CASAは、会議終了後、モントリオールで以下の声明を発表しました。
COP11・COP/MOP1
歩み始めた京都議定書
2013年以降にも確かな道のり
2005年12月9日(カナダ:モントリオールにて)
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
気候変動枠組条約第11回締約国会合(COP11)と京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)は、京都議定書の運用ルールであるマラケシュ合意をすべて採択するとともに、2013年以降の削減目標と制度設計について交渉を開始する決定を採択して終了した。
マラケシュ合意の採択により、このCOP/MOP1で京都議定書が着実な歩みを始めたこと、そして2013年以降も京都議定書が継続することを前提に、2013年以降の削減目標と制度設計についての議論に道筋がつけられたことを、心から歓迎する。
遵守制度を含むマラケシュ合意の採択により、京都議定書は完全に実施段階に入ることになった。このことは、日本などの先進国の法的拘束力を持った削減義務を実施するためのすべてのしくみが完成したことを意味している。日本は、今年4月に「京都議定書目標達成計画」を閣議決定したが、6%削減の目処はまったくたっていない。早急に、再生可能エネルギーについての固定価格買取制度や環境税の導入などの抜本的な対策を早急に導入すべきである。
このCOP/MOP1では、締約国が2013年以降も京都議定書を継続する意思を示せるかどうか、そのための道筋をつけることができるかどうかが課題であった。COP/MOP1で、2013年以降も京都議定書の枠組みが継続することを前提に、2013年以降の削減目標と制度設計についての議論をここCOP/MOP1で開始し、次期約束期間との間に空白が生じないよう結論を出すことが決定されたことは大きく評価されてよい。また、途上国を含めた議定書の検討についての議論を準備することになったことも評価してよい。
気温上昇幅を工業化以前(1850年頃)から2℃未満に抑えなければ、地球規模の回復不可能な環境破壊により人類の健全な生存が脅かされる可能性がある。すでに0.7℃上昇してしまった。残された時間は少ないことを自覚しなければならない。
リオ、京都、マラケシュそしてモントリオール。次代を担う子供たちのためにも、この歩みを止めることは許されない。