「天狗の中国四方山話」

~中国に関する耳寄りな話~

No.48 ★ 中国の緩和シグナルに一抹の警戒心、経済再構築は待ったなし

2024年01月29日 | 日記

ロイター (Chan Ka Sing)

2024年1月27日

 1月25日、中国は希望にしがみつこうとする投資家に何とか寄り添っている。写真は北京の紫禁城で2023年10月撮影(2024年 ロイター/Edgar Su)

[香港 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国は希望にしがみつこうとする投資家に何とか寄り添っている。当局は24日に国内経済・株式市場に対する信頼を回復させようと矢継ぎ早にシグナルを送った。しかし、厄介な事実がある。習近平国家主席が進めているような経済の再構築では短期的な痛みはある程度までしか顧みられないだろう。

中国人民銀行(中央銀行)は利下げ期待に応えず、株式・通貨が圧力に見舞われたのを受けて預金準備率の引き下げに追い込まれた。

他の規制当局も市場の長期的な繁栄に前向きな姿勢を示している。例えば、証券監督管理委員会(証監会)は投資家にとっての具体的な「獲得感」を生み出すと約束。また、国有資産監督管理委員会も国有企業首脳の評価手続きの一環として時価総額を考慮するとした。

投資家は当局が協調して行動している様子を好感。人民元は今月12日以来の高値水準となり、香港株も3%高で24日の取引を終え、25日午前も続伸した。

習主席は再構築を推し進めた結果生じるでこぼこを滑らかにしようとしており、短期的な利益を求めて軌道修正しているわけではない。巨大な不動産セクターのデレバレッジ(債務削減)によって蓄積された金融リスクを管理し、輸出から消費主導型への成長にかじを切ろうとしている。

その結果、3000億ドルの負債を抱えるデベロッパー、中国恒大集団(3333.HK), opens new tabが打撃を受け、29日に即時清算命令が下される可能性が高まっている。これは市場にさらなる衝撃を与える可能性があり、救済の兆しも見られない。中国の緩和シグナルは一抹の警戒に値する。

<背景となるニュース>

*中国人民銀行の潘功勝総裁は24日、預金準備率を0.5%ポイント引き下げると発表した。2月5日から適用する。

*証監会の王建軍副主席も24日、「投資家中心の資本市場」を構築するため一層努力すると述べた。投資家が十分に保護されてこそ、繁栄する市場の強固な基盤ができると付け加えた。

*また、国有資産監督管理委員会は国有企業首脳の仕事ぶり評価に市場価値管理を盛り込むと表明した。

*中国恒大集団のオフショア債保有者のグループが、29日に香港の裁判所で開かれる審理で、同社の清算を支持する方針であると関係者2人が明らかにした。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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