野外で時々録音したいことがある。そのようなときにコンパクトですぐに取り出せて録音できる機材として、5年前に Olympus LS-10を購入した。それまで使ってきた MDの圧縮音に違和感を次第に覚えるようになってきたこともあるが。購入当初はノイズの少なさに感動していろいろと録音していたが、低音域があまり路記録できていない、つまり弱いように思われるようになった。当初は内蔵マイクが原因かと思ったが、ラインからCDや FM放送を録音したときにも共通して違和感を感じられたため、レコーダー本体の特性のようだ。24bit 96kHzもサポートしているものの、LPなどから音楽を録音しているとどうも音がそぎ落とされてしまうような印象を受けた。また、時々音飛びして録音されてしまうことがあった。この音飛びの原因はおそらく SD cardにあるとは思うが、PCソフトでカードの状態を確認してもエラーは見つからず。
それから購入後しばらくしてから気がついたが、大容量のSDカードを使うと初期化に時間が非常にかかってしまう。電源を入れて10秒程度で録音できるなら許容範囲だが、1分近く待たされるのには閉口した。改めて測り直してみると、45秒ほど。何か解決策はないのかと探してみると、初期化すれば元どおりになるという書き込みを見つけて実行。ところが全く改善されず。なぜかと思ってさらに探すと、初期化したはずが初期化されていないことに気がついた。
[MENU] → [メモリー設定] → [初期化] → [SDカード] → [開始] → [完全に消去されます](ここでしばらく待つ、すぐにOKボタンを押してはいけない) → [開始しますか] → [開始] → [OK]
これで電源を入れて10秒程度で録音可能となった。
5年前の機種だが、コンパクトでどこにでも持っていけるため、今後も使い続けたい。
FMチューナーは今まで何台か使ってきた。故障したり、引越しの際に処分したものもある。当初は音質の違いがまるでわからず、あまり頓着していなかったので、店頭で最も安いもの(たいていは型落ちモデル)を購入した。ただ、当時は受信状態が悪く、ノイズが気になるくらいに入ってきたため、屋根にアンテナを設置したり、ケーブルの見直しなどなどをおこなってかなり改善できた。そうすると LPや CDとあまり差が感じられない機種と、妙に音が甘いものなど違いがあることがわかってきた。さらにシステムノイズそのものの出方にも違いがあった。最近ではこのノイズがどのように出てくるのか少し気になるようになってきた。
そんな折、Onkyo Integra T-429が中古ショップの店頭に並んでいたので購入。1982年頃のモデルで、FM専用機。マルチパスメータがついている機種は以前からほしかったので、やや高いかと思いつつも購入した。あまり大きな傷や凹みはないものの、あちこちに錆が出ている。放送周波数とスケールには少しずれが見られた。ライトは特に問題なし。30年を経過して、すべてのライトが点灯するとは思わなかった。前の所有者が修理にでも出したのかもしれないが。
音質はというと、これまで聞き馴染んできた Kenwood/Trioのモデルとはやや異なるようで、かなりソフトな印象。ヘッドホンで聞いていると、とげとげしさがなく、聞き疲れしない。アナウンサーの声も穏やか。ただし無音状態だと、ピンクノイズのような音がしていることがわかる。時報前後のノイズの分布を確認してみると(下図)、10kHz以下のレベルが高くなっていた。8kHz以下は時報とともに出てくるノイズ以上にシステムノイズが多い。
一方、Kenwood KT-V880では下記のようなノイズ。こちらも87年ごろに購入した古いモデル。
KT-V880は8kHz以下もノイズレベルが低くフラットに近いため、時報にホワイトノイズのような信号(?)がかぶせられているのがよくわかる。ノイズが少ないこともチューナー選択時の大きな要素だが。現行の製品がどのようなものか、機会があれば調べたいところ。
ちなみにマルチパスメータはまったく振れず、静かだった。送信所に向けてアンテナを立てれば、周囲に反射するようなものがなければマルチパスは出ないということか。アンテナを向けている方角と違う放送局を受信すると、マルチパスメータが振れていた。できればアンテナポールにローテーターでも取り付けて、ノイズが少ない放送局や中継所はどこかなどを調べられると面白いのだが。
40年前からのカセットテープをいまだに捨てられず。手持ちの LPや CDからダビングしたテープは、劣化が激しいものは MDレコーダーを購入した頃にかなり処分した。FM放送から録音したもので今後も聞きたい曲は、すでに LPや CDを購入しているものが多く、テープを残しておく必要は特にないものの、番組の構成が良かったり、テープの端に尻切れトンボで残っているニュースが意外に当時の社会情勢を思い起こさせてくれるので、捨てるのを躊躇させてしまう。ポーランド大使が亡命申請したとか、ロッキード事件の裁判など。
カセットテープに録音していた当初は、ラジカセを使っていた。現在はすでに死語と言っていいエア・チェックだが、これを結構熱心にやっていた。使っていたのはSony Pro1900という機種だったが、放送される番組と、録音したものでは音質に結構差があり、より高級なテープだと改善されるのかと、高いテープも使ってみたが(10本 1000円のテープと 1本 1000円以上のもの)、大きな差はなかった。高級品を買ったという気分的な思い込みのほうが強かったかもしれない。ただ、テープの走行性能は何本か買った範囲内では TDKよりも Maxellの方が良い印象だった。それ以降 Maxellの UDをメインに使うことになる。TDKのテープは巻き戻しや早送りを何度も繰り返しながら使っていると、"キィー"という嫌な異音が出てくることが多かった。UDと LNの差は実質的にはほとんどなかったのだが、気分的なもの。取り扱いも割りと大事にしていたし。
この Pro1900を使って録音たテープがいくつか出てきたので、今後録音特性を調べてみたい。テープ速度だけでなく、ヘッドのアジマスがずいぶん違っているので、この調整が難しいだろうけれど。
ビデオテープはカビが生えたものが結構あったが、同様に保管していたカセットテープは大丈夫な様子。どこが違うのだろう???
1995年から数年前まで FM放送の録音や講演会の記録、野外録音で MDを使っていた。そのため、ディスクが相当数ある。100枚入りの箱を買ったことも何度かある。注文するときに店員に驚かれたことあり、記録媒体の需要自体が減っているのかと思った。
最近はもっぱら HDDや IC recorderで録音することが多くなってきたが、時々は使いたくなることがあり、利用していた。MZ-RH1は PCM録音だけでなく、PCへのデータの転送ができるということでとても多機能な機種である。これまで録りためた音源の中から必要なものを適宜 HDDへ転送するようにしているが、それには不可欠なレコーダーだ。アナログに戻さずに転送できるということもあって、古いレコーダーがまだ使えるというのにわざわざ購入したくらい。
ところが、SONYが今年9月で製造終了、Hi-MD規格の Mini Discも来年9月に終了するという発表を先日おこなった。残念というほかない。ただディスクと同じ価格で倍以上の容量を持った SD cardが買えるので、データ保持のコストから見て仕方ないのかもしれない。
古いカセットテープをなかなか捨てられず、気が向いたときに再生している。ふとテープレコーダーの周波数特性はどんなものだろうかと、調べてみることにした。
まずは基準となる音源の作成。日ごろありがたく使わせていただいている wavespectraの作者が wavegeneというソフトも開発・公開されている。いろいろな設定で音源を作成できるので、とても重宝している。これで 0dB, -3dB, -6dB, -10dB, -15dB, -20dBのホワイトノイズを作成し、これを CD-Rにいれて録音することにした。
まずは CD playerが壊れてしまい、先日急遽購入した sonyのミニコンポ。これはボタン設定がとてもシンプルで、使いやすそうだったので購入したが、リモコン操作がやや複雑というか、煩雑。機種選定をしてほぼ購入を決めたときにカセットも録音できることを知ったくらい。音質的には全く期待していなかった。周波数特性は、60~8,000Hzと書かれていた。大昔のラジカセよりも特性は劣っている。
録音してみると、録音レベルが高く、 0dBの信号が +5dB程度まで振れてしまう。これではまともな音は録音できないと思った。案の定wavespectraで確認してみると 0dBでは高音部が大きく落ち込んでいた。そのほかのレベルで録音したものもまとめて表示するために、audacityでグラフ化すると下記のようになる。
-5dBあたりが 0dBに相当するのではないかと思われる。-10dB位の録音レベルでは 17kHzあたりまで、概ねフラットとなる。驚いたことに、テープ速度はクオーツサーボを搭載したカセットデッキとぴたりと一致した。録音レベルさえ調整できればかなり満足できる音質になりそうだ。適正レベルは -12dBあたりか。レベル調整もしたいが、マニュアルを確認すると、どうもできなさそう。
次に長年使っている同じく sonyの walkman professional WM-D6C。購入したのがたしか 1986年か 87年だったと思うので、かれこれ24年使い続けていることになる。もっぱら講演会や FM放送を録音していたが、時には LPや CDからも音楽を録音していた。音質的には余り不満はなかったが、LPや CDから録音しても高音がなぜか伸びず、FM放送のように聞こえてしまうことが不満といえば不満だったか。ウオークマンだからと納得していたが。そこでどのような周波数特性なのか調べてみると、下記の様になった。
15kHz以上が急激に減衰してしまうことが良くわかる。MPXフィルタでもかけられているようだ。それ以下の音域はかなりフラットな特性。FMを録音すると、ほとんど差が出なかったように思ったのも納得できる。このフィルタをバイパスできれば改善できると思うのだが。
次に最近手に入れた Nakamichi CR-30。ナカミチといえば非常に高価でとても手が出るものではなかったが、昨今はカセットを使うユーザーもかなり減少し、中古やオークションでも安価に手に入れられるようになってきた。もっとも、すでに20年以上経過した古いモデルもあるので、初期性能が維持できているかどうかは別問題だが。録音特性の良いメタルテープはすでに入手不可能だし、新規に録音するというよりは手持ちの古いテープの再生がメインとなるだろう。
再生して見て驚いたのは 20kHzまでほぼ完全にフラットで、0dBで録音しても高音域が低下しなかったこと。上記のグラフを見ても判るように、各録音レベルのラインがほぼ平行で重ならない。これだけの特性があれば、MDなども使用しなくても済んだかもしれない。音質の劣化であれこれ悩むよりは、無理しても 20年前に Nakamichiを買っておくべきだったか。でもホワイトノイズを録音していて、明らかに録音・再生した音が変わってしまっていたが。
以上、テストに使用したテープは TDK AE (Type I)、4本290円の20分テープ。