抹茶味の珈琲店

ここにあるのはしょうもない戯言・・・それでも来てくれた皆様に感謝。
どうぞ、風変わりな文章をお楽しみください。

独り言

2009-05-01 23:12:37 | ノンジャンル
「俺、明日この部屋を出るんだ・・・」
 会長は荷物を片付けながら言った。
 ひとりせっせと私物を片付ける様は、まるでリストラされたサラリーマンのようだ、と僕は思ったが口に出せなかった。
 冗談でも言うべきではないと思った。
 会長は続けて言った。
「俺は常にするべきことをしてきた。だからこの部屋に心残りはないし、悔いもない。ただな・・・」
「感慨深いってか」僕が話を割った。
「ああ、そうだな」
 短く返事をして、会長は手を休めて椅子に座った。会長がこの椅子に座るのも、これが最後だろう。
「俺がここを離れてもな、」会長は話し始めた。「俺が一年間指導してきたやつが次期会長になる予定だ。俺が最も信用がおけるやつだ。一応投票があるが、あいつが次期会長で間違いない」
「それじゃ、安泰だね。会長のチルドレンと言ったところか」
「チャイルドだな、単数だからな」
 会長の冗談に僕は笑った。
 ここで笑うのも最後だろうと思った。
「それじゃ、俺はすることがあるから」と、会長は言った。
「それじゃ、僕は帰るよ。またね」と、僕は答えた。
「おう」
「一年間、お疲れ様」
 そう言って、僕は生徒会室を出た。
 生徒会長は、夕陽がさす部屋の中、いそいそと片付けをしていた。


なぜか小説風。
会長、お疲れ様っす。

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1 コメント

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Unknown (キシケイ)
2009-05-02 21:17:44
前会長と新会長が見てたらどんな反応するだろうね