Everyday I have the BLUES

10代の頃はハードロックに夢中だったのに、最近はブルースが心地いい。。。

old lover blues

2005-02-19 00:42:03 | Weblog
仕事帰り。

昔付き合ってた女と
久しぶりに待ち合わせ。

おいら、もうずいぶんあっちのほうが“ごぶさた”だから、
今日はちょっと気合を入れた服装で望んだんだけど。

二人、ぎこちない装いも初めのほうだけで、
30分もすれば、すっかり空白の氷は溶けていた。

思い出話に花を咲かせながら、
ちょっとアルコールも頭を霞め始めて、
いい気分で唐揚げをつまんでいたその最中。

唐突に、

「4月に結婚する」

と打ち明けられた。

しかも、彼女、
「あの頃は楽しかったなぁ。今は…」
なんて言い、新生活への戸惑いを匂わせるもんだから、
おいら、肝っ玉が縮み上がった。

この時点でもう、
“あわよくば一夜を共に”的なお粗末な思案は
すっかり波に呑まれてしまって、

ただただひたすらに、
彼女の新生活を応援することに努めた。


一軒目の居酒屋を出たところで、
俺は笑顔で彼女を新居へと見送って、
予定していた二軒目のショットバーへは、
一人で足を運んだ。

フォアローゼスを舐めながら、
彼女の結婚と、新生活への戸惑いを前にして、
今の俺に何が言える、何が出来るかと、一人ごちた。

何も出来ず、何も言えやしないことは百も承知で、
俺のそばにいていた頃から結婚を夢見ていた彼女の、
夢の実現という栄光に、
深い疲労と、深い安堵とを感じた。

なんだかわかんねぇけど、
スティービー・レイボーンの、
『Sky is Crying』がやけに恋しく思いながら、
フォアローゼスの2杯目を舐めた。