仕事が忙しい。
9月末にピークを越したはずなのに、
眼前の景色は一向に晴れてくれなくて、
むしろ、鉛色の空は、濃度を深めてる。
25時に帰宅する日々をもう2ヶ月も続けて、
昨夜の仕事上がりは、満を持しての27時。
家に帰り着けば3時半で、
よせばいいのに、そこから少しの自由時間を求めて、
さらに睡眠時間をすり減らす。
新聞配達のバイクのエンジン音を
遠くに聞きながらベッドに沈み込めば、
一瞬の瞬きを合図に、次の日が始まる。
スーツ姿でスシ詰めの電車に揺られ、
ビル群へと向かう自分を“駱駝”のようだと憂いながら、
例えば、こんな生活を何十年も続けて肩に積もった憂いになら、
何者でもないその肩にさえ、少しの意味は積るのだろうかと、
見知らぬオヤジの肩を見る。
しかし、そこには、見事に何の重みも感じられなくて、
ただ、カレー臭だけが漂ってきそうなその気配に、目をそらす。
あるいは…と、回り始めた思考を、
無理やりに停止させて、ただ一つ。
目覚めてすぐのその最中、
まだ動きそうだ、という体に感謝し、
夜をまたぐその最中、
一日動いてくれた体に感謝する。
…一日の終わりに、
なんのためらいもなく瞼をおろせるのは、
自分に対する褒美と、
そして少しの信頼の表れなのかもしれない。
9月末にピークを越したはずなのに、
眼前の景色は一向に晴れてくれなくて、
むしろ、鉛色の空は、濃度を深めてる。
25時に帰宅する日々をもう2ヶ月も続けて、
昨夜の仕事上がりは、満を持しての27時。
家に帰り着けば3時半で、
よせばいいのに、そこから少しの自由時間を求めて、
さらに睡眠時間をすり減らす。
新聞配達のバイクのエンジン音を
遠くに聞きながらベッドに沈み込めば、
一瞬の瞬きを合図に、次の日が始まる。
スーツ姿でスシ詰めの電車に揺られ、
ビル群へと向かう自分を“駱駝”のようだと憂いながら、
例えば、こんな生活を何十年も続けて肩に積もった憂いになら、
何者でもないその肩にさえ、少しの意味は積るのだろうかと、
見知らぬオヤジの肩を見る。
しかし、そこには、見事に何の重みも感じられなくて、
ただ、カレー臭だけが漂ってきそうなその気配に、目をそらす。
あるいは…と、回り始めた思考を、
無理やりに停止させて、ただ一つ。
目覚めてすぐのその最中、
まだ動きそうだ、という体に感謝し、
夜をまたぐその最中、
一日動いてくれた体に感謝する。
…一日の終わりに、
なんのためらいもなく瞼をおろせるのは、
自分に対する褒美と、
そして少しの信頼の表れなのかもしれない。
…また10年後、20年後気付くこともいっぱいあるんでしょう。そう思えば、もう少しもう少し、歩いてみたくなるのです。ナニモノでもなくても、ここに生まれおちたからには。そしてあなたや、愛すべきヒトやモノと出会ってしまったからには。
駱駝は、宮本輝の【青が散る】からの引用語です。