吟遊詩人の唄

嵯峨信之を中心に好きな詩を気ままに綴ります。

呼吸-Breath-/浜田裕介

2012-09-12 15:33:22 | 浜田裕介



空に訊きたい 
人はこの旅の果てに 憎しみを越えられますか?
鍵はまだ開いてますか?

雲に訊きたい
渡り鳥の羽ばたきや イルカたちの鳴き声は
僕らを責めてませんか?

いつかは誰もが閉じるその本の
最初の行に書かれてたのは「祝福」なのでしょうか?

灯る度に吹き消される か弱き命の震える音
今膝の上 無防備に眠る こねこのあくびさえも
守れなくて 繋げなくて 途方に暮れる夜の岸辺で
ただ祈る 祈りにさえならぬ声で 声にさえならぬ呼吸で


月に訊きたい
いつか僕が傷つけた あの人はこの空の下
大切にされてますか?

星に訊きたい
僕はこの頭の中 何人も殺しました
それはやはり罪ですか?

歪んだ光が映す自画像は
無色なままで 無力なままで あまりに真実で

届く度に遠のいてく 現在ここにいることのその意味
受け入れることは諦めなのか?それとも勇気なのか?
生まれたこと 死に往くこと そこにはきっと意味なんてない
でも歌う 歌にさえならぬ声で 声にさえならぬ呼吸で


風に訊きたい 
戦場を吹き抜ける時 無限の闇の向こうに
夜明けは息吹いてますか?

雨に訊きたい
全てを失くした人の 肩をそっと濡らす時
彼は赦されてますか?


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1 Comments

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答え (がく)
2019-06-29 03:00:22
憎しみは必ず越えられるから
貴方は前を向きなさい
鍵はまだ開いていると貴方も信じなさい
これが空の答えです

渡り鳥やイルカは貴方を責めていませんよ
皆貴方と共に生きていますよ

いつかは祝福が皆を待っています

貴方は頭の中でも人は殺していないでしょう

歪んだ光は真実を照らします


受け入れることこそが勇気です
私は常にそう信じています

生れたことにも死んでいくことにもいくことにも
意味はあります
貴方には意味がないのですか

歌って下さい
歌にならぬ声で、呼吸で
どうか、歌って下さい

風に訊かなくても夜明けは常に息吹いていますよ

全てを失くした人こそ、赦されるんです

彼はもう、赦されていますよ

雨に訊かなくても構いません
風に聴きましょう

風は常に答えを歌っていますから
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