精霊馬と地獄と極楽

2012-08-12 18:00:34 | 書籍関係
お彼岸、お盆の季節となりました。

最近は作り物もあり、これはジャスコ(イオン)で購入した
ものです。

「精霊馬(しょうりょううま)」 という言葉を聞いた事がある
かと思いますが、キュウリとナスに箸をさして馬と牛に
たとえているもので、どちらもご先祖様の魂が彼岸と
現世を往来するための乗り物といわれています。
キュウリは彼岸から魂が帰ってくるために足の速い
「馬」 を、ナスは彼岸にゆっくり供物をたくさん積むため
「牛」 を模してつくっているそうです。

幼少の頃・・・お盆の時、お寺に行った際親戚のおじさん
に買ってもらった絵本、としての記憶があります。
突然、思い出して気になっていた書籍が文庫化されて
いたのを見つけました。

「地獄と極楽」

今の社会においてはまず幼少の頃から善悪の判断や
ものごとのケジメなどの教育が欠乏しているとしか思
えません。 加えて、自分のことしか考えられない人間
が氾濫・・・。
この本は、そんな事への戒めとして子供たちや大人
たちへ一読することをお勧めしたい、真面目な本です。

原本である地獄極楽絵図は千葉県安房郡の延命寺
に市指定文化財として保管されています。
天明4年(1784)に江戸の画士・江府宗庵が製作した
「地獄極楽絵図」 全16幅の絵図で、悪事を重ねること
の恐ろしさ、現世で善行を積むことの必要性、御仏の慈悲、
死の恐怖、生命の尊さとなっており、まさに往時の世相を
反映したものです。

西川 隆範 (著)、桝田 英伸 (監修)、
2011年9月文庫化、風濤社:発行、1,050円。