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和辻哲郎 全体性を表す「人間」という言葉で個の「人」を見ている日本人

2017年11月24日 | 人生訓


漢字の「人間」は仏教用語で、輪廻転生する五つの世界である
「地獄、餓鬼、畜生、人間、天上」の「人間」を意味する。
「人間」とは「人の世界」という意味で、
「人間社会」を意味しても、個人としての「人」を意味する。
「人間」(人の世界)という全体性を表す言葉が、
個々の「人」をも意味するようになった。
また、日本人は日常的に、全体の名で部分を呼び、部分に全体を見ている。
全体性を表す「人間」という言葉で個の「人」を見ている日本人は、
人は自分だけでは生きられず、
他の人々に生かされ生かしつつ生きるのだ
という全体との関係を意識する智慧があった。

和辻哲郎『人間の学としての倫理学』