昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

GTV6納車整備 続き

2017-05-26 21:57:01 | 11646

 
写真1は、直進時のブレーキホースの状態。

  
右に切り込んだ状態から、左に切り替えた場合の、ホースの動き。

上記の写真は、この車に使われていた、ステンメッシュで補強されたレースパーツ。

使い捨てのレースパーツなら、使用時間を決めての強化品でもあるが、使用時間の期限の管理のできない、一般公道での使用は、まったくもっての危険部品となる。
2段目の写真のように、アルファロメオの、この時代のものは、アッパーアームにホースの中間部分をマウントされている。アルフェッタ1.8、2.0の時代は、同じ長さのブレーキホースながら、アッパーアームへのマウントがなく、フリーに、ブレーキホースが動けるようになっていた。

この、レース用のステンメッシュで強化されたホースの特徴でもあり欠点でもあるのが、補強のためのステンメッシュで、ステンメッシュホースは、曲げる方向には、かなり自由に曲がるが、ホースの軸方向への曲げというか、いわゆるねじりに対しては、極めて剛性の高いという特徴がある。
その構造をわかって使うと、例えば、リヤサスペンションのように、足回りが上下するだけなら、まったく問題なく、強化パーツの良いところだけを使っているのだが、フロントサスになると、まったく話が違ってくる。

フロントサスは、ハンドルを切るから、当然、ブレーキホースをねじる方向に使用することになる。
ねじりに対する剛性は限りなく強いから、ハンドルを切るたびに、取付け部には、ねじりの交番荷重がかかる。そのねじり剛性、ねじられないように反発する力は、ゴムのブレーキホースの比較にならないほど強くて、時には、両端の固定ステーの部分を破損することもあるし、ステンホースの両端のカシメ部分をぶちきることもある。だから、こういうホースをお使うときは、周りに当たらないようにしながらも、できるだけ長くして、急激な曲りをホースに与えないように、決してねじり応力を与えないように、曲りで逃げて、ねじりをホースに与えないような長さに設定しなければならない。ゴムホースと違い、曲げの自由度もはるかに緩いカーブでないといけないステンホースは、元のゴムホースと同じ長さで固定してはいけないのだ。

  
アッパーアームに固定されているところを、フリーにすると、ステンメッシュホースが、固定してはいけないことがよくわかるだろう。ゴムホースのように、短い長さでは自由にならないんだから。

頭のいい方ならわかると思うけれど、見た目のカッコよさだけで、選んではいけないパーツで、壊れることが前提の逃げの言葉の説明書き『これはレース部品です。公道で使用しないでください』と書きながらの、フリーで市販されている、危険パーツである。(もちろん使用時間と、使用状態の管理ができるのなら、ねじ切れる前に、見た目がきれいでも使い捨てできるのなら、使っても問題ないのだが、競技車両じゃあるまいし、一般ドライバーに管理ができるわけがない。)
これの管理ができるメカニックと、ドライバーなら、今回、私が乗って直ぐに解った、ブレーキマスターのカップの抜けとかがわかるはずだ。

この車は、昔からの友人が乗るので、私が気になったところは、すべてメンテしてから、納車することになる。(私の工場から車を売る場合は、必ず私が納得したメンテしてからでないと、納車するということはない。)
そんなわけで、ブレーキ関係は、マスターASSY交換と、フロントブレーキホース交換は、有無を言わさずということになった。

   
それにしても、アホの命みたいに力任せで締め付けたブレーキホースと、キャリパー側のブレーキパイプの汚らしい曲げは、この車のことを分かった仕事ではない。
緩めるのに、ブレーキホース側の6角の角が割れたほど強く締まっていた。割れたことにより、ブレーキホースのメッシュの部分はステンだが、両端の良く折れたりする部分は、銅合金のような色だった。普通は角が舐めることはあっても、割れることはない。強度が弱い製品である証拠だ。

 
右に比べて、左のホースのボディ側の取り付け部は、不自然なまで、斜めにゆがめてあった。

   
いつのころからか、ブレーキホースのアッパーアームへのマウント部のサイズが、短くなったらしくて、アッパーアーム側の金具の幅を、サンダーで落として狭めなければならなかった。
これはホースが外品、純正の区別無く、幅が狭くなっているので、きれいに加工するためにも、ナックルを外して加工した。

 
これで次回からの、ホース交換も問題なし。

今回のブレーキホースのクランプ部の切削加工で、サンダーでの作業を楽にするために、ナックル全体を外したのだが、ナックルを外すにも、馬鹿の命ほどボールジョイントのねじを締め付けているわ、割ピンは、本来のサイズより太いものを無理やり打ち込んでいるわ、ナックル外すのには少々苦労した。情けないメカニックの仕事ぶりだった。最近、限度を知らないメカニックが多いような気がする。感性の問題だろうか?

友人の、メカニックと話していたら、ブレーキのカップの抜けとか、ねじの締め具合とか、最近の若いメカニックは、そういう感覚の面で、わからない奴が多いと、同じように嘆いていた。彼の話では、足回りやブレーキの整備をした後で、若いメカニックに、ホイールを取り付けておくように指示したのだが、ホイールナットの取り付け向きを、逆に取り付けて、テーパー側を外にして、真っ直ぐ面の方で、ホイールを締め付けてあったのには、本当に驚いたとのこと。
その、若いメカニックとは、ずぶの素人のボンサンではなく、よその工場でから移籍したメカニックだったとのこと。
誰に教わったわけでもないのに、女の体の障り方や、チOOの入れ方は知っているくせに、車の免許もっていて、ホイールナットの取り付け方向もわからないメカニックがこの世にいるのかと、二人で大笑いした。

 



 


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