Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

9/20(日)「豊麗」バルバラ・フリットリ ソプラノ・リサイタル

2009年09月20日 23時18分37秒 | クラシックコンサート
「バルバラ・フリットリ ソプラノ・リサイタル」都民劇場音楽サークル

9月20日(日)15:00~ 東京文化会館・大ホール S席 1階 11列 36番 10,000円(会員券)
ソプラノ:バルバラ・フリットリ
指揮:ジュリアン・レイノルズ
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
曲目:モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」より序曲
   モーツァルト:レチタティーヴォ「私は予感していた」とアリア「私の前から消え去っておくれ」K.272
   モーツァルト:レチタティーヴォ「哀れな者よ、おお夢よ目覚めよ」とアリア「まわりにそよぐ微風」K.431
   モーツァルト:歌劇「イドメネオ」へのバレエ音楽K.367より「パ・スール」
   モーツァルト:歌劇「イドメネオ」より「オレステとアイアスの苦しみを」
   ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より前奏曲
   ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より「勝ちて帰れ」
   ヴェルディ:歌劇「椿姫」より第1幕への前奏曲
   ヴェルディ:歌劇「オテロ」より「アヴェ・マリア」
   ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」より「世の虚しさを知る神よ」
   ヴェルディ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
   ヴェルディ:歌劇「道化師」より「矢のように大空に放たれて飛ぶ」
  《アンコール》プッチーニ:歌劇「トスカ」より「歌に生き、恋に生き」
         チレア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」より「私は創造の神の卑しい下僕」
   ※当初発表されていたプログラムとは、一部の曲目と曲順が演奏者の希望により変更になった。

 都民劇場・音楽サークルの2009年前期の会員になっているので、本コンサートの鑑賞となった。
 バルバラ・フリットリさんは現在のオペラ界を代表するソプラノさん。まあ、オペラを多少かじっている人なら知らない人はいないという大スターだ。2005年以来、世界の一流歌劇場とともにたびたび来日している。昨年(2008年)秋のウィーン国立歌劇場の来日公演での「コジ・ファン・トゥッテ」のフィオルディリージ役、今年(2009年)9月のミラノ・スカラ座の来日公演での「ドン・カルロ」のエリザベッタ役が記憶に新しい。いずれもBravo!! の嵐だった。日本でのリサイタルは今回が初めてである。さすがにこのクラスになると、ピアノ伴奏のリサイタルでなく、オーケストラ伴奏のコンサートとなった。

 バルバラ・フリットリさんは、リリコ・スピントと呼ばれるソプラノで、軽快で超絶技巧のコロラトゥーラとドラマティックの中間的なところ、要するに本格派である。得意としているモーツァルトとヴェルディを中心としたイタリアオペラに絞り込んで、あまりレパートリーを広げないのだそうだ。それだけに出演するオペラでの完成度が高いとか。
 今回は、リサイタルということで、集中したとてもすばらしい歌唱をたっぷりと披露してくれた。一言で表現すれば「豊麗」。豊かさと華麗さを併せ持ち、ドラマティックに会場を盛り上げ、聴衆の心つかみ方を知っている。ステージ上の立ち振る舞いも貫禄十分。大スターの風格だ。
 前半はモーツァルト・プログラム。実際にはあまり聴く機会の多くないコンサート用のレチタティーヴォとアリアを2曲。イタリア語の曲であり、フリットリさんにはぴったりの曲だろう。「イドメネオ」の「オレステとアイアスの苦しみを」はちょっとテンポが早めなような気がしたが、軽くもなく重くもない声質で十分に力強く、迫力満点だった。
 後半はヴェルディを中心としたプログラム。「アイーダ」と「ドン・カルロ」は、ミラノ・スカラ座の今回の来日公演のプログラムだ。もっとも彼女は「ドン・カルロ」のみに出演している。「世の虚しさを知る神よ」はオペラでも聴いたが、さすがにリサイタルの方が正確に歌えている。もちろんBravo!!である。「オテロ」の「アヴェ・マリア」は十八番というだけあってまったくもってすばらしい。「柳の歌」から続けてプログラムにしてくれなかったのが、いかにも残念だ。
 「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲をはさんで、いったんヒートアップした聴衆の心を冷ます。なかなか粋なプログラム構成だ。「道化師」の「矢のように大空に放たれて飛ぶ」で大いに盛り上がってプログラムは終了。当然Bravo!!の拍手が続き、アンコールとなる。「トスカ」の「歌に生き、恋に生き」と「アドリアーナ・ルクヴルール」の「私は創造の神の卑しい下僕」。厚く強い声質と豊かな声量で、圧倒的な存在感、そして迫力。大スターの実力をまざまざと見せつけ、魂をわしづかみにするような、アンコールだった。もちろん、今日のリサイタルはBravo!!

 フリットリさんは、2010年7月にトリノ王立歌劇場の引っ越し公演での来日がすでに決定している。今度はプッチーニ。「ラ・ボエーム」のミミだ。ロドルフォはマルセロ・アルヴァレス、ムゼッタに森麻季、指揮がジャナンドレア・ノセダとなれば、行かないわけにはいかない。S席39,000円とは

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