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Tsukuba Scientific, Bridge Seminar

ブリッジゼミナール公式ブログ。コメント・討論歓迎(システム自由。ゼミナール共通システムはハーディ式2/1)

m(マイナー スーツ)STAYか4スーツTRFか (6)  xx(45)の場合を詳しく見る

2011年07月21日 | Weblog

ここまでで、mSTAYを使うと、レスポンダーがm4-5とm4-4の場合のmスラムに行くことができて、それが100%6NTよりベター・コントラクトになる訳でもないけれども、単にQUANT(量的接近)一点張りの1NT―6NTや、1NT―4NT―5台何か(ハーディ参照)―6NTのシーケンスしかない場合に比べて、精度が上がることが当然のことながら確認できました。

もともとQUANT(量的接近)でスラムに行くような手は私の実感では1000ボードに1度来る程度です(オポーネントと合わせればその倍の500ボードに一度)。そのまた更に一部の手のためにmスラム狙いに特化したmSTAYを詳細に約束することが、中級者までのシステムとしてどの程度合理的なのかは、よく分かりません。

しかしハーディの『スタンダード』篇(緑本=訳本が有る方)に、mSTAYをスラム狙いに特化するというマスター様の卓抜なアイディアを応用して見ることは、試みて見るとなかなか楽しいものが有り、他のビッドと一定のバランスが取れるならば、採用してみたいものです。

マスター様の例3について詳しく見て見ましょう。

N(ディーラー)の手: 

 

♠AQxx ♡AJxx ♢Axx ♣xx

 

Sの手:

 

♠Kx ♡Kx ♢KQJxx ♣AQxx

マスター様のmSTAYビッド(4NTの後は2通り有る。ここでは一方を示す。):

1NT 2S

2NT 3D

3H 4NT

5D 5NT

6C 6D

マイナーウッドは習熟して居るという前提で、一番簡単な約束で済むと見られるビッドは:

1NT 2S

2NT 3D

4D(a) 5C(b)

5H(c) 5S(d)

6D(e) P(f)

(a)3枚を示しRKC(マイナーウッド) マイナーウッドは低いレベルで答えられるから、(通常のRKC=4NTとは異なり)このように2トップ・ルーザーが有る手で使っても構わない!

(b)2KC+Q

(c)Kアスク(4Ace[4KCではない!]は保証。Qが無い返事の後ならばQアスクになる。その場合Kアスクは5NT)

(d)♠Kが最も安く言えるサイドK。

(e)Nからはグランドスラムが有るかどうかの判断は出来ない。これはオープナーの側からRKC(マイナーウッド)に入ってしまうから。

(f)Kアスクは古典的な約束に基づき4Aces保証。したがってオープナーが当てにしていない13番目のトリックが有れば7メイクする。上のシーケンスでは、レスポンダーの♡Kが無くても同じビッドになるが、それだけの理由では7をビッドすべきでない。なぜならオープナーは平均的には1フィネスのスラムをビッドしているので、♡Kの寄与は1トリックでなく0.5トリックに過ぎない上に、少なくともIMPスコアリングの場合には、50%の出来目のグランドスラムをビッドしてはならないから。

と、一見複雑に見えますが、マイナーウッドがきちんとできる人にとっては、mSTAYについての約束は最少にできます。

翻って、(a)でオープナーからRKCに入ることは、本来1NTオープンに対してレスポンダーがイニシャティブを持つべきことに反するので、簡単に改善できないか考えましょう。

ここではマスター様のシステムのようにオープナーの3台スーツがCTRLビッドになっている(それは本ブログ上のサマリーでは必ずしも明示されていませんが、例題によればレスポンダーと同様になっています。)ほうが有利です。1NTオープナーにはショートネスが有りえないので、

●レスポンダーがm5-4(以上)を示したとき、オープナーの3台スーツは3枚サポートとCTRL。

と決めることは、殆ど当然です。(レスポンダーの方はショートネスを示したほうが良いという私の主張の多分唯一の問題は、オープナーの場合と非対称になることです。)

すると、mSTAYは次のようにレスポンダーからのマイナーウッドに繋がります。

 1NT 2S

2NT 3D

3H(g) 4D(h)

4H(i) 6D(j)

P(k)

(g)3枚サポートと♡Aまたは♡K

 

(h)マイナーウッド(より高度には3Sをマイナーウッドにしても良い。mに凝ると段々そうしたくなるものでしょう。)

(i)3KC

(j)グランドスラムは無い。

(k)決定権はレスポンダーに有り。単に従うのみ。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (五S)
2011-07-23 07:53:04
やはりお互いに見るところは同じですね。どんどん面白くなるということは、システムとして一つの正解の方向なのか、麻薬なのか?

ついでにこの機会にハーディのマイナーウッドも読み直してみようかと思います。今までのところは、つくばSciでは、mシングルレイズ(INV+)-4台ジャンプリビッド(つまり1-2-4)に限定して居たので、出番が稀だから、深入りしてなかったのですが。
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Unknown (マスター)
2011-07-22 00:58:58
SI様の場合、NからmWすると、Sの点が分からない=CKやHKがチェックするのが困難ではないでしょうか。CKのチェックをしてみますと、
1NT 2S
2NT 3D
4D(mW) 5C(2+DQ)
5H(K?) 5S(SK有り)
6C(CK?) 6D(今回はCK無し)
ですがCKあるがHK無くても7D(CKあり)でしょうか。
もちろんSがSKもHKもCKも持っていればNの5Hには7Dですが。オープナーの6Cにレスポンダーが、
6D(CK無しHK言わず)6D今回
6H(CK無しHK有り) 困って6NT
6C(CK有りH不明) 6D?7D?
と なりそうな気がします。

しかしSから聞いてみますと、うまく行きそうです。
1NT 2S
2NT 3D
3H(Dfit.cuebid) 4D(mW)
4H(3key) 4S(Qは持っているので空き家)
4NT(SO)
5C( )
5D(SO)
5H( )
5NT(K?)今回
6D(今回) P
6C(#4) 7D
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