吟遊詩人の唄

嵯峨信之を中心に好きな詩を気ままに綴ります。

長い手紙/浜田裕介

2014-04-22 20:03:00 | 浜田裕介





フルボリュームで喚く街宣車が 日曜の朝を引き裂く
テレビではにやけたニュースキャスターが悲惨な事件を伝えてる
僕は無意識に口ずさんでる 憂鬱なあの歌を
自由という名の甘い蜜に僕らは引き寄せられ
後戻りできない長い道を 知らぬ間に歩かされてる
誰かが定義した愛や正義を無条件に受け入れて
今も長い長いこの手紙を 僕はずっと書き続けてる
いつか僕の小さな戯言が 誰かの胸に届くように

子どもらは家族の中でさえも ノルマと罰を背負わされてる
奪うこと競うこと争うこと 勝利者だけが 許される
それでも僕は信じ続ける 逃げることの 尊さを
悲しみに満たされたその瞳に君は何を写すんだろう
デジタルな夢にうなされ続けて 僕らは何を探そう
何度も裏切った希望ってやつが悪夢にすり替わっても
今も長い長い手紙を僕はずっと書き続けてる
いつか僕の小さな戯言が 誰かの胸に届くように

シナリオの果てに悲しみがあると本当は誰も気づいてる
それでも欲望が僕らを支配する 転がり続ける 愛から遠く離れて

飢えていくその国を救うのに 見返りなんかいらないだろう
彼らが銃口を向けてるなら 無防備に手を広げればいい
優しさだけでもう十分何たでよ 強さなんて邪魔なんだよ

今も長い長いこの手紙を 僕はずっと書き続けてる
いつか僕の小さな戯言が 誰かの胸に届くように 誰かの胸に響くように


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