晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

高分子化合物と低分子化合物

2012年06月17日 17時54分23秒 | 化学のお話
高分子化合物と低分子化合物の定義はそれぞれありますが、いくらかあいまいなところもあります。


高分子化合物は、分子量が約1万以上の化合物で、特定の構造単位が繰り返し繋がってできているものが多いです。

なお、天然に存在するもの(セルロースやタンパク質など)を天然高分子化合物、

人工的につくられるもの(ポリエチレンやポリ塩化ビニル[塩ビ]など)を合成高分子化合物、

と呼んでいます。

高分子化合物の多くのものは鎖状構造ですが、その鎖状分子の間を架橋することで、三次元の網目状の構造にすることができるものもあります。


一方の低分子化合物ですが、

一般的には分子量がおよそ1000以下(場合によっては2000以下)の化合物を指しています。

(「低分子」は「高分子」に対して使われる言葉なので、あまり明確な定義があるわけではないようです)。


そうなると分子量が1000超~1万以下の化合物が抜けているように思いますが、

このあたりを指す言葉としては、「オリゴマー」というものがあります。

オリゴマーは、一般的に分子量が500~1万程度のもので、高分子化合物のように特定の構造単位が繰り返し繋がってできているものを指します。

(すなわち、繰り返し単位が2~20程度の、高分子化合物の小さなものといったイメージになるでしょうか)。


高分子化合物や低分子化合物、さらにオリゴマーについては、人によって微妙に指しているものが異なっていたりしますので、

ある程度こんなもの、というような理解の仕方で十分のように思います。