毎晩、夜9時を過ぎた頃になると、娘が私の仕事部屋にやってくる。
「お父さん、今日も絵本読める?」と娘が尋ねる。
「大丈夫だよ。部屋で待っててね。」と私が答える。
部屋に入ると、いつも読んでもらいたい本が置いてある。1週間ほど前から、この本になった。
さんねん峠―朝鮮のむかしばなし (フォア文庫) 価格:¥ 588(税込) 発売日:1996-07 |
「さんねん峠」は小学校の教科書にも掲載されている朝鮮の昔話。この本自体、それがきっかけで買ったのだが、中には16編の話が収録されている。代表的なものは、タイトルの「さんねん峠」と「へらない稲たば」だが、他にも道徳的な話や勧善懲悪的な話、とんちの効いた話などがあり、どれを読んでも楽しめる。
我が家では「寝る前の絵本」(あまり挿絵はないのだが...)として読んでいる。でも、教科書にも掲載されているほどだから、小学3年生ぐらいの子どもが一人で読んでも十分楽しめる。
今日の夜は、「天に帰らなかった山の精」という話を読んだ。久しぶりだったので、2人とも話の細かい部分を忘れていた。この山の精とは天女なのだが、娘は「お父さん、この天女ってどれくらいの大きさなのかな?」と尋ねた。私が「この話だと、ふつうの人間と同じみたいだよね。」と答えると、「へえー、そうなんだ。てっきり、もっと小さいのかと思った。」と意外な様子だった。娘は、ピーターパンに登場するティンカーベルを想像していたらしい。
こんな風に、すぐ話が脱線する。「江戸小ばなし」を読んでいるときは、江戸時代の通貨や風習などが出てくるので、さらに話が脱線する。終いには、私の昔話などに発展するので、子どもにとってはある意味おもしろいのかもしれない。
江戸小ばなし〈2〉―子どもも、おとなも楽しめる 価格:¥ 788(税込) 発売日:2005-12 |
子どもの成長に合わせて、たまにこんな文字だらけの本も読んでみると、思わぬ発見があったり、想像力をかき立てられたりするものだ。寝る前の15分ほど、子どもと一緒に空想にふけるのも悪くない。むしろ良い気分転換になると言えるかもしれない。