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山折哲雄 われわれの意識の底の方で支えているのが神道的な感覚

2017年11月26日 | 思想哲学

山折哲雄「日本人の宗教感覚」

日本人は、

仏教からは無常観と浄土観を、そして空や無のイメージを受け入れ、

それにたいして儒教からは自己修養、

西洋からは個人主義をそれぞれ積極的に受容して、

それらをうまく重層化させながら、みずからの人格形成に役立ててきたのではないでしょうか。

ただ問題なのは、それらが互いにどのように重なり合い、どのような形でふれあっているかが、もう一つはっきりしないということです。

けれどもこれらの思想的特質がともかくわれわれの人生観や世界観のうえに、陰に陽に作用していることだけは確かなようです。

そしてここが大切なところですが、

これらの三系統の思想的要因を、われわれの意識の底の方で支えているのが神道的な感覚ではないかと私は思っています。

神道というのはまことに不思議な世界で、宗教ともいえないような、思想ともいえないような、極度に柔らかな自然感覚にみたされた世界なのですが、しかしこの柔軟この上ない自然との神道的な共鳴感覚が日本人の世界観を大きく押し包んでいることに注意しなければなりません


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