チョウチョウ王の備忘録

趣味の海水魚と銭湯巡り、邦画とJ-POPの話題

季節の移ろい

2005-11-17 16:06:15 | 海水魚
本当にご無沙汰してしまいました。
HPであればこのくらいの期間、更新しなくても気にはならないのでしょうが、「チョウチョウ王の備忘録」はお手軽に作れるブログなので、「早く投稿しなきゃ」と毎日プレッシャーを感じていました。

さて、以前お伝えした配合飼料が残り少なくなってきたので、材料となるアサリのむき身を買いにスーパーへ行きました。
ところが何件まわってもどこにも売っていません。
しかたなく、殻付きの活きアサリを買ってきて、自分でむき身にすることにしました。
面倒ですがしかたありません。

やけに小さなアサリでしたがこれしか売っていなかったのでしかたありません。
しかたない、しかたないと、諦観(ていかん)の境地です。
アサリを剥いてみてびっくり!
身がやたらと小さいのです。
200gの活きアサリからほんのちょっとのむき身しか取れませんでした。
これじゃあスーパーにむき身が並んでいないのも納得できます。

冬になるとアサリの身は小さくなってしまうのですね。
春先まではしばらくの間、このショボイ身で乗り切らなくてはいけません。
季節の移ろいを感じた出来事でした。(ってきれいにまとめたつもりです)

配合飼料の作り方・その3

2005-10-29 13:49:03 | 海水魚
粘りが出るまでよくたたいたアサリの身に、KENTのガーリックエクストリームを垂らします。

あまり量を使いすぎるとドロドロになってしまいあとの作業に差し支えるので、付属のスポイトで2回分くらいが適当でしょう。

ガーリックエクストリームの主成分はニンニクで、これで臭いを付けることで餌に対する魚の嗜好性を高めます。


たたいたアサリに、餌付けたい人工飼料を見た目で同じ量だけ混ぜます。
チョウチョウ王はシュアーSサイズを使っています。

さらに包丁でよくたたくことで、アサリと人工飼料をよくなじませます。
こうしないと魚は、口の中でうまくより分けてアサリだけを食べてしまいます。


こうしてできあがったペースト状の物体は、ヒトにとってはどう見ても食欲をそそるものではありません。

これをアサリの貝殻に塗りつけます。
アサリの貝殻が水で濡れていると、付着性が悪くなるので乾燥しているものを使います。
また、ガーリックエクストリームを入れすぎてドロドロになっていると、やはり付着性が悪くなります。
チョウチョウ王がペーストを塗りつけるのに使っているのは、「アサリ剥き」とよばれる刃物です。
これはカワハギ釣りの餌にアサリのむき身を使うので、釣り道具店で売っています。


ペーストを塗りつけたアサリの貝殻は、冷凍庫に入れて凍らせます。

凍らせることである程度の水分が飛び、ペーストは貝殻から離れにくくなります。
できあがった配合飼料はタッパーなどで密閉して保存しないと、カラカラに乾燥してしまいます。


魚に給餌後、水槽の底に残った貝殻は再利用するため、適時取り出して水洗いした後で乾燥し保管しておきます。

配合飼料の作り方・その1
配合飼料の作り方・その2
配合飼料の作り方・その3

配合飼料の作り方・その2

2005-10-26 16:45:50 | 海水魚
1週間のご無沙汰でした。
配合飼料の作り方・その1を書いてからは10日以上経ってしまい、「新規投稿、滞ってますね」なんて励まし(?)のメール も数件いただきました。
ちょっと前までは、新規投稿をしないと訪問者数がガクンと下がったのですが、今回はこれだけさぼっていてもかなりの人が毎日訪問してくれていたようで、このブログも広く一般に認知されたという証拠でしょうか。
「おごれる平家は久しからず」という言葉があります。
あまり慢心せずにぼちぼちガンバって行きますので、どうか皆さん、見捨てないでください。

さて、本題です。
人工飼料を食べずにアサリしか食べない魚には配合飼料を与えて、人工飼料に慣らします。
この配合飼料は市販されておらず自分で作らねばなりません。
と言っても、その正体はただのアサリと人工飼料を混ぜたものなんですが…。

まず、生のアサリを用意します。
「アサリのむき身には防腐剤が入っているので活きアサリを使う」とこだわっている方もいますが、チョウチョウ王は労力を惜しんでむき身を買ってきます。
チョウチョウ王の経験では、活きアサリを自分でむき身にしたものと、むき身になっているものを比較しても、魚の嗜好性の違いはないようです。
大体、むき身で販売されているアサリに、本当に防腐剤が添加されているのでしょうか?
これは都市伝説の類のような気がします。


良く切れる包丁(ちょっと重量のある小出刃包丁が使いやすい)でアサリのむき身を細かく刻みます。


さらに、包丁の重さを利用してねばりが出るまでたたきます。
なめろうを作る要領です。

前説が長くなり過ぎました。
また続きます。

配合飼料の作り方・その1
配合飼料の作り方・その2
配合飼料の作り方・その3


C.P.Farm 阿出川さんがやり残したこと

2005-10-19 20:49:50 | 海水魚
沖縄・石垣島でソフトコーラルやライブロックを養殖し販売する(株)C.P.Farm(シーピーファーム)の創設者のひとりであり、現在は特別顧問を務める阿出川隆之さんが10月14日にお亡くなりになりました。
享年41歳、肺ガンでした。



阿出川さんの素晴らしいところは、仕事に対して明確な理念がある点です。
チョウチョウ王も含めて社会一般には、理念を持って仕事に邁進している人はなかなかいないものです。
阿出川さんは「自然を傷つけずにより広く自然のすばらしさを伝える」にはどうしたら良いのかを考え、実行した人だと思います。
そのひとつが養殖ライブロックの販売です。
C.P.Farmでは当初から天然のライブロックは取り扱わず、沖縄の民家の塀に使用されている建材としてのサンゴ岩を海に沈めてライブロック化したものを販売していました。
現在では、100%人工製造物のライブロックをということで、ホワイトセメントをベースにして製作されています。



さて、阿出川さんが手がけたもうひとつの事業が、特定非営利活動法人コーラルアクションです。
これは、減少の一途にあるサンゴ礁をインターネットで呼びかけることで復元しようという取り組みです。
移植するサンゴの1本、1本の里親をインターネットで募集。
参加者は3,800円を支払い養殖されたサンゴの子供を購入します。
海に移植されたサンゴには里親の名前を書いたプレートが付けられ、定期的に水中カメラで撮影された映像がホームページに掲載され、サンゴの成長度が報告されます。
いわば「サンゴの里親制度」です。
ところがしばらく続けた結果、移植したサンゴの生存率が半分程度と低いことがわかり、活動は一時中断せざるを得なくなってしまいました。
そんな折、体調不良を覚えた阿出川さんは東京の病院で検査を受け、そのまま入院することになったのです。
亡くなる10日前にお見舞いに行ったチョウチョウ王の友人によると阿出川さんは病床で、これからのビジョンを2時間ほど語ってくれたそうです。



阿出川さんはこの世にたくさんのことをやり残して旅立ってしまいました。
まさに志し半ばにして、本人の言葉を借りるのなら「中途半端なまま」で天国に行ってしまいました。
チョウチョウ王はお通夜に参列して、「安らかにおやすみください」と祈るのには抵抗を感じました。
理念の人、阿出川さんはさぞかし無念だったに違いありません。

阿出川さんがいなくなり、後継の方たちがその遺志をどこまで尊重できるのかはわかりませんが、見守っていきたいと思います。



2001年にサイエンスチャンネルで制作されたドキュメンタリー番組夢をつむぐ人々・No.55「美(ちゅ)ら海 石垣のサンゴに魅せられて 」で、阿出川さんの取り組みの一部が紹介されています。
ぜひご覧になってください。

配合飼料の作り方・その1

2005-10-15 18:48:48 | 海水魚
チョウチョウウオの飼育が難しいと言われる理由のひとつに、餌付けの問題があります。
キンチャクダイの仲間であれば、新しい魚を水槽に入れても落ち着いた頃には人工飼料をパクパク食べ出すケースも多いのですが、チョウチョウウオの場合は一筋縄では行きません。
当然、海には人工飼料なんてものはなかったわけですから、最初のうちは餌とは認識しないようです。
最近の人工飼料には、魚の興味を引くような臭いが付けてあったりとよく研究されているのですが、それでもなかなか難しいようです。
ある程度お腹が空くといきなり食べ出すケースもあります。
しかしいつまでも食べてくれないと痩せてきます。
一度痩せさせてしまった魚は、餌を食べ始めたとしても元通りに復活させるのは困難です。
そこで、2,3日経っても人工飼料を食べない場合は、殻付きアサリを与えます。

殻付きアサリは活きたままのものを、水を切ってから冷凍庫で凍らせたものを使用します。
魚に与える際は、殻のすき間に包丁を入れて口を開いた状態にして水槽に沈めます。

このようにすればアサリは水底に沈みますから、チョウチョウウオはそれを突っついて食べることができます。
生の殻付きアサリだと身が殻から剥がれやすいので、冷凍したものを使用してください。

乾燥を防ぐため、必ずタッパーウエアに入れて密閉して冷凍庫に保存する

海水魚にとって、アサリはとても嗜好性が高く、栄養的にも十分なものです。
しかし、食べ残しが出やすいという欠点があります。
チョウチョウウオがアサリを突っついているうちに身が殻から剥がれて水中を漂ってしまうのです。
そうなったものはあまり食べようとしません。
アサリを与えるのであればよく観察して、食べ残しが出たらすくい出さなければなりません。
そうなると一日中水槽の管理に携われる方でないと、アサリを常に与え続けるのは問題が出てきます。
そこでチョウチョウウオの餌を、アサリから人工飼料に移行させるテクニックが重要になってきます。
それが自家製の配合飼料なのです。

続きます

配合飼料の作り方・その1
配合飼料の作り方・その2
配合飼料の作り方・その3

ろ過槽交換

2005-10-09 20:20:55 | 海水魚
先日、チョウチョウ王の水槽をセットしてくれた(有)大喜(おおき)商事の部長さんがお客さんのところに水槽セットに行くというので付いていきました。
場所は神奈川県茅ヶ崎市、道路が混むので今まであまり近寄ったことのない地域ですが、その日は曇り時々雨という天気だったために道も空いており予定よりも早く到着してしまいました。
施主さんは主婦の方で、磯採集と飼育をはじめて5年目、立派なHPも開設されています。


これが変更前の水槽です。
水槽サイズは1200×450×450(mm)。
施主さんの要望は、「水槽の飼育スペースに余裕があるので、ろ過能力をアップして魚の数を増やしたい。セッティングしてからちょうど1年経ち掃除の時期になったので、これを機会にろ過槽を交換したい」ということでした。
水槽セットといっても、ろ過槽とポンプ、殺菌灯を新しいものに交換するだけで、水槽や水槽台は流用するそうです。
大喜商事さんに言わせると、「部分的な交換は現地施工の箇所が多くなるので、料金を取れない割りには手間がかかる(笑)」だそうです。


これが新しいろ過槽です。
なんでも施主さんがネットオークションで落札したアクリル水槽をに持ち込んで、大喜商事さんが加工したそうです。
ろ材のスペースは2分割されており、物理ろ過槽も付いています。


施主さんからは、「できるだけ使えるものは流用してくれ」と注文がついているので、バルブや配管はほとんど使い回しです。
ただ、揚水ポンプは力不足なのと、水槽の底に接続する「ピストル」という部材だけは新しいものにしました。


チョウチョウ王は特に手伝うべきこともないので、ネコのはなちゃんと遊んでいました。


黙々と作業を続ける大喜商事さん。


広島風お好み焼きを食する施主さん一家とお友達(とチョウチョウ王)。


そしてネコたち。


そうこうしているうちに、大喜商事さんひとりの頑張りで作業がほぼ終わりました。
ろ過槽の右側には新しいろ材(LLサイズ)、左側は今までのろ材ですがちょっと粒が細かいので半年ほどして掃除の時期がきたらLLサイズに交換する予定です。


まだ少し海水が濁っていますが、明日の朝には透き通っていることでしょう。
午後3時に作業を開始して、終わったのは午後10時でした。



ツノダシ

2005-10-08 17:09:23 | 海水魚
皆さん、お久しぶりです。
仕事で忙しい日々が続いています。
続きました、ではなく、続いています、と進行形です。
しばらくの間は以前のように毎日投稿するのは無理ですが、暇を見つけて数日置きに投稿しようと思います。

ツノダシはいかにも南洋の魚という雰囲気で、とても人気があります。
しかし、飼育が難しいと言われるので敬遠している方も多いようです。
結論を言えば、ツノダシは簡単な魚です。
むしろ活発過ぎて、おとなしめの魚と混泳させると餌がまわらなくなるほどです。
そこでなぜ難しいと言われるのか理由を考えてみました。

ツノダシを自家採集してバケツの中に入れておくと、短時間で海水が汚れるのがよくわかります。
魚の体の生理的な仕組みはよくわかりませんが、排泄物の量が多いのか、チョウチョウウオやキンチャクダイの仲間と比べて、ツノダシが水をとても汚すことは事実です。
昔の飼育書を紐解いてみると、「ツノダシは輸送に弱い」と書かれています。
これは輸送中に袋の中の海水が汚れて、ツノダシが弱ってしまうことを言っているのでしょう。
チョウチョウ王がツノダシを採集するときに気を付けていることは、連泊して採集する場合はできるだけ早い日に採集して、海に浮かべたイケスの中で排泄物を出し切ってしまいます。
日帰りなどでそれができない場合は、輸送の海水の量を多くしています。

ショップで購入する場合は、マニラ、インドネシア便の個体は避け、少し価格は高め(2~3割程度高いと思います)ですがハワイやスリランカ便の個体を選びましょう。
3日ほどで人工飼料を食べ出すはずです。
とても大食漢(サンゴも食べてしまうのでご注意)で成長も早いのですが、どうやら寿命はそう長くないようです。
チョウチョウ王もいろいろと試しましたが、3年以上生かしたことがありません。
知り合いの方の飼育している個体は5年目ですが、やはり「これは例外だ」とおっしゃっていました。

群れを作って泳いでいる海中写真を見ると、ついつい複数飼いしたくなりますが、水槽では少し慣れてくると弱い個体を攻撃しはじめるので注意してください。
他の魚との折り合いはとてもいいので、混泳水槽向けの魚です。

昔の図鑑には、トゲツノダシ Zanclus canescens という目の上に突起のある魚が載っていますが、その後にこれはツノダシの幼魚だとわかり、現在ではツノダシに統一されています。

ツキチョウチョウウオ移送

2005-10-03 15:19:13 | 海水魚
ここ半月ほどで、やたらとツキチョウチョウウオが威張るようになってきました。
普段はそれほどでもありませんが、給餌の時はもの凄いです。
アブラヤッコはキンチャクダイ科なので科が違うからか無視に近いですが、チョウチョウウオ科の魚には攻撃が激しいです。
それでもシマハタタテダイは属が違うし、ゲンロクダイは形が違うからかまだなんとかかわせる程度の攻撃ですが、スダレチョウチョウウオに対しては新参者ということもあり徹底的に追いかけ回します。
このスダレチョウは神経が太いらしく、水槽の隅にじっとしていながらも隙を見てはシュアーを食べていましたが、あまりツキチョウからの攻撃が続くようであれば餌を食べなくなる可能性があります。
そこで本日、ツキチョウをこの水槽から移すことにしました。

しかしいくら採集上手(笑)なチョウチョウ王といえども、この状態ではすくうことができません。
岩組みを出せばすくえるでしょうが、汚れが舞ってしまい換水をしなければならなくなります。
1週間ほど前に換水したばかりなので経済的にもそれは避けたいです。
そこで飼育水を抜いて水位を下げてからすくうことにしました。
まず、底に溜まった汚れを吸い出して捨ててから、水槽の上澄みを容器に移します。
この上澄みは後で水槽に戻すので、汚れを吸わないように注意します。
水槽の底から15cmくらいの水位になるまで抜いてしまえば、魚もあまり自由に移動できなくなるので、手前に出てきたところを手網2本で難なくすくうことができました。

ツキチョウは上段右の「強いヤツ水槽」に、キンチャクダイとオニハタタテダイと一緒にしました。
今のところ、キンチャクダイからたまに受ける攻撃をかわしながらばくばくと餌を食べています。
ツキチョウを移してから気付きましたが、この魚はある程度の緊張状態にあった方が体色が黄金色できれいなんですね。


「ツキチョウ移送後の中段水槽。しばらく時間が経って慣れてくると、
シマハタタテダイが威張り出しそうな予感

生きたダイオウイカの水中写真

2005-10-01 21:09:19 | 海水魚
イギリスに「ロイヤルソサエティジャーナル」という科学雑誌があります。
そこにとても興味深い記事が載っていたのでお知らせします。
http://www.journals.royalsoc.ac.uk/media/g3t6cbhdwl6kppdfklby/contributions/y/6/2/0/y6205352758lt3u5.pdf

8mのダイオウイカですか…。
こんなのが海にいると聞くと、足の立たない海で泳ぐのはちょっと怖くなってしまいますね。



と、一刻も早くこのニュースをお知らせしたくてここまで書いたところ、なんと3日前の読売新聞に記事が掲載されていたことがわかりました。
トホホ…

ダイオウイカの深海での生態…国立科博チームが初撮影

巨大な「ダイオウイカ」が深海でえさに迫る姿を、国立科学博物館の窪寺恒己・動物第三研究室長らが撮影し、英国の科学雑誌に27日発表した。

ダイオウイカの生態は謎に包まれており、本来の生息場所である深海での活動をカメラにおさめたのは世界で初めて。

窪寺室長らは、約1年前、小笠原・父島の南東沖で、えさとカメラをつけたナイロン糸を水深900メートルの海中に沈めたところ、ダイオウイカが針にかかった。
イカは、4時間にわたってもがき、腕を切って逃げた。
全長は8メートルもあったと推定されている。

ダイオウイカは、最大の軟体動物で、全長が16メートルに達した記録もある。
動作は鈍く、海中を漂いながらえさが来るのを待っていると考えられていた。
科博の連続画像は、ふつうのイカのように腕を伸ばしてえさに襲いかかる瞬間をとらえており、意外に行動的であることがわかったという。
(2005年9月28日13時0分 読売新聞)

シマハタタテダイ

2005-09-29 18:52:08 | 海水魚
シマハタタテダイオニハタタテダイとよく似ています。
海中で出会うと、チョウチョウ王でも瞬時には区別が付きにくい魚です。
圧倒的に個体数が多いことから、大抵の場合はオニハタタテダイなのですが。

識別の手がかりとなるのは、目を横切るアイバンドです。
オニハタタテダイはアイバンドが背びれの旗の付け根まで伸びており、シマハタタテダイは手前で切れています。



オニハタタテダイ



シマハタタテダイ


生息範囲はシマハタタテダイの方が狭く、モルディブよりも西のインド洋にはいないようです。

オニハタタテダイ

2005-09-28 19:20:35 | 海水魚
オニハタタテダイは、東アフリカ沿岸からタヒチに分布し、ハタタテダイの仲間8種類のうちでもっとも大きく成長するといわれています。
チョウチョウ王の飼育している個体は、今年の4月に奄美大島で採集したもので、体長9cmあります。
小さな個体は臆病で、サンゴや岩の隙間に逃げ込んでしまうとなかなか出てこなくなり採集も難しいのですが、これだけ大きいと悠々と泳いでおり案外呆気なく捕まえることができます。

大きなチョウチョウウオの仲間は餌付けに苦労するものですが、この魚は水槽に放したその日から人工飼料を食べるようになりました。
ただし、海水魚ショップで購入する場合は、まとまった数が入荷する魚ではないため良い個体を選びにくいかもしれません。
オニハタタテダイという和名は、オデコにある突起を鬼の角に見立てて付けられたものです。
ムレハタタテダイ同様にとても飼いやすく水槽で長生きする種類ですが、背びれの旗はそれほど長く伸びず体型もずんぐりしているためちょっとスマートさに欠けます。

換水

2005-09-25 16:38:15 | 海水魚
今日は水槽の海水交換をしました。
半月ごとにほぼ全量を行なうといっておきながら、実に8月29日以来、約一ヶ月振りの換水となります。

チョウチョウ王の給餌は、食べきれる分を一日に何回も分けて与えるやり方なので、餌の量も半端ではありません。
そこでご覧の通り、茶ゴケが凄いです。



水槽の鑑賞面は時々落としていますが、底面や手の届かない箇所は換水の際に吸い出しながら落とさないとどうしようもありません。
本当なら鑑賞面ですらコケを落とすのは避けたいのですが、魚が見えなくなっては意味がないのでしかたありません。

チョウチョウ王がなぜコケを落としたくないか、というわけは、魚がいる状態で汚れを舞わせたくないからです。
沈殿した汚れが水中に舞うと、それが病気の発生などにつながることが多いのです。
同じ理由で、餌として与えたアサリの貝殻もそのままにしてあり、換水の際に取りだしています。



本当なら、コケ落としも貝殻拾いもこまめにやってあげればさほど汚れは舞わないんですけどね。

さて換水を終えて、新しい魚たちをバケツトリートメントから水槽に移動しました。
上段水槽右側は、人工飼料に餌付いていない大きめの魚。




中段水槽には、人工飼料に餌付いた魚。




側面水槽手前側は、人工飼料に餌付いた小さめの魚。
側面水槽奥側は、人工飼料に餌付いていない小さめの魚。



という割り振りです。

バケツの中で餌付いちゃいました

2005-09-24 17:00:00 | 海水魚
9月21日にバケツトリートメントを開始して以来、今日で4日が経ちました。
その間、病気の徴候が見られなかったので、そろそろ本水槽に移そうと思います。
ただ、このところ本水槽の換水をさぼっていたので、明日換水した後に移動するつもりです。

さて、バケツの中を覗いてみると一部の魚が水面まで寄ってくるようになったので、試しにバケツの換水前に人工飼料のシュアーMサイズを1粒落としてみました。
すると、スダレチョウチョウウオがひとくちで食べてしまいました。
体長が9cmくらいあるちょっと大きめの個体なのでもう少しあげてみようと、今度は3粒落としてみると、なんとツノダシとアブラヤッコが餌の取り合いでケンカをしています。
そのうちに餌だと気付いたのか、それまでじっとしていたシマハタタテダイも餌取り合戦に参加。
結局、シュアーを10粒ほど与えてしまいました。
このバケツの中で、フエヤッコを除いたすべての魚がシュアーに餌付いてしまいました。
まるで誰かが飼育していた魚のようです。




その後、餌を与えてから2時間くらいおいてバケツの全換水を行ないました。

バケツトリートメント・その2

2005-09-22 19:00:08 | 海水魚
バケツトリートメントにはろ過槽がないので水質はどんどん悪化して行きます。
特に、開始した当初はフンもたくさんしますので、水質が落ちるのも早いです。
何となく海水が濁ってきたり、生臭い臭いがしてきたら全換水をします。
魚の数にもよりますが、大体10~24時間おきに行ないます。

ろ過がないということはマイナスのような気がしますが、実はトリートメントとしては利点になるのです。
なぜなら、魚に白点虫などの寄生虫が付いていたとしても換水を繰り返すことでそれらは流されてしまうし、ろ材に付着して増殖することもないからです。
また、「グリーンFゴールド・顆粒」を投薬するのは寄生虫を殺すためではなく、輸送で剥離した魚の体表を治療するためです。
魚には人間のような皮膚はなく、生息している環境の水と魚の体内は、浸透膜である粘液とうろこによって遮られています。
粘液が剥がれてしまうということは人間が思う以上に、魚にとってはダメージが大きく病気発生の引き金になるのです。




トリートメントを開始してから10時間経ったバケツの様子です。
底にはフンが溜まり、海水も生臭くなっています。
これは換水をしなければならないタイミングです。



新しい海水を入れたバケツを用意します。
奥の2つが新しい海水の入ったバケツ、手前の2つが今までのバケツです。
魚を移す際は、網は使わない方がいいです。
両手で軽くフタをするように魚を覆う(写真撮影のために片手ですが)か、容器ですくって古い海水は切ります。





魚が逃げ回るときは、バケツの海水をほとんど抜いてからだと捕まえやすくなります。




魚を移し終えたバケツの古い海水はすべて捨ててしまい、バケツの内側は水道水とウールマットでよく擦り洗いをします。





これは白点虫などは容器の壁面に強く付着するからです。

バケツを洗い終えたら水を切って乾燥させます。




これでバケツトリートメントの1行程が終了します。
チョウチョウ王はこれを3行程くらい行なって病気が出ないのを確認してから飼育水槽に放すようにしています。

バケツトリートメント・その1

2005-09-21 19:34:42 | 海水魚
3泊4日の旅行から帰ってきました。
旅行中はi-modeでしかこのブログを閲覧できなかったので、アクセス数がどのくらいなのかが気になっていました。
帰宅してからPCで確認してみると、予想以上にたくさんの方が見ていてくれたようでした。
厚く御礼申し上げます。
しかし、旅先からの投稿は写真がすべて反時計回り90°に回転してしまっており、愕然としました。

さて、本日は新しい魚を入手した場合、チョウチョウ王が必ず行なっている手順を説明します。
チョウチョウ王の魚の入手方法は、ショップ購入と自家採集の割合がほぼ半々です。
そのいずれの場合も「バケツトリートメント」をしてから水槽に放すようにしています。

まず、人工海水の空バケツに新しい海水を作ります。
人工海水の空バケツとは、「ケント シーソルト」や、「インスタントオーシャン」、「リーフクリスタル」などの輸入品の人工海水の700~800Lパッケージに使用されているものです。
このバケツにはおおよそ30Lの海水を入れることができ、バケツトリートメントには最適です。
いろいろと探しましたが、これに代わる容器は見つかりませんでした。

バケツの中の海水が澄んだら、「グリーンFゴールド・顆粒」を説明書に書いてある半分の量、投薬します。






「グリーンFゴールド・顆粒」を投薬して、すぐは海水が黄色く濁っていますが、しばらくすると黄色く澄んできます。
こうなったらトリートメントする魚を入れます。
酸欠防止と水温の維持のために、エアレーションと保温設備(チョウチョウ王はサーモスタットが不要なことから150Wのオートヒーターを使っています)をセットします。
エアレーションを強くかけすぎると水流も強くなり魚が弱ってしまうので、ほどほどにします。