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Tsukuba Scientific, Bridge Seminar

ブリッジゼミナール公式ブログ。コメント・討論歓迎(システム自由。ゼミナール共通システムはハーディ式2/1)

分かっているようで知らないことだらけのジャコビー2NT(三) ‥スイス3NTは有効か

2019年07月08日 | Weblog

 BBO討論フォーラムからの訳文中、3D4Dと誤記して居ました。

関連画像

パタヤ・ブリッジクラブに警察官が来て外国人32人逮捕 (末尾参照)

  

念のため、日本では主流になっている印象も受けるスイス3NT、つまり12(13)~15での3NTに依るメジャー・レイズも検証することにします。(日本ではジャコビー2NTを16以上にして、それとセットにしていることが普通と見られる。)

これの規範的な扱い方は知りませんが、以前そのやり方しか受け付けない人に尋ねたら、オープナーはショートネスを4台スーツで、サインオフは4H(オープンの場合)リビッドするという、そこまでは有りそうな答えでした。

(しかしKaplan-Sheinwoldシステム[1950、1960年代に栄えた。]では、3NTは強いジャンプレイズでフォーシングだから、本質は同じで、恐らくこのスイス3NTを初めて導入したものですが、本[有った筈]を調べて見ないと、その後の約束については分かりません。)

BD26の場合、3NTに対してはオープナーは4Hをビッドするでしょう。ここでWがスラムに誘うとすれば、やはり5Cをボイドウッドにして置くのが最適です。

ビッディングスペースの有効利用の点では、この3NTと比較してハーディレイズの優秀性は明らかですが、中級者向けとは言えません。なおハーディは1H-3NTに言及して居ないので、ビッドすれば、余分な情報をディフェンダーに与えずそれをプレイするつもりでしょう。同じ強さとハンドは、1H-1NT; 2 any -3NTでも伝えられますが、相手側に情報を取られます。

         _____________

BBO討論フォーラムの議論は難解というより晦渋なものですが、今年に入ってからの新しいものであり、我慢して読んでみたら、最後に次のような興味深いコメントが有りました(2019/4/5付)

大多数の強いプレイヤーは1M-3Mを強いフォーシングレイズに使うことをずっと前に止めてしまった。スイス[五S注 3NTを指すと見られる。]もそうだ。問題は、ビッドが高すぎて、4Mの前に、スラムの判断のための情報交換するスペースに欠ける。理想的には、少なくとも一方のプレイヤーが、シェイプと強さを伝えることが望ましい。

2NTレイズに対する改良された応答構造ではそれが可能になる。又オープナーとレスポンダーが共にミニマムなとき、手の内を隠すことが出来る。(代表的なやり方としては、オープナーはミニマムのときに3Cをビッドし、レスポンダーもミニマムならば4Mをビッドするが、更に追求したければ4D 3Dをビッドする。)

3Mをフォーシングレイズにするのはスイスほど悪くはないが(中略)

パタヤサイトは、スイスを支持している(2NTはより強い手に使う。)が(後略)

朱字青字はブログ筆者に依るものですが、懐かしいパタヤサイトが引用されていることのほか、朱字部分はNISHIDA様の注文に合うと見られること、NISHIDA様もハーディも採用していないスイス3NTについても強く批判していることなど、注目されます。

この討論の中では、他にバーゲンレイズを使うと、3NTを他の目的に使えるということも指摘されて居ました。

こうした現代の議論を見ると、改めてハーディレイズ(2002)の価値と先見性が分かりますが、20年近く経っているので、更に洗練された方法とか、性能が少し下がっても覚えやすい方法とかが、出来てもよさそうには思います。

         _____________

なおパタヤクラブは、創設者のブリッジ理論家のクェステッドが数年前に亡くなりましたが、その後、後継グループが盛り返していた所、2016年にギャンブル(誤解か?)で警察の手入れが入り、イギリス人や北欧人ら32人が逮捕されるという(珍?)事件が起こったようです[口絵写真]。ただブリッジ連盟の会長が介入して起訴は免れたような。➡記事

 もう少し詳しいことが分かったら、『ブリッジのエスプリ』で取り上げます。


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コンベンショナルレイズ (H.NISHIDA)
2019-07-12 11:56:21
MOpenに対するレイズに関して私の願望に
触れて戴いたのは光栄ですが、一部誤解が
有る様ですから整理して再発表させて戴きます
私の認識では
1.1Mー2M 8~9HCP、3枚サポート NF
2.1M-2* GF
3.1Mー1N 1RF
4.1Mー2N 4枚サポートシングルトンASK
5.1Mー3N 4枚サポート,BAL、13~15
ここで私は
 4にオープナーがミニマムを示すの余計な
 事でシングルトンについてまず答えて待つ
 その代わり2NTはGF、4コントロール~
 程度の保証をする。
 5は1NTーOpenに対する4NT程酷くは
 有りませんがあまり有用なコンベンション
 とは考えておらず、空きスペースの利用
 4枚サポートが或るもののBALの冴えない
 HANDを表し、2のGF経由でスラムトライ
 に適さないものの集団で有ろうと思います
 私の考えでは4コントロールだがトランプに
 2TOPアナー等が良いと思っています。
 オープナーがトランプに引け目が有るが
 サイドには豊富なコントロールを持っている
 ケースに絶大な効果を生むでしょう。
MPゲームにおいて現在の2オーバー1GFの
欠点は1NTレスポンスに集中して
 1M-1NT
 2Cー3M
  ?     ここでゲームINVの方法が無い
         事です、これを解決するには
上記の3Mの所で3枚でも2Sを含める
工夫が必要でしょう。直接のシングルレイズ、
 バーゲンレイズも考えると複雑に成りそうですが発生頻度の高い部分なので無視できないと思います。
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議論できそうなところから (五S)
2019-07-13 00:07:04
興味深い全体像を提示してくださって有りがとうございます。

とりあえず、議論できそうなところから記します。(勘違いか無知はご指摘くださいますように)

1.1Mー2M は3~4枚SUPPで6-9(10)HCPというのが普通だと思いますが。

1M-1NT
 2Cー3M
  ?
(中略)上記の3Mの所で3枚でも2Sを含める工夫

これは切札♥で、FNTの後の2Sをサインオフでなくて、ゲームトライにしたいという意味ですね。

[そもそも私が採用しているハーディでは、FNTの後ゲームトライが存在せず、誘いの強さは2NTをビッドするか、良い6枚スーツでジャンプする(スペースが有れば)ことになって居て、思想が全く違うので、正確にシーケンス毎に検討しないと大誤解しそうです。]

2Sに限って言えば、1Hオープンに対して3枚SUPP有り、同時に♠スーツが有る場合、1Sを優先する約束であれば、FNTの後の2Sは一種の「インポシブル♠」でゲームトライに使えるのではありませんか?

バーゲンレイズを使う場合でも、1Hオープンと♠スーツの優先関係の決め方次第では、同じことになると思いますが。

1Sオープンの後は、この問題は有りませんが、本筋のゲームトライの問題は同じですね。
返信する
(続き) FNTの後 (五S)
2019-07-13 08:23:25
議論がすれ違っているか、当然の常識か、どちらか分かりませんが、それはご指摘いただくことにして、他の読者にも正確に内容が伝わるように、念のため記します。

ハーディは1H-1NT;2m-3Hは「バッド・リミットレイズ」で、♥3枚ちょうどのSUPP、9+~12-HCPです。

(「+」=絵札配置が良い。「-」=絵札配置悪い。)

しかしリースのスーパープレシジョンではこのシーケンスは「バランスド・レイズ」と呼ばれていて、♥3枚丁度のSUPPは同じだが、ダブルトンが有るリミットレイズだった。彼の時代の表現では「約9pt~
11pt」

90年代の2/1の揺籃期には、FNT経由のMレイズは、随分色々有ったように思います。

ただ上のバッド・リミットレイズは、(誰の発明かは知らないが)バーゲンレイズでも採用されている。
         _____________

FNTについて、昔調べたサイトを復習しようと思いましたが、考えてみたらウィキペディアに当たったことは無いので(当時は信用できなかった)、今一読して見たら、私が上に書いた「インポシブル♠」は「アニュージャル♠」と呼ばれており、意味はオープナーの2ndスーツに対する強いレイズ、即ち5枚SUPPと誘いの強さでした。

NISHIDA様は全て先刻ご承知かもしれませんが、他の読者も居られますから、なるべく分かり易く議論したいと思いますので、よろしくお願いします。

(現在本ブログの週末の1日の延アクセス数は500前後、実質訪問者数は200~300です。平日は延べアクセス数が200~300、実質訪問者数は150前後になります。)
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入口から違って居たかもしれません (五S)
2019-07-13 09:23:02
NISHIDA様の

1.1Mー2M 8~9HCP、3枚サポート NF

は、Constructive raiseかもしれませんね。

その場合は、経験が無い世界なので見当が付きませんが、FNTの使い方は、大雑把には同じでも、正確に見ると様変わりする筈だと思います。

念のためですがハーディの場合のシングルレイズ(1H-2H)は、♥3枚か4枚SUPPで5+~9-HCPです。(「±」の意味は上述)

又ハーディが紫本で記述したバーゲンレイズでは、シングルレイズは♥3枚ちょうどSUPPのときに限り、3Cで表現されるコンストラクティブ(建設的)レイズは、♥4枚SUPPと7+~10-HCP(平たく言えば8~9HCP)となっています。

完成度の高いシステムは、一か所変えれば全部変わるので、折角の機会ですから、詳しく教えてくださいますように。
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コンストラクティブ(建設的)レイズの強さ (五S)
2019-07-13 10:17:00
今、カレン・ウォーカーのサイトを見たら、彼女は、1H-2Hのコンストラクティブレイズとは「8-10 support points」と書いて居ました。

(すると1980年代のリースが、FNTの後のジャンプレイズで表現して居たものは、その特別なケースになる。)

これはハーディ版でのバーゲンの3Cと一致すると見て良いでしょう。

いずれにせよコンストラクティブレイズを採用しているときは、FNT経由のレイズはミニマム(3枚SUPP保証)であってプリファー(2枚しかない)では無いとか、それが他の部分に波及するかどうかは分からないけれども、議論するための共通の前提作りに更に時間を掛ける必要が出て来たと思います。
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ゲームトライの意図ではない場合 (五S)
2019-07-13 11:34:32
1H - 1NT
2C - 2S

に立ちかえります。

私の最初のコメントで、2Sは、レスポンダーからのゲームトライに使いたいのだと想定しましたが、もしかしたら、♥フィットも♣(オープナーの2ndスーツ)フィットもレスポンダーの6枚スーツも無いときの問題だったでしょうか?

というのは、後のどれかか、BALについては、普通のシステムでは「誘い」の手段が用意されているから。強いて言えば2NTリビッドに危険性が有るときにビッドが無くなる程度。

もう一つは、他の有名サイト等(上のカレンの他、パブリチェク、ラリー・コーエン)を急いで巡った範囲では、FNTの後でレスポンダーからのゲームトライという発想が全く見当たらないから、NISHIDA様もそれを考えられているわけではないかもしれないと思った次第です。
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昨日のアクセス数 (五S)
2019-07-13 11:45:52
金曜日でしたが、連休前のせいか、PV664、UU(ネットカフェから以外の別々の訪問者数)304でした。
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