晴れときどき化学、ところにより雑想

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変わったタンパク質

2012年08月10日 23時55分29秒 | 化学のお話
メタロチオネインというタンパク質があります。

これは、重金属であるカドミウムが結合したタンパク質として初めて単離されたものですが、

今では、亜鉛、銅、鉛、銀、水銀、ビスマスなどの金属が結合できることがわかっています。


このタンパク質の発見の端緒としては、

亜鉛の結合したタンパク質があるのであれば、周期表で亜鉛の下にあるカドミウムが結合したタンパク質も存在するのではないか、

ということで研究が開始されて発見されたという逸話があります。


メタロチオネインは、金属 (メタル:metal)、硫黄(チオ:thio) を豊富に含むタンパク質(ネイン:nein)ということからこの名前が付きました。

硫黄をたくさん含んでいるのは、硫黄を持つアミノ酸であるシステインを多く含んでいるからです。


なお、気になるこのタンパク質の機能(役割)ですが、

・重金属の毒性軽減や、必要な微量重金属の蓄積
・亜鉛や銅の代謝調節
・抗酸化作用

などがあるようですが、まだわからないことも多いようです。




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