「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

庭の歳時記

2005年04月19日 | 歌びとたち
 四月の庭の花ばなに寄せる歳時記です。ささやかな庭にも次々に季節を告げる花が咲き継ぎます。花にまつわる思い出の先人の句を記して見ます。

風に落つ楊貴妃桜房のまま  杉田久女

八重桜ちぎって落す風に逢う  山口青邨

やや暑く八重の桜の日蔭よし  高浜虚子                       


ほろほろと山吹散るか滝の音  松尾芭蕉

山吹の四の宮遊女唐輪髷  仲岡楽南


  山吹や山水なれば流れ疾く  橋本多佳子

惜春やすこしいやしき紫荊  松本たかし

花蘇枋枝をはなるる明るさあり  太田鴻村

山間のすほふの花や日の移り  遊翁