葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

これが、愛する男と女なら

2005年11月21日 20時30分14秒 | 日記 ・ 雑記録
私には特技がある。人の名前と顔を覚えるのが大の苦手、という特技が。
普通、これを特技とはいわないけど。
そんな私が人生のほとんどを、顔と名前を覚えることが必須のサービス業で過ごしたのだから、なにをかいわんや。

昨日、新しく始めた 「ぶらり、しものせき」 の写真を撮るために
本州最西端 ・ 毘沙ノ鼻まで出かけた。
岬に着いたとき、岬には誰もいなかった。
写真を撮って、万葉歌碑をメモしたりして、
いよいよ帰ろうかというときに、遊歩道を登ってくる一組がいた。
記念写真を撮ろうとしているから、「シャッターを押しましょうか」 と申し出た。
シャッターを押してからカメラを手渡し、私は岬を下った。

今日、電話があった。
「昨日、毘沙ノ鼻にいらっしゃいましたか?」 「ハイ、居りました」
「実は、シャッターを押していただいたのは私達です」 「えっ、(唖然)」
私は近眼で、人の顔を覚えるのが苦手だ。
先方は人の顔を覚えるのが得意らしいが、以前、その方とお会いした時、私は髭を伸ばしていたから、すぐに私と分からなかったらしい。
それでも、キッと私だ、と思って声をかけようとしたとき
すでに私は岬を下ってしまっていた、という。
その人は、先般、葡萄舎のワイン会に参加した人だった!

下関の人口は30万に近いのに、訪れる人も少ない毘沙ノ鼻ですれ違うなんて!
毘沙ノ鼻。 そんじょそこらの岬ではない、と思い始めた。
これが、愛する男と女なら、ドラマになるだろうか。