、今日来たこんにゃく屋さんもひとつでも多く確保するために、頑張ってるのか・・・。
我が家に来るこんにゃく屋さんは、70代くらいのおばあちゃん。今日は暑くて、額に汗を浮かべてところてん2ケースだけを届けてくれた。こんにゃくは間に合っているし、悪かったな。

今日の入荷で、何人かにところてんを買ってもらったけど、まだ、4,5ケースくらいの注文が入っている。お客さんの喜ぶ顔は見たいけど、問屋さんや作る人の苦労を考えるとちょっと複雑な気持ち。

この黒酢のところてん、お客さんは「普通のお酢より美味しいわよ!」と、喜んでくれた。長女が6年の頃、シーサイド・サマースクールで伊豆へ行った時「てんぐさでところてんを作る」体験をしたけど、その時は黒蜜をかけたらしい。ところてんもいろんな食べ方があるんだな。私も食べたいけど、お客さんが優先。そのうちブームもなくなったら食べてみよう!

雨止んで。

2005年07月10日 | 店先から
昨日までの雨が止んで、太陽が顔をだした。

それを待っていたかのように、ハイビスカスが咲きだした。
つぼみもたくさんつけている。
夏がくる・・・

ハイビスカスの花と傘の花が庭に満開

ゴーヤ。

2005年07月07日 | 店先から
我が家で初なりのゴーヤです。
いつの間に・・・。去年もたくさんゴーヤができて、さんざん食べました。
ゴーヤチャンプル、ゴーヤ炒め(ケチャップ味)、ゴーヤチップス、ゴーヤ天ぷら、ゴーヤサラダ(茹でるだけだけど)・・・。
今年はどんな風に食べようかな・・・。美味しい食べ方、だれか教えてくださーい

さて、この初なりのゴーヤ。
採って食べちゃおうかそれとも、もう少し大きくするか・・・
う~ん、悩む

今の君はピカピカに光って~♪。

2005年07月05日 | 店先から
宮崎美子さんが、木の下でジーンズを脱ぐCM。覚えてますか?
女の私でも、可愛さにドキドキしました。それをふまえて・・・。

天女の羽衣、おとぎ話ですが知ってますか?これもふまえて・・・。

昔の話。旦那は夕方、店で刺身を切っていたのだが、急に店を飛び出した。
なんだ、なんだ?と思っていたら、しばらくして戻ってきた。訳をきくと・・・

旦那はいつものように商いに出た。あるお客さんの家に着くと、妙に暑い、気持ち悪い・・・。
ズボンの下にもう一枚、すててこを穿いていることに気づいた旦那は、お客さんの家の裏手に廻った。その家の裏には樫の木がある。その下で、宮崎美子さんの様に旦那は周りに誰もいないか確かめ、ズボンを脱いだ。そしてもう一枚穿いているすててこを脱ぎ、急いでズボンを穿いて何もなかったように商いをした。

店に帰り、冷房の効いた調理場で刺身を切っていると、なんだか寒い。
そう思いながら切り続けていたが、思い出したのだ。(あそこで脱いだんだ。あそこに置きっぱなしだ)と。
旦那は包丁を置き、猛ダッシュ。
ここで天女の羽衣なら、見つけた男にとられてしまう。
旦那のすててこは・・・?樫の木の枝に掛かったままでした。めでたしめでたし。

これは、フィクションではありません。お客さんは樫の木に掛かっているすててこを見て、どう思ったのか?今なら犯罪ですね