吟遊詩人の唄

嵯峨信之を中心に好きな詩を気ままに綴ります。

冬の動物園/浜田裕介

2009-01-11 17:32:06 | 浜田裕介
二月の寒い午後 君のわがままで
バスに乗りでかけた 街はずれの動物園
君の言う言葉なら 痛いほどわかるけど
僕のその痛みは 檻の中のライオン

悪いことばかり さっきから考えてる
君の風向き 少し思わしくない
だからほら温かいコーヒーを飲もうよ
シロクマが見てるよ 穏やかな無表情で

僕のモスグリーンのハーフコート 君が羽織り
君の黒のパーカーは いつも僕の肩の上
シマウマの檻の前で もし君が泣き出しても
僕が気がかりなのは 帰りのバスの混み具合

はしゃぎすぎた後の子どもみたいに
君の背中が 少し小さく見える
別れても続けても 僕は君が好きだよ
ペンギンがはしゃいでる 人の気も知らないで

もうさよならね 君がそっと微笑んだ
記念写真より 動かない笑顔で

二月の寒い午後 君のわがままで
バスに乗り出かけた 街はずれの動物園





最新の画像もっと見る

3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
シマウマ (優衣)
2019-06-29 06:37:32
シマウマの檻の前で、私が泣いたのは、シマウマが無表情で、怖かったんです。もっと穏やかな顔をすると思っていました。
無表情 (優衣)
2019-07-03 21:38:53
シマウマは、口元をよく見ると、ニコニコしていました。
とても、親切そうでした。口角が上がるとニコニコ、下がると
薄ら笑いに見えるので、何だか嫌です。
一言、何か言ってくれるといいのですが。
 (がく)
2019-07-21 07:48:56
僕の猫は、機嫌がいいときには、丸くなってから思い切りのびをして、にへらーと微笑みます。そういうときの彼は、とても幸せそうで、僕は、少しせつなくなります。いい餌もいい座椅子も、素敵な家もあげられないのに、どうして、
君は、こんなに幸せそうな顔をするの?と。二度と君の笑顔が見られなくなったら、どうやって、僕は生きていけばいいの?って「。

post a comment