Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

1/7(日)N響オーチャド定期/森麻季を迎えてJ.シュトラウスなどのニューイヤー・プログラムとドヴォルザークの「新世界より」

2018年01月07日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
第97回 N響オーチャード定期

2018年1月7日(日)15:30〜 オーチャードホール S席 1階 6列 18番 7,000円(シリーズ券)
指 揮:サッシャ・ゲッツェル
ソプラノ:森 麻季 *
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:伊藤亮太郎
【曲目】
ヨハン・シュトラウスⅡ世:喜歌劇『こうもり』序曲
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ「春の声」 *
ヨハン・シュトラウスⅡ世:「トリッチ・トラッチ・ポルカ」作品214
グノー:歌劇『ミレイユ』より 「おお、身軽なつばめよ」 *
ヨハン・シュトラウスⅡ世:皇帝円舞曲
ドニゼッティ:歌劇『シャモニーのリンダ』より「恋の炎」 *
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ポルカ「雷鳴と電光」作品324
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界より」
《アンコール》
 ヨハン・シュトラウスⅡ世:ポルカ「狩り」作品373

 NHK交響楽団による「第97回 N響オーチャード定期」は、王道を行くニューイヤー・プログラム。すなわち前半がウィンナ・ワルツ&ポルカの名曲を集め、後半はドヴォルザークの交響曲「新世界より」という構成だ。

 前半、まず約束通りにオペレッタ『こうもり』の序曲で幕を開け、続いては新春に相応しいワルツ「春の声」。こちらは歌唱付きで、ソプラノの森 麻季さんが華やかに新春気分を盛り上げる。その後、ヨハン・シュトラウスの作品としては、「トリッチ・トラッチ・ポルカ」、「皇帝円舞曲」、「雷鳴と電光」と、誰でも知っている名曲のオンパレード。指揮のサッシャ・ゲッツェルさんは、ウィーン生まれでウィーン・フィルのヴァイオリン奏者から指揮者になった人。昨年2017年末の読売日本交響楽団の「第九」演奏会に急遽代役で登場し、オペラ指揮者らしいドラマティックな演奏を聴かせてくれたのが記憶に新しい。これらの名曲たちについては目をつぶっていても振れるだろう。ウィーン風のリズム感はさすがに本場ものの雰囲気たっぷりに感じたが、どちらかというとN響の方がお堅い演奏というか、リズム感が思かったような気がする。真面目に演奏しすぎ、といったところか。
 そしてその間に、ゲストの麻季さんによるオペラ・アリアを挟む。グノーのオペラ『ミレイユ』より 「おお、身軽なつばめよ」と、ドニゼッティのオペラ『シャモニーのリンダ』より「恋の炎」は、どちらもあまり有名な作品ではないかもしれないが、麻季さんにとっては得意のアリアでリサイタルでもしばしばプログラムに載せているから、麻季さんファンなはお馴染みの曲なのである。透明感のある爽やかな声と軽快なコロラトゥーラ技巧が冴え渡り、新春の華やいだ気分を盛り上げてくれた。ゲッツェルさんの指揮も、オペラ指揮者らしい自然な節回しで、麻季さんの歌唱を盛り上げていた。

 後半はドヴォルザークの交響曲「新世界より」。ニューイヤーコンサートの定番曲である。在京のオーケストラはこの曲を毎年何回かずつは演奏しているだろう。だからどこのオーケストラも上手い。だから逆に、N響にとっては普通のお仕事になってしまっていたかもしれない。もちろん、それでも日本でトップクラスの演奏能力が翳ることはなく、素晴らしい演奏をしていたが、私にはゲッツェルさんが大きな身振りでオーケストラを動かそうとしているのに対して、あまり緊張感の高い反応をしているようには感じられなかった。演奏自体は90点くらいでも、ゲッツェルさんから見れば80点くらいに思えたのではないだろうか。彼の指揮ぶりを見ていると、旋律をしなやかに歌わせようとする意図がはっきりしていて、その点でもオペラ指揮者っぽい節回しをしようとしているのが分かる。一方でN響は器楽的に非常に優れた演奏なのである。その微妙な感性のズレがあるように感じられた。

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