「俺、明日この部屋を出るんだ・・・」
会長は荷物を片付けながら言った。
ひとりせっせと私物を片付ける様は、まるでリストラされたサラリーマンのようだ、と僕は思ったが口に出せなかった。
冗談でも言うべきではないと思った。
会長は続けて言った。
「俺は常にするべきことをしてきた。だからこの部屋に心残りはないし、悔いもない。ただな・・・」
「感慨深いってか」僕が話を割った。
「ああ、そうだな」
短く返事をして、会長は手を休めて椅子に座った。会長がこの椅子に座るのも、これが最後だろう。
「俺がここを離れてもな、」会長は話し始めた。「俺が一年間指導してきたやつが次期会長になる予定だ。俺が最も信用がおけるやつだ。一応投票があるが、あいつが次期会長で間違いない」
「それじゃ、安泰だね。会長のチルドレンと言ったところか」
「チャイルドだな、単数だからな」
会長の冗談に僕は笑った。
ここで笑うのも最後だろうと思った。
「それじゃ、俺はすることがあるから」と、会長は言った。
「それじゃ、僕は帰るよ。またね」と、僕は答えた。
「おう」
「一年間、お疲れ様」
そう言って、僕は生徒会室を出た。
生徒会長は、夕陽がさす部屋の中、いそいそと片付けをしていた。
なぜか小説風。
会長、お疲れ様っす。
会長は荷物を片付けながら言った。
ひとりせっせと私物を片付ける様は、まるでリストラされたサラリーマンのようだ、と僕は思ったが口に出せなかった。
冗談でも言うべきではないと思った。
会長は続けて言った。
「俺は常にするべきことをしてきた。だからこの部屋に心残りはないし、悔いもない。ただな・・・」
「感慨深いってか」僕が話を割った。
「ああ、そうだな」
短く返事をして、会長は手を休めて椅子に座った。会長がこの椅子に座るのも、これが最後だろう。
「俺がここを離れてもな、」会長は話し始めた。「俺が一年間指導してきたやつが次期会長になる予定だ。俺が最も信用がおけるやつだ。一応投票があるが、あいつが次期会長で間違いない」
「それじゃ、安泰だね。会長のチルドレンと言ったところか」
「チャイルドだな、単数だからな」
会長の冗談に僕は笑った。
ここで笑うのも最後だろうと思った。
「それじゃ、俺はすることがあるから」と、会長は言った。
「それじゃ、僕は帰るよ。またね」と、僕は答えた。
「おう」
「一年間、お疲れ様」
そう言って、僕は生徒会室を出た。
生徒会長は、夕陽がさす部屋の中、いそいそと片付けをしていた。
なぜか小説風。
会長、お疲れ様っす。