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「客観報道」へ自戒

2005-05-08 15:06:30 | 気になること
Sankei Web 産経朝刊 【社会部発】「罵倒だけ…恥ずかしい」 「客観報道」へ自戒(05/07 05:00)

JR福知山線の脱線事故の報道に関連して
報道のあり方を振り返る上記の記事が
Sankei Webに掲載されており
Blogで沢山の人が取り上げています。

今回の脱線事故については
事故発生へ至った詳細な原因や
問題点の究明、再発防止への今後の課題など
いくらでも報道で明らかにすべきところはあると思います。

確かにJRの体質にも大いに問題があったところは
誰の目にも明らかだったと思いますが
事故と直接関わりのないところのバッシングを続けても
何の解決も得られません。

というより、遺族の方々に対して
余計な怒りの感情を植えつけるだけとしか思えません。

話は変わりますが
先日5月3日「世界報道の自由の日」には
ダライラマ14世のインタビューが行われたそうです。

今回の事故報道の問題に関連して
その内容を一部をここに抜粋させて頂きたいと思います。

メディアが読者や視聴者らを「脅かし」、そうした報道によって、世界の一部では状況が改善されなかったということがあったのでしょうか。
■ ダライ・ラマ
確かに、そうしたことがあったことは事実です。私たちは、世界中で不幸な出来事が起こっていることを知る権利があります。ネガティブな出来事すべてについて人々に話すことは正しいと思います。しかし、そのためには、メディアは、象のような「長い鼻」を持って事実をよく「嗅ぐ」ことが必要でしょう。事実に正面から向き合うのはもちろん、同じように側面、後面をチェックしなければなりません。メディアはあらゆる面を吟味し、誠意ある真実の報道を提供すべきです。政治的意図に影響されてはなりません。事実を観察し批判できる報道姿勢のあり方は、大変必要なものだからです。中立の立場で記事を書き、前向きな見解を伝えることは非常に重要なことなのです。世界には、基本的な人間性、優しさ、他者に対する思いやりがあるのです。問題や危機が発生したら、メディアは人々に(解決のための)選択、方法、可能性を提示しなければなりません。状況を変えることができる、改善していくことができる、という自信を人々に与える報道をしなければなりません。
5月3日「世界報道の自由の日」ダライ・ラマ特別インタビュー メディアは人々に自信を与える報道を

今回の事件に限ったことではなく
ここ数年、同じような報道が幾度も繰り返されています。
本当に報道すべきものは何なのか
客観的な視点での冷静な報道が求められます。

また受け手の私たちも
“感情的な報道はもう要らない”
という意思をBlogなどを通じて
積極的に示すべきだと思います。

<関連・参考>
下村健一:公式Webサイト:"怒り"のオーバーラン、していませんか?

裏編集後記:最近、またマスコミ報道が「暴走」していないか?

被災地でマスコミが傍若無人な理由とは?

事件・事故報道で今一度考えたいメディアの責任と体質(上) - nikkeibp.jp - from ガ島通信 メディア崩壊の現場を歩く