Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

3/11(金)「東北関東大震災」に寄せて~音楽界にも多大なる影響が《4》~

2011年03月23日 00時52分49秒 | 音楽に関するエッセイ
公演中止チケットの払い戻しについてのあれこれ

 東北関東大震災から11日。被災地は少しずつ復興の兆しが見え始めているが、福島第一原発の事故はキリギリのセンで一進一退を繰り返している。余震もいまだに続いている。首都圏は昨日から雨模様。3連休は計画停電も実施されず、コンビニにもおにぎりが戻ってきた。今朝は首都圏のJR線はほぽ平常通りに運行され、平穏を取り戻し始めた。

 しかし、音楽界はほぼ壊滅状態だ。コンサートも開催中止が相次ぎ、私が今月予定していたオペラやコンサートは、すべて中止が発表された。3/18から始まるはずだった「東京・春・音楽祭」も、各コンサートが次々と中止になっている。未曾有の災害に見舞われた大勢の人々が苦しんでいる中、その他の地域でも計画停電で生活の手段を奪われている現在、オペラやコンサートが開催できないのは、やむを得ないことである。そのような中、首都圏でも様々な公共施設が被災者の受け入れを開始している。その中には、東京国際フォーラムも含まれている。当面の予定では4月中旬までということだが、先の見通しがあるわけでもなく、5月の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2011」も開催できるかどうか。音楽界も未曾有の危機を迎えている。

 今日3/22は、チケットの払い戻し状況に若干の進展があったので記しておくことにする。
 対応の発表が遅れていた日本舞台芸術振興会(NBS)から、フィレンツェ歌劇場の来日公演のチケット払い戻しに関してメールが届いた。それによると、中止公演に関しては、それぞれチケットを購入したところで払い戻すのに加えて、公演を行った3/13、3/14の2回についても、交通事情などで来場できなかった人にはNBSで払い戻しを受け付けるという。あの大地震の直後にオペラ公演を開催したことにも驚かされたが、この対応は良かったと思う。私は中止公演の方を2枚持っているだけなので関係はないのだが、この対応によって救われた人も多いだろう。何しろ、高額なオペラ公演なのだから。
 一方、チョン・ミョンフンさんの指揮によるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演ツアーとなる「東芝グランドコンサート」も、3/13にサントリーホールで公演を行っており、私はチケットを持っていたが家の復旧と電車事情などでとても行けるような状態ではなかった。今日、主催元のフジテレビ・コンサート事務局に問い合わせ、事情を話して交渉したところ、3/13の分も払い戻してくれることになった。言ってみるものである。この対応は、正直言ってとても嬉しかった。楽しみにしていたコンサートがたくさんあった3月の後半、すべてが中止になって非常に落胆していた中で、せめてもの救いとなった。

 私は、いつも自分にとって良い席を確保するために、重複を承知してチケットを取ってしまうことが多い。当然、余ったチケットは友人に譲ったり、オークションでどなたかに買い取っていただいたりする。別に儲けようと思っているわれではない。私がオークションに出すチケットは、必ず自分も行く公演のものか、同じ日に別の公演とダブってしまった場合だけである。今回のような自然災害による公演中止の場合、払い戻しは確実に行ってもらえるが、チケットを他人に譲った場合などが大変だ。私は今回、オークションで譲った方にはすべて連絡して買い戻した。というのも、インターネットで購入し、コンビニで発券した場合、券面に発券した店舗名が印刷されるのだが、その店にチケットを持って行かないと払い戻してもらえなかったりするからだ。自宅や勤務先の近くなら良いが、何かのついてで出かけた先や出張先で発券していたら大変である。それぞれの主催団体により方法は異なるようだが、方法論に再考の余地があるような気がする。
 また、各団体でほぼ共通なのは、プレイガイドの手数料は返還しないという方針だ。プレイガイドやコンビニなどは実務作業をしているのだから、手数料を取るのは当然だとは思う。しかし、先行販売手数料・システム使用料・発券手数料などで、1枚あたり500-600円くらいかかることもある(チケット代の1-2割に相当することもある)。私たち聴く側からみると、中止公演では、ただ手数料だけ取られたことになる。1枚だけなら良いが、10枚以上ともなるともう大変である。チケットを取る際の苦労(努力)や、払い戻しにもけっこう事務的な手続きが面倒なこともあったりするので、手数料の部分は主催者が負担してくれると嬉しいのだが。震災で苦労している人が大勢いる時に、何をノンキなことを言っているのだと叱られるかも知れないが、これは震災でなくても中止公演の時は同じことなので、システム上の問題を指摘しているだけのことだ。

 いずれにしても、震災からの復旧が最大の急務である。私もできるだけの協力はするつもりでいる。大好きな音楽は当分の間お預けとなってしまうが、愚痴を言っても始まらないと、今日にいたってやっと思えるようになった。コンサートは全部中止なのだから、気持ちを切り替えて、別の角度から音楽を見直してみることにしていこうと思う。

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2 コメント

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今更ながら (こみ)
2011-03-23 21:33:52
今更ながら、音楽を聴けるって、いかに幸せで恵まれてるかを痛感しました。
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関東脱出も視野に入れて… (ぶらあぼ)
2011-03-23 23:06:05
こみ様
いつもありがとうございます。
ミューザ川崎以外は使えるのに、電気が不足しているというのは…。しかも今年いっぱいは続くらしいとも言われています。
関東以外の場所に聴きにいかなければならないのでしょうかね。
返信する

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