「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

訳詩もどき

2005年03月01日 | 歌びとたち
 ブログを通して最近お近づき願っている虚庵さまの呼びかけに応じて、はじめての訳詩に挑戦する気になりました。例の、毎度の横好き虫の啓蟄にさきがけての動きです。
虚庵さんの、蘇東坡の「贈王寂」の訳詩を読んで、私は乏しい記憶の中から、李白の「送友人」 を蘇らせたものです。「千年の友」でどう訳されているかお伺いしたところ、「あなたは、どう詠いますか」とお返事がありました。
 ならばと,五律の詩を書き出して読み返しても、逐語訳ならなんとかなっても、それを自分の言葉に置き換えるのは容易でないのを思い知ったことです。

    青山横北郭  白水遶東城
                           
    此地一為別  弧蓬萬里征     
                  
    浮雲遊子意  落日故人情     

    揮手自茲去  蕭蕭班馬鳴

    北に連なる青い山なみ   東には清らの流れ
 
     この地で別れよう     君は風のまにまにさすらはん
      
     あの浮雲こそ今の君    沈む夕日は吾が想い

     たがいに別れの手を振れば  駒よお前も啼いてくれるか


 また、面白い遊びを発見しました。 初めての訳詩?に向こう見ずの挑戦です。対句の処理にまだ拘りを捨て切れません。これはいつも絵の先生に指摘される、思い切った省略に通ういい勉強になるようです。虚庵さまに感謝です。ご指導を願います。

    うしろすがたのしぐれていくか

    わかれきてつくつくぼうし     山頭火

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2 コメント

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村はずれに君を送る (虚庵)
2005-03-04 00:02:47
山姥さま



「いつも訳詩たのしんでいます」とのコメントに、ご自身が訳詩をなさり楽しんでおられるかと、早とちりして、「山姥さまはどの様に詠われたのでしょうか」との問いかけをしました。

初めてご自分の言葉に置き代え、ご自分の思いを託して詠われた訳詩は、誠にお見事!!



山姥様の訳詩に、旅立つ友人の心で、反し歌を添えてみました。



『われ行くは 大地をころがる よもぎ葉の

 あてどなき旅 ここに別れて』



『浮雲の さすらう旅を 送る友の

 しずむ夕陽に いななく駒かな』



返歌ありがたく (山姥)
2005-03-04 07:30:38
いつもながらの言葉足らずのおもいこみです。

訳詩もどきは、やはり手垢の付いた陳腐なものでした。

 精進すれば少しはましになると自分を励ましています。

 恐れ多い返歌です。