晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

シリコンとシリコーン

2012年06月08日 23時58分14秒 | 化学のお話
シリコンとシリコーンは1文字違いですが、全くの別物になります。

シリコン(silicon)はケイ素のことを指しますが、

シリコーン(silicone)は、いろいろな有機物がついたケイ素と、酸素が交互に結合した形のポリマーになります。


シリコーンはその構造からわかるように、炭素-炭素結合からなる一般の有機ポリマーと、ケイ素と酸素だけからなる無機ポリマーの中間的な性質を示します。

特徴としては、耐熱性・耐寒性、耐溶剤性および対候性に優れ、消泡性や撥水性、電気絶縁性、難燃性などを有していますが、

その一方で、物理的強度が弱く、接着性が低いという欠点があります。


分子量と架橋の度合いによって、油状、ゴム状、樹脂状の3つの形態があり、

油状のものは熱媒体、撥水剤、消泡剤などに、

ゴム状のものは耐溶剤用のチューブやホース、ゴム栓などに、

樹脂状のものは電気製品や塗料などに、

というような形で、幅広い分野で使用されています。