笑顔で生きていく

感謝しながら言葉と歌詞を拾う
そして和む

米山公啓 絵画で脳を鍛える方法

2017年11月06日 | 人生訓

絵画で脳を鍛える方法

絵を見ることは、視覚から脳を刺激する最もいい方法のひとつなのです。

1) 自分の見方で絵を見る
 絵を見るとき、ぼんやりとした絵より、境界線がはっきりした絵や、形がわかりやすいもののほうが見やすく感じます。それは単純な線のほうが見やすいということではありません。人間の目が単純な線を見るようにできているからです。

 無意識の理解と言ってもいいでしょう。しかし、一枚の絵から脳を刺激するには、意識して、絵の中に別の形や輪郭を見いださないといけません。つまり、自分の見方で絵を見る、そこから脳を刺激する絵の見方が始まるのです。

2) 知識で見る
 私たちはすでに絵に対する多くの知識を持っています。印象派のモネの絵を見れば、モネの生き方なども考えながら絵を見ることになります。ゴッホの絵を見れば、これは何十億円もする絵なのだという知識を持って見てしまうわけです。しかし、それも絵の一つの見方でもあるのです。

 一枚の絵からどれだけ発想を広げられるのか、そのほうが重要なことです。知識の上に立った絵の見方もありうるのです。そのためには、より絵について勉強し知識を広くする必要があります。絵で脳を刺激するには、絵画の知識も要求されるということです。

3) 経験で「スキーマ」に変化を持たせる
 絵を見るとき、そこに見えるものが街の風景であれば、「街の風景のスキーマ」が脳の中で作動します。街という構造を脳でいかにとらえるか、ある決まった考えが脳の中にはできているのです。

 「スキーマ」は知識でみるよりもう少しはっきりした自分の中の記憶にある決まりのようなものです。だから印象派の絵は印象派の絵のスキーマで見ようとするのです。

 これは人それぞれに違うので、絵の見方の個性にもなっていく重要な要素です。絵をたくさん見たり、自分自身が多くの経験をしたりすることで、自分のスキーマに変化を持たせることができます。

 つまり、年齢によって同じ絵でも、見方が変わってくるわけです。一枚の絵にいつでも同じ感情しか持てないなら、あなたの脳の進化が止まっているということです。

4) 不協和で見る
 バランスのいい構図の絵であれば、見ていて気持ちが落ち着くかもしれません。しかし、絵はそれだけでは物足りなくなるものです。近代絵画では見る側のそういった意識を打ち破るために、意識的にバランスを悪くし不安にさせたり、あり得ない物を同じ絵の中に登場させたり、見る側に何かを意識させることがあります。

 美しい絵、有名な絵、安定して安らぎを覚える絵、そういったものだけではなく、時にはまったく異質で新しい絵を見ましょう。その絵からいままで感じたことのない感情が生まれれば、脳が絵によって活性化されている証拠です。

 絵を見ることは脳を刺激することです。より絵で脳を刺激するには、やはり絵に対する理解を深めていくことが必要になります。教養を高め、脳を活性化できるのですから、まずは、ときどきはギャラリーや美術館に足を運んでみましょう。

(米山公啓)