
第137回 スーパー・リクライニング・コンサート
中桐 望 ピアノ・リサイタル
2018年7月26日(木)19:30〜 Hakuju Hall 指定席 A列 11番 2,000円
ピアノ:中桐 望
【曲目】
ラヴェル:水の戯れ
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
サティ:ジュ・トゥ・ヴ ~あなたが欲しい~
サティ:「3つのジムノペティ」より 第1番 「ゆっくりと苦しみをもって」
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より第3番「月の光」
ドビュッシー:2つのアラベスク(第1番 ホ長調/第2番 ト長調)
グノー/リスト編:歌劇『ファウスト』のワルツ S,407 R.166
ピアノの中桐 望さんにお会いするのは、ちょうど2年ぶりとなる。前回は2016年8月7日に開催された、音楽ネットワーク「えん」の主催によるサロン・コンサートであった。今回は、HAKUJU HALLの主催する「スーパー・リクライニング・コンサート」シリーズの第137回に登場、例によって14時からと19時30分からの2回公演で、1回あたりは休憩なしの60分間という形式。HAKUJU HALL特有のリクライニングできる座席にヘッドレストを取り付け、1列おきに客を座らせる。背もたれを倒して、居眠りしながら聴くこともできる、ちょっと変わったコンサートシリーズだ。
1時間のコンサート故、テーマ性を持たせた方が聴く側も集中できる。私の中では、中桐さんのイメージはショパンという感じだったが、今回選ばれたプログラムは、近代フランスものだった。これまででは、ラヴェルをちょっと聴いたことがあるくらいなので、新鮮な感じもするが、曲目としては名曲揃いである。

聴き終えて感じたことを総括すると、2年ぶりの中桐さんはとても豊かさのある大人の演奏をするように変貌していた。プログラムが近代フランスものということもあるかもしれないが、まずは音がとても透明感があってキレイである。ピアノの持つメカニカルな要素が影をひそめ、柔らかい打鍵と流れるようにスムーズな運指によって、ひとつひとつの音の粒は丸く透明だ。それが時には入れ物からこぼれ落ちるように広がり、弾み、煌めく。重なれば不協和音を含む美しい和音となる。粒には様々な大きさがあるが、カタチは皆丸い。ひとつひとつの粒は透明なのに、重なり合うことで、重なり方が変わることで色彩が生まれる。それでも透明感は失われない。
今日はどの曲を見ても標題音楽であり、極めて「映像的」な作品ばかりだが、中桐さんの演奏は、そこにその「場」の「空気感」みたいなものをうまく描き出していて、聴いているとその「場」にいる「私」の存在を意識させることができる。つまり、「映像」を外から客観的に見ている(聴いている)のではなくて、その「映像」の世界の中に自分もいて、物を見て、音を聴いて、呼吸して、匂いも感じている。そんなイメージを伴っている感じがするのである。おそらくは、中桐さんの演奏するピアノが、聴いている私たちの心と共感するからであろう。強く訴えかけてくるピアノではなく、「場」を作り共感するピアノ。聴いていてとても心地よい。私はリクライニングはしないで背筋を伸ばして聴いていたが、軽く目を閉じれば、夢見心地の中に、様々な「映像」が見えてくる。それが夢なのか現実なのか、ちょっと曖昧。半分眠っていたのかも・・・・。
終演後にはサイン会があった。中桐さんのデビューCDは3年前にリリースされたもので、もちろん買ってはいるが自宅で何処に紛れてしまったのか見つからなかった(音源はiTunesおよびiPODでいつでも聴ける)。久し振りだったので、2年前の写真にサインをいただいた。
中桐さんはこの後も色々なコンサートの予定がある。できれば聴きに行きたいことろだ。そんな中、「中桐 望 後援会」というものが発足し、独自のコンサートも開催していくという。早速、「サロン・コンサート・シリーズ」が始まり、第1回は来週ま8月1日に、ヤマハ銀座コンサートサロンで開催されるとのことだ。そこでは今日とはまったく違ったコンセプトで、ピアノのデュオまたは連弾で全曲を構成するという。またたのしみが増えたようだ。

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【お勧めCDのご紹介】
もちろん中桐望さんのデビューCDをお勧めします。ショパンの「24の前奏曲 作品28」全曲と、ラフマニノフの「リラの花(12の歌)作品21」、「ショパンの主題による変奏曲 作品22」というちょっと珍しい曲が収録されています。
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中桐 望 ピアノ・リサイタル
2018年7月26日(木)19:30〜 Hakuju Hall 指定席 A列 11番 2,000円
ピアノ:中桐 望
【曲目】
ラヴェル:水の戯れ
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
サティ:ジュ・トゥ・ヴ ~あなたが欲しい~
サティ:「3つのジムノペティ」より 第1番 「ゆっくりと苦しみをもって」
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より第3番「月の光」
ドビュッシー:2つのアラベスク(第1番 ホ長調/第2番 ト長調)
グノー/リスト編:歌劇『ファウスト』のワルツ S,407 R.166
ピアノの中桐 望さんにお会いするのは、ちょうど2年ぶりとなる。前回は2016年8月7日に開催された、音楽ネットワーク「えん」の主催によるサロン・コンサートであった。今回は、HAKUJU HALLの主催する「スーパー・リクライニング・コンサート」シリーズの第137回に登場、例によって14時からと19時30分からの2回公演で、1回あたりは休憩なしの60分間という形式。HAKUJU HALL特有のリクライニングできる座席にヘッドレストを取り付け、1列おきに客を座らせる。背もたれを倒して、居眠りしながら聴くこともできる、ちょっと変わったコンサートシリーズだ。
1時間のコンサート故、テーマ性を持たせた方が聴く側も集中できる。私の中では、中桐さんのイメージはショパンという感じだったが、今回選ばれたプログラムは、近代フランスものだった。これまででは、ラヴェルをちょっと聴いたことがあるくらいなので、新鮮な感じもするが、曲目としては名曲揃いである。

聴き終えて感じたことを総括すると、2年ぶりの中桐さんはとても豊かさのある大人の演奏をするように変貌していた。プログラムが近代フランスものということもあるかもしれないが、まずは音がとても透明感があってキレイである。ピアノの持つメカニカルな要素が影をひそめ、柔らかい打鍵と流れるようにスムーズな運指によって、ひとつひとつの音の粒は丸く透明だ。それが時には入れ物からこぼれ落ちるように広がり、弾み、煌めく。重なれば不協和音を含む美しい和音となる。粒には様々な大きさがあるが、カタチは皆丸い。ひとつひとつの粒は透明なのに、重なり合うことで、重なり方が変わることで色彩が生まれる。それでも透明感は失われない。
今日はどの曲を見ても標題音楽であり、極めて「映像的」な作品ばかりだが、中桐さんの演奏は、そこにその「場」の「空気感」みたいなものをうまく描き出していて、聴いているとその「場」にいる「私」の存在を意識させることができる。つまり、「映像」を外から客観的に見ている(聴いている)のではなくて、その「映像」の世界の中に自分もいて、物を見て、音を聴いて、呼吸して、匂いも感じている。そんなイメージを伴っている感じがするのである。おそらくは、中桐さんの演奏するピアノが、聴いている私たちの心と共感するからであろう。強く訴えかけてくるピアノではなく、「場」を作り共感するピアノ。聴いていてとても心地よい。私はリクライニングはしないで背筋を伸ばして聴いていたが、軽く目を閉じれば、夢見心地の中に、様々な「映像」が見えてくる。それが夢なのか現実なのか、ちょっと曖昧。半分眠っていたのかも・・・・。
終演後にはサイン会があった。中桐さんのデビューCDは3年前にリリースされたもので、もちろん買ってはいるが自宅で何処に紛れてしまったのか見つからなかった(音源はiTunesおよびiPODでいつでも聴ける)。久し振りだったので、2年前の写真にサインをいただいた。
中桐さんはこの後も色々なコンサートの予定がある。できれば聴きに行きたいことろだ。そんな中、「中桐 望 後援会」というものが発足し、独自のコンサートも開催していくという。早速、「サロン・コンサート・シリーズ」が始まり、第1回は来週ま8月1日に、ヤマハ銀座コンサートサロンで開催されるとのことだ。そこでは今日とはまったく違ったコンセプトで、ピアノのデュオまたは連弾で全曲を構成するという。またたのしみが増えたようだ。


【お勧めCDのご紹介】
もちろん中桐望さんのデビューCDをお勧めします。ショパンの「24の前奏曲 作品28」全曲と、ラフマニノフの「リラの花(12の歌)作品21」、「ショパンの主題による変奏曲 作品22」というちょっと珍しい曲が収録されています。
![]() | ショパン:24の前奏曲、ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲、リラの花 |
ショパン | |
オクタヴィア・レコード |
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