Vanteyのアース線(もしくは枯れた資料帳)

怠け者のウィキメディアン・Vanteyの、脳内が帯電してきた時のはけ口。非百科事典的。過度な期待はしないでください。

「そうだ! 私たちも脱皮すればいいんだよ!」

2010-12-30 06:26:40 | 
毎年12月12日頃に発表される、「今年の漢字」というものがあります。
財団法人日本漢字能力検定協会が1995年から開始したもので、各界の集計者によってその年の世相を振り返る語句などを決めるという日本の年末の恒例行事(マスメディアにとってのネタ的な意味で)の一つとなっています。

発表された字に対する各個々人の異論や自論も多く聞かれますが、ほぼすべての日本人が一家言を持ち得るテーマですので、これはある意味宿命として仕方のないことでしょう。


そこでこの「今年の漢字」の決定方法を調べてみたら、単純多数決なんですね。最多得票の字が自動選出されるという。選挙と同じ。
つまり主催者・選考者による恣意が介在する余地がないのです。
番記者の内輪受けのような、世間一般では流行してもいない言葉を「今年流行した」などと詐称して現代史の捏造を続けているところ(一般論として)とは、選出システムが根本的に異なっているのです。

勿論これでも、プロ野球オールスターゲームのファン投票枠のように組織票の投下による票操作は理論上は可能ではあります。
ですが、これらのファン投票等と違う点として以下のような特徴が挙げられます。

 ▼中間集計が発表されない
   →組織票投下の手応えが感じられない。よって、所謂「祭り」の面白味がない。
 ▼選考対象が(一定の選手中からなどではなく)無制限である
   →選考対象数は数千~数万字!
   →有力候補が事前に絞りにくい、というより最終集計の蓋を開けるまで全く読めない。
 ▼誰でも関心を持ち得るテーマであり、また分野を問うてない
   →投票者の数だけすべて異なる考えがあり得るため、特定の候補を推すような派閥が形成されにくい。

これらの理由により、組織票による票操作はあまり旨味が無いと考えられます。
このため結局、実際に多くの人が感じた "偶然同じもの" を、純粋多数決による抽出で "割り出す" しかない、ということになるのだと思います。

非常に公平にして明快、恨みっこ無しの良い選出をやる企画なんだなと、調べてみて思いました。

   *  *  *  *

さて読者諸兄も既にご存知のように、2010年の今年の漢字は「暑」でした。
2010年「今年の漢字」トップ20に上位20字の得票数と得票率が発表されており、2位以下を大きく引き離す得票(得票率 5.09 % 、2位が 2.04 %)を得ていることがわかります。
これって「今夏」だけのことであって「今年通年」の世相を表してはいないだろ……とも思いますが、最も多くの人達が同じことを考えていたことがこれなのですから仕方ありませんね。
今年2位の「中」は、個人的には北京五輪の2008年に来ると予想していましたが、同年の結果では19位。


ところで本年8月31日付の拙エントリで今夏の電力供給に関する話題を扱ったのですが、脱稿後、東京電力の2010年夏季の最大電力についての数少ない(唯一の?)ソースが出ていたのを見つけました。
特集ワイド:猛暑の変 水や電力、まだ余力/足りない血液/蚊も夏バテ
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20100830dde012040012000c.html
 (毎日jp 2010年8月30日 18:00)

 連日の熱帯夜にうんざりしながら、ちょっと気になることがある。以前は、暑い日が続くと「電力不足」が叫ばれ、「水不足」が危惧されていなかったか。それに夏だというのに、東京都心部は蚊が少ないのでは? 専門家らに聞いてみた。

 エコや省エネ、クールビズがすっかり定着した感のある昨今。しかし、暑さが続くとエアコンをかけたくなるのは人情だ。いやいや、地下鉄の車内などは寒いくらいに冷房が利いている。

 これほど電気を消費して、発電所はパンクしないのか。かつては「節電、節電」と声高に叫ばれていたような。

 主要電力会社10社でつくる電気事業連合会(電事連)によると、1時間当たり最も高い電力需要を「最大電力」という。過去最高は、東京都心で最高気温が38・1度に達した01年7月24日の1億8269万キロワットだった。電事連は「30度を超える日中に気温が1度上がると最大電力は原発5基分に匹敵する500万キロワットも増加する」という。

 各電力会社は気候や景気の動きなどをにらみつつ、その年の夏の最大電力を見通している。電事連の計画で、今夏は1億7463万キロワットだ。

 東京電力の今年度の当初計画では5910万キロワット。しかし猛暑となったため、東電は見込み需要を6150万キロワットに切り替えた。広報室によると「仮にこの値を超えても発電所の出力アップなどで対応でき、6520万キロワットの送電が可能です」という。今夏の最大電力は29日現在7月23日の5999万キロワットというから、まだまだ余力がありそうだ。

 では過去に節電が叫ばれた理由は何か。03年と07年に顕著な例がある。03年は東電の不祥事が原因で同社の原発すべてが運転を停止した。

 07年は、新潟県中越沖地震で、世界最大821万キロワットの出力を誇る柏崎刈羽原発が被災。国は、冷房温度を高く設定し消灯にも努めるようにマスコミを通じて国民に要請した。東電は、電力他社から電気を購入するなど最終的には需要に見合う電力を確保した。声高な「節電の訴え」はいずれも原発にからんだ年だったというわけだ。(後略)

当初予想最大電力の 5,910 万 kW に対して7月23日に 5,999 万 kW が出たそうですが、猛暑が長く続いた割にピーク値は以前ほどにはあまり伸びていないんですね。

社会全体での省エネルギー化がそれだけ年々進んでいるお陰と理解していいのかしら。

   *  *  *  *

筆者の個人的「2010年今年の漢字」などここで衒ってみても誰も得しないのですが、ネタの流れから敢えて開陳しますと、

 「軽」

即答でこれ一択です。

社会の混迷を招くばかりの、無能な為政者どもの軽い考え、軽い言葉。責任を取らない軽い責任者。家畜伝染病を軽く考えて滅亡を招き、国土も国益も軽く売り飛ばす奸臣。自らの口から出た言葉も約束も軽んじ、それどころか普通に社会人としての礼節やマナーさえも軽んじる下衆。国際社会や隣国からは軽んじられる始末。

そんなのもありますがそれらはすべて後付けの理由で、やはりあれですよ。
軽い音楽のヤツ。(←ほとんど部室でだべってるだけじゃないですか、とツッコミが入るヤツ
社会現象的にも考えて(*1)。

そんな訳で2010年最後の(WMには上げられない)自作写真からの蔵出し。



今年『のだめカンタービレ フィナーレ』『けいおん!!』『会長はメイド様!』『たまゆら』『バクマン。』などを手掛けた脚本家の吉田玲子先生(※絵描きではありません)による、「暑」をテーマにしたけいおん漫画(ていうかこれは漫画なのか?)。

因みに『けいおん!!』の「暑い!」回(2期11話)は吉田先生ではなく、村元克彦さんの脚本です。念のため。

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(*1) = アニメで振り返る!2010年10大ニュース - アニメワン、2010年11月30日

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今年の漢字 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/今年の漢字
2010年の猛暑 (日本) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/2010年の猛暑_(日本)

「今年の漢字」 財団法人日本漢字能力検定協会
http://www.kanken.or.jp/years_kanji/index.html

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『けいおん!』関連の主な過去記事
「二次元版権モノ」記念切符の先例(4)西武鉄道〈中〉 (2010年12月12日)
「二次元版権モノ」記念切符の類例(2)信濃大町駅 (2010年12月6日)
「二次元版権モノ」記念切符の先例(1)近江鉄道 (2010年12月6日)
「商品名: けいおん!!」 (2010年11月15日)
これが「けいトラ!!」だ!! (2010年11月13日)
『けいおん!!フェア』実施中の「ローソン フジテレビ店」に突撃レポート (2010年11月11日)
「痛空母」の誕生まで、というか『けいおん! キティホーク』レビュー (2010年10月26日)
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Summary of image:
Description = 吉田玲子作のけいおん漫画
Date = 2010-08
Source/Author of writing = 吉田玲子
Permission = (c) かきふらい・芳文社/桜高軽音部 / 日本国著作権法32条1項に基づく引用


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