月に一度っぽい小説の更新。
どうにか3月以内にできた・・・。
別に3月にしなきゃ行けないわけでもないんだけどね。
≪ダルいので省略気味な前回までのあらすじ≫
フィオさん。副マスター。氷結界。変な人。以上。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ロビーには、意外なやつがいた。
そいつは僕に気付くと、にっこりと笑って言った。
「あ、いーちゃん。おっはー」
「おはよう、サヤちゃん」
「あう~。いーちゃん、“ちゃん”は付けないでよ~」
「分かったよ、サヤ」
僕が訂正すると、その意外なやつ――サヤちゃんはにこっと笑った。
「あははー、それはご愁傷様だね、いーちゃん」
僕の話を聞いて、サヤちゃんはテーブルの上に両手を広げてケタケタ笑った。
「・・・・・・笑えるのか?この話」
「笑えるよーっ。いーちゃん、ぐっちゃんに追い出された上に、その上『ウィルデス君』なんて呼ばれるなんてさ。いーちゃんぐらいキャラが薄くないとできない技だよーっ?」
「・・・・・・僕はその『いーちゃん』にも納得してねぇけどな」
僕は嘆息混じりに言う。
だいたいなんでフィオさんが『ぐっちゃん』になるんだ。あれ、そういえばあの人、本名がむちゃくちゃ長いんだっけな。もう覚えてないけど。
サヤちゃんは僕をびしっと指さして言った。
「いーちゃん、私の言うことは聞きなさい。いーちゃんは私よりも年下なんだからね」
「一年だけな」
「それにいーちゃん、背が低いんだし」
「関係ない。ってか、サヤちゃんよりは高い」
「あーっ!またサヤちゃんって言ったぁ~!!」
サヤちゃんはテーブルを両手でたたいた。
「訂正しなさいっ!訂正、訂正、てーいーせーいーっ!」
「・・・・・・・・・・・・サヤよりは高い」
「それでよしっ!」
「・・・・・・・・・・・・」
よいらしかった。
・・・・・・よいらしかった。
えっと。
さっきからうるさく騒いでいるこの少女はサヤ。ファミリーネームなしのサヤ。
一応、盗賊。一応というのは、僕はサヤちゃんの盗賊らしいところを見たことがないからだ。ちなみにサヤちゃんが盗賊だというのはリヒターさんから聞いた。嘘っぽくてしょうがない。
僕より一つ上だから17歳。
略歴。シティ生まれ、スラム育ち。15の頃、盗賊業を始める。16の頃、マスターに誘われてギルドに入る。本人談なのでたぶん間違いない。
盗賊としての実績。詳細不明、だが何かやらかしたのは間違いない。一時期、国際指名手配をかけられる。現在緩和中。
まぁ、なにやらトンデモナイ人生を送っているっぽい。
関わりのない話だ。
閑話休題。
「ところで、サヤ。いつもは忙しそうだけど、今日は暇してるのか?」
「うに? あー、暇っちゃ暇だねー。暇じゃないっちゃ暇じゃないんだけど。」
「は?よく分からない言い方だな」
「えっとねー。いつもこの時間はさっちゃんと散歩してんだけどさ。今日はちょっと、さっちゃんの調子が悪いみたい。風邪引いたんだってさ」
「さっちゃん?・・・また僕の知らない人間が出てきたな」
「そお?いつか会わせてあげるよ、いーちゃん♪」
「まぁ、頼むよ」
『さっちゃん』か・・・・・・。
多分、直感的に『さっちゃん』と僕は面識がある。ただサヤが変なニックネームを付けるからややこしくなっているだけだ。
リヒターさんの名前に『さ』は付いてないから、有力候補はマリアさんか・・・?マリアさんの名前も付いてないような・・・。
ま、こういう問題はあれだな。
置いといて。
「サヤ、今日は何か依頼来てないのか?」
「ん?何?いーちゃん仕事するの?」
「そりゃまあ、“働かざる者食うべからず”と言ってだな・・・」
僕はここ3日間ケガを理由に休んできた。そこまで義理堅い正確でもないけれど、だからってこのまま働かずにここに居座るほど惚け物でもない。
「ふうん?ま、いっかー・・・・・・。えっとね、一つだけ仕事があるよ。家出した女の子を探す仕事」
「・・・・・・他には?」
「ない」
「・・・・・・・・・・・・」
また捜し物か。あまり気が進まないなぁ。
「・・・・・・いーちゃん、この仕事、する?」
「・・・・・・ま、それしかないんだろ。気が乗らないけど、やるっきゃない」
「無理にしなくても良いんだよー。いーちゃんの相棒君も今外出中なんだし」
「『相棒君』?誰だそいつ」
「『たーちゃん』」
「・・・・・・・・・・・・」
『リヒターちゃん』なんだろうな・・・・・・・・・・・・。多分。
「いや、あの人はそんなに相棒って言うわけでは・・・・・・」
「そうなの?でも仲良いよ?」
「いや、あの人はむしろ嫌いな部類だ」
「ふうん?まーいいけど」
・・・・・・・・・・・・いいのかよ。
変なやつだ。
「それじゃ、僕はその仕事に、ソロで行って来ようかね・・・。協力者もいないようだ」
「いーちゃん、嫌な仕事に無理でソロで出かける必要はないよ」
「しょうがないだろ。誰もいないんだし」
「目の前にいるよ、協力者」
「ん?サヤ?」
「そ、わたし。私、私、わーたーしー。こう見えてサヤちゃん、役に立つんだからねー」
「・・・・・・・・・・・・」
「あー、今ぜったい信用してない目で見たーっ!ブジョクーっ!!」
「・・・・・・・・・・・・分かったからそんなにテーブルをたたかないで・・・・・・」
「いい?いーちゃんがそんなに渋々仕事に出かけるから私が協力して行くんだからね!年長者の言うことは絶対に聞くこと!いい!?」
「・・・・・・・・・・・・わかったよ」
「分かったわね?じゃ、腹が減っては戦ができぬ、いーちゃん、朝ご飯を用意してここに並べなさい。いいわね!?」
「・・・・・・・・・・・・」
「返事は!?」
「・・・・・・はーい」
「よろしい!!」
・・・・・・・・・・・・面倒くさいやつが仲間になった。
やっぱ変なやつだ。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
フィオちゃんのキャラがころころ変わっております。
多分関わりのないことです。
過去に書いた部分を書き直そうと思います。
多分誰も見ない部分です。
どうにか3月以内にできた・・・。
別に3月にしなきゃ行けないわけでもないんだけどね。
≪ダルいので省略気味な前回までのあらすじ≫
フィオさん。副マスター。氷結界。変な人。以上。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ロビーには、意外なやつがいた。
そいつは僕に気付くと、にっこりと笑って言った。
「あ、いーちゃん。おっはー」
「おはよう、サヤちゃん」
「あう~。いーちゃん、“ちゃん”は付けないでよ~」
「分かったよ、サヤ」
僕が訂正すると、その意外なやつ――サヤちゃんはにこっと笑った。
「あははー、それはご愁傷様だね、いーちゃん」
僕の話を聞いて、サヤちゃんはテーブルの上に両手を広げてケタケタ笑った。
「・・・・・・笑えるのか?この話」
「笑えるよーっ。いーちゃん、ぐっちゃんに追い出された上に、その上『ウィルデス君』なんて呼ばれるなんてさ。いーちゃんぐらいキャラが薄くないとできない技だよーっ?」
「・・・・・・僕はその『いーちゃん』にも納得してねぇけどな」
僕は嘆息混じりに言う。
だいたいなんでフィオさんが『ぐっちゃん』になるんだ。あれ、そういえばあの人、本名がむちゃくちゃ長いんだっけな。もう覚えてないけど。
サヤちゃんは僕をびしっと指さして言った。
「いーちゃん、私の言うことは聞きなさい。いーちゃんは私よりも年下なんだからね」
「一年だけな」
「それにいーちゃん、背が低いんだし」
「関係ない。ってか、サヤちゃんよりは高い」
「あーっ!またサヤちゃんって言ったぁ~!!」
サヤちゃんはテーブルを両手でたたいた。
「訂正しなさいっ!訂正、訂正、てーいーせーいーっ!」
「・・・・・・・・・・・・サヤよりは高い」
「それでよしっ!」
「・・・・・・・・・・・・」
よいらしかった。
・・・・・・よいらしかった。
えっと。
さっきからうるさく騒いでいるこの少女はサヤ。ファミリーネームなしのサヤ。
一応、盗賊。一応というのは、僕はサヤちゃんの盗賊らしいところを見たことがないからだ。ちなみにサヤちゃんが盗賊だというのはリヒターさんから聞いた。嘘っぽくてしょうがない。
僕より一つ上だから17歳。
略歴。シティ生まれ、スラム育ち。15の頃、盗賊業を始める。16の頃、マスターに誘われてギルドに入る。本人談なのでたぶん間違いない。
盗賊としての実績。詳細不明、だが何かやらかしたのは間違いない。一時期、国際指名手配をかけられる。現在緩和中。
まぁ、なにやらトンデモナイ人生を送っているっぽい。
関わりのない話だ。
閑話休題。
「ところで、サヤ。いつもは忙しそうだけど、今日は暇してるのか?」
「うに? あー、暇っちゃ暇だねー。暇じゃないっちゃ暇じゃないんだけど。」
「は?よく分からない言い方だな」
「えっとねー。いつもこの時間はさっちゃんと散歩してんだけどさ。今日はちょっと、さっちゃんの調子が悪いみたい。風邪引いたんだってさ」
「さっちゃん?・・・また僕の知らない人間が出てきたな」
「そお?いつか会わせてあげるよ、いーちゃん♪」
「まぁ、頼むよ」
『さっちゃん』か・・・・・・。
多分、直感的に『さっちゃん』と僕は面識がある。ただサヤが変なニックネームを付けるからややこしくなっているだけだ。
リヒターさんの名前に『さ』は付いてないから、有力候補はマリアさんか・・・?マリアさんの名前も付いてないような・・・。
ま、こういう問題はあれだな。
置いといて。
「サヤ、今日は何か依頼来てないのか?」
「ん?何?いーちゃん仕事するの?」
「そりゃまあ、“働かざる者食うべからず”と言ってだな・・・」
僕はここ3日間ケガを理由に休んできた。そこまで義理堅い正確でもないけれど、だからってこのまま働かずにここに居座るほど惚け物でもない。
「ふうん?ま、いっかー・・・・・・。えっとね、一つだけ仕事があるよ。家出した女の子を探す仕事」
「・・・・・・他には?」
「ない」
「・・・・・・・・・・・・」
また捜し物か。あまり気が進まないなぁ。
「・・・・・・いーちゃん、この仕事、する?」
「・・・・・・ま、それしかないんだろ。気が乗らないけど、やるっきゃない」
「無理にしなくても良いんだよー。いーちゃんの相棒君も今外出中なんだし」
「『相棒君』?誰だそいつ」
「『たーちゃん』」
「・・・・・・・・・・・・」
『リヒターちゃん』なんだろうな・・・・・・・・・・・・。多分。
「いや、あの人はそんなに相棒って言うわけでは・・・・・・」
「そうなの?でも仲良いよ?」
「いや、あの人はむしろ嫌いな部類だ」
「ふうん?まーいいけど」
・・・・・・・・・・・・いいのかよ。
変なやつだ。
「それじゃ、僕はその仕事に、ソロで行って来ようかね・・・。協力者もいないようだ」
「いーちゃん、嫌な仕事に無理でソロで出かける必要はないよ」
「しょうがないだろ。誰もいないんだし」
「目の前にいるよ、協力者」
「ん?サヤ?」
「そ、わたし。私、私、わーたーしー。こう見えてサヤちゃん、役に立つんだからねー」
「・・・・・・・・・・・・」
「あー、今ぜったい信用してない目で見たーっ!ブジョクーっ!!」
「・・・・・・・・・・・・分かったからそんなにテーブルをたたかないで・・・・・・」
「いい?いーちゃんがそんなに渋々仕事に出かけるから私が協力して行くんだからね!年長者の言うことは絶対に聞くこと!いい!?」
「・・・・・・・・・・・・わかったよ」
「分かったわね?じゃ、腹が減っては戦ができぬ、いーちゃん、朝ご飯を用意してここに並べなさい。いいわね!?」
「・・・・・・・・・・・・」
「返事は!?」
「・・・・・・はーい」
「よろしい!!」
・・・・・・・・・・・・面倒くさいやつが仲間になった。
やっぱ変なやつだ。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
フィオちゃんのキャラがころころ変わっております。
多分関わりのないことです。
過去に書いた部分を書き直そうと思います。
多分誰も見ない部分です。