昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

アルフェッタ スポーツセダン ②

2016-07-25 19:53:05 | 116系

昨夜持ち帰った、116アルフェッタは、今日朝から、バッテリー充電。
各部簡単に点検。

さすがに、車載にバッテリーは、まったく復活の兆しもなし。

 
手持ちのバッテリーも、ほとんど充電不能だったけど、唯一、製作中の半レース仕様の75ツインスパークに、まだ使えるバッテリーがあるのを思い出し、端子が反対向きではあるが、とりあえずコイツを積んで、まずはバッテリーはOK。


車載状態で、充電しながら、電気回りのチェックをしていると、ダッシュのセンターあたりから、なんか白い煙が。スグにIGキーを切って点検したが、IGキー周りなどは特に異常が無いようだが、しばらくすると、又、白いもやが。あくびちゃんか、はっくしょん大魔王が、現れたかと。
原因を調べるために、センターコンソールの秘部の部分を、裏側から手を入れてまさぐると、卑猥な茂みの奥が生暖かい。
そう、ステレオの後ろ側の、ヒートシンクがやけに暑いのだ。
17年も、ほったらかしだと、ステレオの中のコンデンサーがおかしくなっていても不思議ではない。スグに、ステレオの本線と、ACC線を抜いて、様子を見ると、あの怪しげな、煙は消えうせた。

ガソリンキャップを開けると、例の腐ったガソリンのにおいが。でもそれほど酷い匂いではない。
キャブ側も点検すると、同様の匂いだが、17年経っているとは思えないくらいの軽い匂いなので、とりあえず、ガソリンを漏斗で2杯、約8リッターほど、入れてみた。

この車はもともと、スピカINJ仕様だったものを、キャブ使用に変更したもので、燃圧を0.3間で落として、燃料はリターンさせていた。したがって、燃料ポンプさえ動けば、リターン回路を使って、タンクの清掃も一石二丁でできる。

ガソリンを入れて、しばらくなじませてから、何度か、イグニッションキーのON-OFFを繰り返すと、へばりついていた燃料ポンプが動き出した。ちょっとすると、スグに本来の軸流ポンプの音になったので、これならしばらく大丈夫。
キャブの燃料ホースを緩めて、燃圧を点検し、フロート室に燃料を満たして又しばらく馴染ませる。
ウェーバーキャブなら、加速ポンプが、プランジャー式なので、何度かアクセルをパタパタしたら、加速ジェットから、燃料を飛ばせるのだが、この車は、デロルトキャブなので、ダイヤフラムの膜が、ガソリンで潤ってないと、上手く機能しないのだ。

とりあえずは、プラグを外し、呼水もとい、呼びガソリンを燃焼室に直接入れて、プラグをつけて、セルモーターをスタート。
明らかに添加していない回り方なので、スグにデスビのポイント点検。やはり、17年も経つと、ポイントの接点は荒れていた。そのままダイヤモンドやすりで、導通するように、こすって、ドライバーでパチパチ点検。

今度はセル一発で、火が入った。
はじめのうちは、いかにも加速ポンプが機能していないような、回り方だったが、しばらくすると、アクセルに反応するようネイなって来た。

このエンジンは、この車を、今のオーナーに渡すときに、友人のアルフェッタセダンと、同等のエンジンにすべく、フルオーバーホールして納めている。
自分の組んだエンジンなので、私には自身がある。


しばらくすると、エンジンが私のことを思い出してくれたように、会話が通じるようになってきた。
少しエンジンがぬくもると、何を弄ることも無く、アイドリングは安定した来たが、できれば、フューエルラインの、古い腐った燃料を、全て使い切って、新しい燃料に入れ替えたかったので、ミクスチャーをちょっと濃い目にして、後はガソリンがなくなってエンストするまで、まわし続けるだけど。

よそで触った車と違い、私一人がずっとメンテしてきたクルマ。それも、私がエンジンO/Hした車は、私と車の信頼関係があり、お互いの言葉が通じるから、へたに、ガソリンタンクを掃除したり、キャブを外して掃除したりする必要も無い。
いままで、私のところでは、何年も運用を中止していた車でも、大掛かりなメンテナンスや、タンク交換、キャブ交換など一度もしたことが無い。
それは、オーナーに恵まれていることも有る。

今回の車も、2年以上前から、車を手放す相談を受けていたものだ。
オーナーにも、たの業者には手放す気が無いといわれていたので、当時の私の工場の状態を話し、今日まで待っていただいていたものだ。

いままでも、先のオーナーが大切にして、調子の良かった車が、他の業者の手に渡ったトタンに、調子が悪いとか言われて、キャブをばらされたり、燃料タンクを交換されたものがあるが、私の工場から、直接、新たなオーナーに、オーナーチェンジしたクルマで、そのような納車後の不調な一切無い。
クルマって不思議だが、話が通じるもの同士は、すごく快調にうごくのに、次の何語を話しているか判らない、ショップや、オーナーのところに行くと、とたんに不調になるものだ。

 
116系の泣き所だった、補強の鉄板の重ね合わせたところからの錆びも、この年式からフェンダーがボルトオンになったこともあり、錆びのさの字も無い。
75の場合は、ここの補強がついてないので、錆びない代わりに、ボディがやわい。
そのほかにも、トーションバーのボディ側のサブメンバーが、75では省略されているので、足回りクラッシュすると、75はボディを捨てることになる。

丁寧に作られた時代の、最後の116系の姿だが、マニアや、雑誌社の記者というクルマ素人には、その本当の良いところは知られていない。もちろん人気車種しか目に入らない、売り専門のショップには、こういう本等に良い時代のものを見抜く目は無い。

新しいうちの、75や、164は良かったけれど、セミクラッシックに入る時代になると、75以降のクルマは、使い捨て用のつくりになっているので、手を入れて、再生することが、難しくなってくる。そもそも再生整備するよなつくりではなくなっているのだ。

古い時代の、再生できる時代の最後のクルマになるのではないだろうか?

 


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2 コメント

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維持できないんですよねぇ (親分)
2016-07-28 07:47:03
最近の車の部品供給停止って、
本当に7年で切れるモノが出て来るんですよね、、
電子部品はコンデンサのパンクでも、電子レンジでチンする半田付けになってから、基板の素子交換も出来なくなっちゃって。
工作機械の旧世代は何とかなったんですが、現行型は部品交換するしか、修理も手直しも出来やしない、、
マザックの加工機械は5年で終わっちゃうけど、マキノのマシニングセンターも10年で終わるしなぁ、、
精度が不要な加工になら使えるんですけれどねぇ、、
車も気持ちよく走る為には、定期的な重整備が必要だけれど、各種パーツがクリップ留めのボディは取り外しの反力を一回受けただけで、一気に剛性が無くなる気が、、
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クルマだけでなく (Chiron@管理人)
2016-07-29 18:51:29
親分さま>   クルマだけでなく、工作機械も、耐久消費財すべてが、電気製品を先頭に、順次部品交換、修理の出来ないものになってしまいました。

これって、超大手の経営者のエゴで、暴力で、人民を苦しめていると感じるのは、ひがみでしょうか?

その昔の映画で、タッカーという車のメーカーの話がありましたが、その中で大メーカーは人殺しだと。
今の大Tなどを見ていると、そう思いますね。キーOFFの出来ない車をつくり、アメリカで事故を起こしたのなど、メーカーの人間は、金儲けのための悪魔だとしか思えません。だから中華などに下請け出すのでしょうけど。修理の出来ない製品など、玩具としかおもえません。
技術者を、使い捨てにする悪魔の経営者の社会だから仕方が無いかと。
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