吟遊詩人の唄

嵯峨信之を中心に好きな詩を気ままに綴ります。

ヒヤシンス/浜田裕介

2010-01-06 16:48:08 | 浜田裕介



工場の裏 どぶ川のほとり 儚く咲いた幻の花
8月の朝 高校野球 サイレンの音にうなだれる朝

小さな町 閉ざされた日々 彼女は何も選ぼうとはしない
教室から見下ろしていたのは 鉛色の閉塞の町
ある朝彼女は見つけた 机の隅の小さな落書き
慌てて塗りつぶして 周りを見渡す 小さなシミがゆっくり広がる

線路の脇 トタン屋根の下 可憐に咲いた幻の花
ペダルの音 軋むペダルの音 いつしか憶えた絶望の歌

街頭演説 群衆の告白 丸めた紙屑 60年の文字
タクシーの列 すり減った革靴 放置自転車 盲人信号のメロディー
ピンクチラシ 少女たちの目配せ 開かないドア 虐待の闇
口ごもる老人 ただ空を見上げる 当分降りそうもない薔薇色の空

工場の裏 どぶ川のほとり 儚く咲いた幻の花
8月の朝 痛恨の極み サイレンの音にうなだれる朝

グランド・ゼロ Shoe The Flag イラク派兵 テロ支援国家
保険会社のCM 自己責任 少年法改正 実名報道
公式参拝 反日感情 遺憾の念 不戦の誓い
安全保障 経済制裁 新しい歴史教科書 右向け右!

ひび割れた窓 染み付いた匂い 何度も割られる窓 母親の沈黙
頭を低くして息を潜めて ただやり過ごす 終わらない嵐
灼けたトタン屋根 窓のない部屋 テーブルの上折れたヒヤシンス
落書きの文字が彼女を押し潰す 「ここから出てけ この朝鮮人!」

カビ臭い部屋 物置の隅 健気に根を張る沈黙の花
何処へ行こう これから何処へ行こう 途方に暮れる ひこうき雲


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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
優衣さんへ (マリウス)
2010-01-09 05:48:22
もうここを見ることもないかもしれませんけれど。

これは、特にあなたへのメッセージというわけではないです。新しいPVを作ったので、ここに転載しただけなのです。しばらく連絡もとらず、申し訳なく思っていた矢先のことでした。

どうか、お元気で。
返信する
Unknown (優衣)
2010-01-16 09:42:50
本当にありがとう。

コメントをいただいていて驚きました。
ここには、時折伺うと思います。

私の魂の必要に迫られて。
そう、魂の必要に迫られて。

わたしのこころの旅の行く先ですから。

本当にありがとう。

優衣


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Unknown (夏記)
2016-04-04 10:18:41
しばらく、ネットをやっていなかった間に、
大好きだった人のブログが無くなりました。
時の彼方へ
更に時の彼方へ
永久に
彼を追いかける
それが私の運命です。
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Unknown (がく)
2016-04-07 07:01:42
あの日
永遠に続く あの日
飛行機が落ちた
俺の飛行機が落ちた
友が散り
火になって落ちた
声を上げる間もなく
ただ 黙って
そして
日本は
火の国と化した
沈黙の廃墟と化した
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