Vanteyのアース線(もしくは枯れた資料帳)

怠け者のウィキメディアン・Vanteyの、脳内が帯電してきた時のはけ口。非百科事典的。過度な期待はしないでください。

アニメ内における二引のファンネルマーク

2008-10-02 00:42:20 | 作品舞台研究
先週まで独立UHFやBS11デジタルで放映されていたテレビアニメ『鉄腕バーディー DECODE』(監督: 赤根和樹、アニメーション制作: A-1 Pictures)の終盤第10話~13話に、「LOST BIRD」という架空のクルーズ客船が登場していました。
12話には左舷正横のカットもあったのですが、その船容ときたら

どう見ても「飛鳥II」です。本当にありがt(ry

しかも日本郵船の「二引(にびき)」のファンネルマークもそのまんまに。




ファンネルマークってのは、船主や運航者を識別するものとして汽船の煙突側面に描かれる塗装マークのことです。航空機における尾翼マークに相当します、というよりむしろ航空界は船舶界に倣って導入したものなんですが。
WPの記事は日本限定概念であるかのように定義してたりと、ひどい記事だなあ)

日本の海運大手の日本郵船株式会社はファンネルマークに、白地に赤い横棒を二条描く「二引」の意匠を採用しています。そして日本郵船の完全子会社で「飛鳥II」の船主兼運航者である郵船クルーズ株式会社も、ファンネルマークは二引としています。

尾翼マークのほうは民間航空機はもとより、軍用機で部隊のマークを描くものも含めて、その存在と役割は広く一般に認知されていますが、汽船のファンネルマークのほうは現代ではあまり一般に認知されてないんですかね。

アニメの作品内で描かれる街や乗り物などでは、実在のものをモデルにしたものであっても、看板のような固有名詞や商標を表示した部分は一部改変した架空のものに書き換えて発表されるのが世の常となっていますね。これは特定企業の宣伝になってしまっては競合他社などからクレームがつく危険性があるためとも思われます。
つまり本件は「アニメに現存実在企業のマークを登場させて、特定企業の宣伝をしちゃった」ことになります。


『鉄腕バーディー DECODE』第11話~13話のテレビ放送は既に終わっていますが、無料動画配信サービスのGyaO(要会員登録、日本国内のみ視聴可、WindowsのIEのみ対応)では2008年10月2日正午より第11話を配信、以後168時間毎に12、13話が配信されます。
配信ページ: http://www.gyao.jp/anime/birdy/

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ところで、過去にもアニメ内に二引のファンネルマークが登場したことがありました。
2003年に放映されたテレビアニメ『D.C. ~ダ・カーポ~』の本編第14話と併映された『D.C. ~ダ・カーポ~ サイドエピソード』(監督: もりやまゆうじ、アニメーション制作: カオスプロジェクト)第7話がそれです。
その回の主人公の女の子(水越萌)が、海水浴をしていて沖合を航過する貨物船とニアミスするというシーンがあったのですが、その貨物船のファンネルマークが二引でした。

『D.C. ~ダ・カーポ~』は2008年12月25日に新 DVD-BOX(レーベル: スターチャイルド、品番: KIBA-91575~91583(9枚組)、25,200 円)が出るそうですので、ぜひに。
原作メーカーの商法や後続作品の出来のせいでD.C.シリーズの評判は全体的にはよくないのですが、このアニメ第一作はお薦めです。作画はいまいちですが、シリーズ構成・脚本・音楽は一級品です。

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関連リンク
郵船クルーズ株式会社
http://www.asukacruise.co.jp/

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Summary of image:
Description = 横浜港大桟橋C岸を離岸する「飛鳥II」 (7JBI / Off.No. 140287 / IMO 8806204)
Date = 2008-08-09
Source/Author = Vantey
License = PD-self
Public domain


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