「PTA進化論」と聞くだけでピンと来る人は、地元の新聞によく目を通している人だろう。
12月頃から地元紙に「PTA進化論」というコラムが掲載されるようになった。鹿児島の南日本新聞では、毎週火曜日に掲載される。他県の状況はわからない。
初めてこのコラムを目にしたとき、「えっ?」と驚いた。私も昨年PTA会長をしていたときに、「進化」という言葉を使って改革の必要性を説いていたからだ。著者の川端裕人(カワバタヒロト)さんには失礼なのだが、「いつの間に記事を投稿したかな?」と思うほど、私が普段から口にしていたことが書かれていた。
川端さんと話がしてみたいなと思って探していたら、川端さんのブログが見つかったので、コメントを書いてみた。すると、川端さんからのコメントが書き込まれた。おまけにこのコラムも読んでくださったようで嬉しくなった。
http://ttchopper.blog.ocn.ne.jp/leviathan/
それ以来、毎週火曜日のコラムが楽しみになった。今週は「無理な組織維持」、「自由な入退会徹底を」という文字が強調されていた。
時代は変化していくし、私たちのライフスタイルも変化していく。Survival of the fittest(適者生存)という考えは常に念頭に置かないといけないと思う。
PTAという組織がうまく機能すれば、子どもたちの教育環境にも好影響を与えられるし、保護者同士も情報交換を行って、円滑な人間関係が結べるだろうと思う。学べることも多いだろうし。ボランティア活動のはずが強制労働では、ほとんど憲法違反に近い。
考えてみると、私たちには子どもに普通教育を受けさせる義務、勤労の義務、納税の義務があるというのに、PTA活動への参加に義務感を感じて、仕事を休んだり、仕事が滞ったりして、労働に勤しむことを阻害されるようであれば、「勤労の義務」に反するのではないか。だいたい、仕事を辞めないといけなくなった人は、生活すら危うくなる。最近は、不況で解雇されたり、契約打ち切りなどになる人も増えているのだが、それでも「恒例」の行事を淡々とこなしていくのだろうか。
色々な特技を持った人たちが集まる組織だから、得意分野を活かして参加できるようにしたら、苦労も楽しみに代わるかもしれないのだが。全国は広いので、そんな風に会員の意見や考えが反映された活動を展開しているところもあるかもしれない。今考えると、大学生の頃に、PTAなどの研究をしていたらおもしろかったのではないかと思う。比較教育学だったら、海外と日本のPTAシステムの比較などもできただろうなあ。
何はともあれ、「PTA進化論」である。川端さんのブログを拝見すると、その調査力には感服してしまう。話題も多岐にわたり、おもしろい。PTA関連の著書もあるようなので、「PTA」をキーワードにしてこのブログにたどり着いた人は、是非手に取ってみてはいかがだろうか。
PTA再活用論―悩ましき現実を超えて (中公新書ラクレ) 価格:¥ 819(税込) 発売日:2008-10 |
おとうさんといっしょ (新潮文庫) 価格:¥ 500(税込) 発売日:2008-09-30 |
それにしても、地理的にこれほど離れているというのに、PTAという組織に対して同じような考えを持つことは何とも興味深い。ひょっとしたら、こんな田舎のPTAも「全国標準」なのだろうか。喜んで良いのやら、悲しんで良いのやら。