○昨夜NHKBSで「貧困へのスパイラル」というアメリカの貧困層、低所得下位20%にいる4人の生活をリポートしたドキュメンタリーの前編が放送されました。再放送なのでもう見た人も多いかも知れません。今夜は後編。
○5人の子どもを育てながら児童保護監察士として働き、かつ仕事を人に取られないように学歴をつけるため大学へ通うシングル・マザーの黒人女性。寝る時間が毎日4時間ぐらい、勉強する時間がないと涙を流すシーンが印象的だった。学歴がないと給料があがらないから大学へ行く。彼女は子どもの頃性的虐待を受け祖母に育てられた。祖母が死ぬと母親の元に行ったが顔を焼かれ保護センターに預けられ、そこで育ったのだった。
○離婚調停中の3人の子供をもつ母親。別れた夫が預金をすべて下ろしたので預金はゼロ。ウエイトレスをして生計を立てているがその日暮らしの有様。以前は寄付する側だったのにクリスマス・プレゼントを食料配給所でもらう現在に涙する。そんな彼女にプラチナカードを送りつけるカード会社、カードの負債は15、000ドル。車も家を手放さなければならない状態で、男の子は「荒れる」。
○サンフランシスコで月530ドル(かな?)の1部屋の汚いアパートに住み警備員をやっている男性。アルコール依存症だった時妻は子供を連れて家を出た。自分の意志で4年半(!)厚生施設に入り今は酒を飲まない。時給12ドルだが物価が高いので洋服や靴はリサイクルショップで手に入れる。それでも子供に月200ドルの仕送りをしている。
○甲状腺の癌にかかった長女を持つ、老人ホームで働く女性。その子は医療保険に加入していないので治療が出来ない。ちなみに毎年1800人が医療保険未加入のため治療費が払えず死んでいると思われると番組内で言っていた。この女性は結局7人の面倒をみているが時給が低いので生活はとても苦しい。
(慈善治療 ー チャリティ・ケアという言葉も出てくるが手続きが面倒なのかな。プライドもあるだろうし)
アメリカでは4人に1人が低所得者。
本当に久しぶりに「緊張する」番組を見ました。
前、職場の同僚と「アメリカの黒人の低所得層はなぜあんなに太っているのか」と話したことがありますが、ここの女性達もかなり肥満している人が多かった。警官、小学校の教員とか異様に肥満している人が多いんですよね。ストレスからついつい食べてしまうのでしょうか?
ここ30年で物価は33倍、家賃は1979年以来3倍に上がっているのに、低所得層の賃金はほとんど上がっていないのだそうです。日本でも町工場の技術者の賃金が非常に安い事が問題になっていますが、時間をおいてアメリカの後を追いかける日本、格差社会に突入していくのでしょうか。アメリカは慈善団体の組織運営、厚生施設がそれなりに充実していますが、今の日本で格差社会が広がると、もともとプライドは高いのに政治的民度は低い国民性、犯罪が横行し自殺者は増え、社会は破綻する可能性大いにあり、ですね。
ウエイトレスをしている女性が車の中で、ちょっとやけっぱちになって聞いていたカーラジオからの曲
女は愛していると嘘をつく
もっとましな男をみつけられないから
女は色つきの夢を見る
もっとましな男をみつけられないから
(見返り猫)
快晴
アメリカはその前に差別社会、最初からスタートラインにつけない人もたくさんいるようです。
ロサンゼルスに毎年一度だけ、10日間ずつ6年間通いましたが、差別と格差は嫌でも目に付きます。
貧困層の太った人たち、脂っこいハンバーガーとホットドッグ(両方巨大)、ポテトチップとコカコーラ(これも両方巨大)が常食です。
それを繰り返すうちに、肥満の遺伝子が出来、子供に伝わり、コロコロではなく、皆ブクブクです。
ディズニーワールドのマクドナルド、キャッシャーはすべて白人女性、カウンターの中で注文と商品を受け渡すのは、メキシカン、プエルトリカン、その後ろ、壁の中でバーガーを焼いているのは黒人。
アメリカの理想と現実は、その差がどんどん広がっている気がします。
少子高齢化、資源を持たないわが国は、違う形で格差、質の違いが拡大している気がします。
官僚機構、ゴルバチョフ政権下のソビエト共産党のそれと、そっくりに思えます。
阿部さん、官僚機構を崩せるでしょうか。
ここら辺は近所を散歩すると、見知らぬ人でも笑顔で挨拶し、子供達でさえ挨拶してきます。日本もまだまだ捨てたもんじゃないと思いつつ、TVから溢れる理不尽な事件に気分はへこみます。