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夫にとっては、中学に通った少年の日に目に留めた、「小倉城の櫻」以上の櫻はないようです。私にとっては、小倉城周辺は、かつて学徒動員で12時間勤務の過酷な労働で、風船爆弾の紙貼り作業をした小倉造兵敞の思い出にどうしても繋がるのですが、口にしないで出かけることにしました。
昨年よりは少ない人出のようでした。ここは「年々歳々花相似」ですが、整備されて馬場も広くなっています。風が誘う花の雪に包まれてのそぞろ歩きは、春をまとう想いです。若やいだ華やぎの余韻はいいものです。
色も香もおなじ昔にさくらめど年ふる人ぞあらたまりける 紀友則 古今集
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「げにや年を経て。花の鏡となる水は。散りかかるをや。曇るといふらん。」
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映像は、八坂神社側からの天守閣です。