同性愛カップルの養子縁組

2005-12-02 17:54:04 | ベルギーのニュース
ベルギー人って、生活スタイルというか、行動様式はかなり保守的だと思うのですが、思想的にはとても(時には過剰なほど)理想主義的なところがあって、時々そのギャップに驚かされます。例えば、ベルギーは安楽死や同性愛カップルの結婚が法律で認められている数少ない国のひとつ。同性愛カップルの結婚の合法化を巡って大規模なデモが起きたスペインと同様、ベルギーもカトリックの国ですが、スペインほど熱心ではないからか、ベルギーでは大きな抵抗もなくこれらの法律が通っています。もちろん、通るまでに相当の時間はかかっているわけですが。

昨日は、同性愛カップルの結婚より一歩進んで、同性愛カップルによる養子縁組を認める法律が下院で成立しました。これまでは、カップルで養子縁組をすることはできず、カップルのうちどちらか一人だけが親として認められる、という状況だったようです。ちなみに、ベルギーは同性愛カップルによる人工授精での妊娠にもとても寛容な国で、周辺国からわざわざベルギーの病院にやってくるカップルも多いんだとか。

この問題、個人的には直接関わりがないので、正直言ってどう考えたらいいのかよくわかりません。(^_^;) テレビの討論とか見ていても、同性同士のカップルを「両親」として法的に認めるかどうか、という技術的な問題と、そもそも同性のカップルが子供を持つことを認めるかどうか、という倫理的な問題がすぐに混同されてしまって、頭が混乱しがち。同性愛カップルの結婚が法的に認められている以上、その延長線上に子供を持つことがあるのは当然のような気がするのですが、子育ての観点からすると、児童心理学の専門家の間でも賛否が別れるんですよね。

私はどうやら考え方がとても古いようで(^_^;)、父親には父親にしかできないこと、母親には母親にしかできないことがあって、子供にとってはお互いに愛し合うお父さんとお母さんが揃っていて、愛情をもって育てられるのが理想的、だと思うのですが、そんな幸せな子供、滅多に存在しないのも事実。親が離婚してしまったり、遺伝的につながりのない親に育てられている人も多いわけで、父親が二人いようと、母親が二人いようと、家庭に愛情が満ちていればいいのかなあ、という気もします。

でも、周りを見てみると、幼い頃に両親が離婚して片方の親にずーっと会っていないので一度会ってみたい・・・とか、自分は養子なので本当の親はどんな人たちなのか知りたい・・・とか、辛い「親探し」の経験がある人も何人か知っているので、やっぱりそんなに単純な話ではないよなあ、と思います。

現実には、いろいろな形の家族があるわけで、どれがいいとか悪いとかいう問題ではないと思うのですが、家族ってなんなんだろう・・・と頭の古い私は考えてしまいました。(^_^;)