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クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、ウェブ・アンケートの集計レポートを公開

2009-09-18 20:18:34 | 著作権問題一般
CCJP が7月から8月に行っていた「日本版フェアユース導入に関するアンケート」の結果が発表されました。
クリエイターや一般ユーザーは日本版フェアユース導入に積極的

~クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、ウェブ・アンケートの集計レポートを公開~
http://creativecommons.jp/news/2009/09/15/post_58.php
 (クリエイティブ・コモンズ・ジャパン 2009年9月15日)

調査結果の概要


本調査から得られた主な結論は以下の通りです。

1)現行の著作権法上は違法とされる著作物の利用行為であっても、創作活動やコンテンツの利用にかかわっているクリエイターやユーザーの多くがフェアだと考えるものが複数存在する。

2)クリエイターは著作権の強力な保護を支持する傾向にあるのではないか、との観点から、上記(1)の回答について、創作活動の頻度と、各利用行為がフェアであると考える度合いの間に相関関係は認められず、創作活動を通じて収入を得ている人と得ていない人の間で、各利用行為をフェアであると考える度合いにもほとんど差が認められなかった。興味深いことに、創作活動から収入を得ているクリエイターの方が、収入を得ていないクリエイターに比べ、幾つかのシナリオにおいて、著作物利用をフェアだと考える傾向がやや強かった。

3)著作権の制限規定について、個別の事例ごとに立法する場合と、より一般的・包括的な制限規定を導入する場合のどちらが望ましいかについて尋ねたところ、一般制限規定を支持する意見が61%を占め、個別制限規定を支持する意見の約3倍に上る。



4)一般制限規定を導入した場合、クリエイターが事前に予想していなかったような形で自分の作品の利用がなされる機会が増える可能性があることを説明した上で、権利保護(権利者による許諾)を重視する著作権制度と、許諾を受けずに一定の自由な利用が可能になる著作権制度とではどちらが良いか尋ねたところ、後者を支持する意見が71%を占め、前者を支持する意見の約5倍に上る。



5)クリエイターは著作権の強力な保護を支持する傾向にあるのではないか、創作活動の頻度や、創作活動から得ている収入により、上記(3)および(4)で得られた結果に違いがあるかを分析したところ有意な差は認められなかった。

Creative Commons License

集計レポートの全文は発表ページにPDFが置いてあります。


ネット時代になってから、 "実態としてフェアユースなもの" に触れる機会が日常においても激増したことが、市民の意識にも反映されているのかもしれませんね。
15年前に同様のアンケートを実施していたら、フェアユースという概念に対する一般の理解はこんなに進んではいなかっただろうと思います{{独自研究}}。

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フェアユース - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/フェアユース

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関連リンク
日本の著作権法と権利制限の一般規定(いわゆる「日本版フェアユース」)について
http://creativecommons.jp/learn/aboutFU.php

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Summary of images:
Source = http://creativecommons.jp/news/2009/09/15/post_58.php
Date = 2009-09-15
Author = 特定非営利活動法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
License = CC-BY-2.1-JP
Creative Commons License


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